高度な技術のムダ遣いなバレンタイン企画
「リアルキスチョコ」を企画したのは、株式会社ケイズデザインラボさん。2013年から毎年この時期に、「自分自身をスキャンしてチョコレートにしよう!」という企画を開催していて、2013年は自分の顔、昨年は自分の全身のチョコレートを提案してきた。
今年、そのバレンタイン企画が「実物大のパーツチョコ」という新たな境地に辿り着いたのだという。顔と全身は実物大ではなかったので、今回が初の1/1モデルということになる。
2013年の3D顔チョコ
今から約30年前、国生さゆりは「バレンタイン・キッス」という歌の中で「最後の手段」としてチョコではなくキスを贈ると歌っていた。あれから時を経て2015年、女性が自らの唇を3Dスキャンしてリアルなキスチョコを男性に贈ることができるサービスができた。
3Dスキャナーという最先端技術のおかげで、あの頃には想像もつかなかった未来に僕たちは立っている。
ちなみに今回のバレンタイン企画には「リアルフィンガーチョコ」というコースもあり、そちらは好きな指2本を実物大のチョコにしてくれるらしい。バレンタインデーに指を贈られる。何かの落とし前をつけられるようで、そちらも今までにないバレンタインを味わうことができる。
リアルフィンガーチョコ
ケイズデザインラボ・スタッフ関口さんの唇で試作のキスチョコを作ったというので、その工程を見せていただいた。
まず最初に、自分の口元をスキャンして3Dプリンターで出力する。
出力された関口さんの口元
シリコン製の型。歯科技師用のシリコンを使用。
ここまで出来たら後は普通のチョコレート作りと同じ。型の中に湯煎して溶かしたチョコレートを流し込み、冷蔵庫で冷やせばリアルキスチョコの完成である。
説明を聞いているうちに、ふと気づいた。
出力された3Dの唇は、目の前にいる関口さんの唇と同じである。
本物と3D
ほほう
なるほど、こういう唇ですか
いかん!
無意識にセクハラまがいの行為にいたってしまった。関口さんが困っている。
3Dの唇をそっとテーブルに置いて、工程の続きをお願いした。
型に湯煎したチョコレートを
流し込む
型に流し込んだチョコレートを冷蔵後で約1時間半冷やすと、
リアルキスチョコの完成!
リアルなキスチョコの完成である。
ホワイトチョコレートで作った方は、赤いゼリーペンで唇に着色してあり、よりリアルな仕上がりとなっている。ホワイトチョコとストロベリーゼリーの組み合わせで味もバッチリだ。
リアルな唇をゼリーで再現
最初に全身スキャンを体験
「リアルキスチョコ&リアルフィンガーチョコ」の企画は基本的には女性限定のイベントなのだが、僕の唇でもキスチョコを作っていただけることになった。
広報の岡本さんの案内で、僕の唇でリアルなキスチョコを作ってもらう。
広報の岡本さん。持っているのはケイズデザイン所属アーティスト・山口さんの顔マスク
リアルキスチョコを作るには口元をスキャンする必要があるのだが、
「その前に全身をスキャンしてみませんか?」
と岡本さんから提案がある。今までに全身を3Dスキャンしてもらった経験がないので、せっかくだからお願いすることにした。
ケイズデザインラボさんには、Body Scanというドイツ製の凄い装置があるのだ。4方向にカメラが配置された3Dスキャナーである。
Body Scan
Perfumeやゆずといったビッグアーティストも、ここで3Dスキャンされたらしい。
同じ場所で僕の全身もスキャンしてもらう。
全身スキャン体験
装置の中心で棒立ちでいると、
「何かポーズはいいですか?」
と岡本さんから言われる。
どんなポーズでも3Dスキャンできるという。ここは面白いポーズを取るべきなのだろうけど、一点だけ問題がある。スキャンにかかる6秒間、動いてはいけないのだ。となると、あまり無理なポーズは取れない。
すしざんまい
最近見かけた「すしざんまい」の銅像から、社長さんのポーズを採用することにした。「すしざんまい」ならぬ、「すみざんまい」である。
すみざんまいを
全身スキャン
結構な眩しさの発光を全身に受けながら、6秒間同じ姿勢をキープした。
果たして?
スキャン結果がパソコンに
スキャンを担当してくれた清さんという女性スタッフが、画面を見て笑っている。「すみざんまい」が面白いのかと思いきや、そうではないらしい。
「凄く綺麗にスキャン出来てます!」
という笑顔だった。
岡本さんも画面を覗き込み、「綺麗、綺麗!」と言っている。
綺麗にスキャン出来た「すみざんまい」
人によってはうまくスキャン出来ない場合があるらしく、僕は凄く綺麗に出来ているのだとか。画面内に取り込まれた僕の3Dデータをくるくる回されながら、女性2人から綺麗だと褒められている。
何だろう、この気持ち。
今までに感じたことのない恥ずかしさを3Dスキャナーによって味わう結果となった。
僕の体は3Dプリンター向きと言われた
オッサンの唇でリアルなキスチョコを
全身スキャン体験も終わり、いよいよ、僕の唇でリアルキスチョコを作る。
今度はハンディタイプのスキャナーで僕の口元をスキャンしてもらう。
再び清さんが
僕の口元を
スキャン
スキャナーの光が眩しいから目を閉じるように言われ、このような無防備な体勢になってしまった。
目を開けると、パソコンにデータが取り込まれている。
取り込まれたデータ
スキャンしたデータをGeomagic Freeformというマシンに移して3Dモデルの微調整を行う。
3Dモデルの微調整がおこなわれる
取り込まれたデータを見るなり、関口さんが笑っている。
関口さんが笑ってる
やっぱり、凄く綺麗に取り込まれているというのだ。僕の顔をグリグリ回しながら、「綺麗、綺麗」と笑っている。全身の時よりも、恥ずかしさが強い。
何だ、この3Dハラスメントは!
さっき、3Dの唇を触ったお返しだろうか。
必要な部分だけにトリミング
どんどん切り取られていく
僕の顔
チンパンジー感が一気に強まる
ハイテクツールによる3Dハラスメント的な微調整が終了し、僕の口元3Dデータは完成した。
口元の3Dデータ、完成
出力された3Dデータ
シリコンの型
僕の唇実物のキスチョコ
ケイズデザインラボさんのご好意で、ホワイトチョコバージョンも作っていただいた。
ホワイトチョコバージョン
唇感がグッと強まって、より気持ち悪く仕上がっている。
オッサンのリアルキスチョコ
こうして、誰も望まないオッサンのリアルなキスチョコが完成したのであった。
意中の男性がいる女性のみなさま、今年のバレンタインデーは自分の唇でリアルキスチョコを作ってプレゼントしてみてはいかがでしょうか? 恋のライバルに差をつけるには、これしかないと思います。結果までの責任は負いかねますが、是非。
ケイズデザインラボさんでは、2月10日までこのバレンタイン企画を実施中です。下記のページから申し込めますよ!
バレンタイン企画「リアルキスチョコ&リアルフィンガーチョコ」