ネーミングは勘違いをそのままに
「おお、平安!」と思わされる絵は、例えばこんな感じのものだ。
狩野永徳「洛中洛外図屏風」
画面の半分以上を覆っている金の雲。独特の雰囲気に圧倒される。
拡大図、やっぱり雲っぽい
金色のモクモクは「金雲」とも呼ばれ、絵に奥行きを出したり、見せたいものを強調したりする効果を狙ったものらしい。見えない部分への想像を刺激する意味もありそうだ。
現在の景色にもこの雲をかければ、平安っぽくなるのではないだろうか。
現在の景色にもこの雲をかければ、平安っぽくなるのではないだろうか。
粉じんメガネは128円という安さ
平安メガネ化、完了
そういうわけで、粉じん防止用のメガネに金雲を描き、なんでも平安に見える「平安メガネ」と化してみた。
ちなみに先ほどの「洛中洛外図屏風」、あとから調べたところ室町時代のもので、平安時代ではない。絵を見てまず「おお、平安!」と間違って思ったまま名付けてしまったのだ。
YシャツだってYの字型ではない。「ホワイトシャツ」を聞き間違えてYシャツと呼ばれたまま定着したのだ。
ちなみに先ほどの「洛中洛外図屏風」、あとから調べたところ室町時代のもので、平安時代ではない。絵を見てまず「おお、平安!」と間違って思ったまま名付けてしまったのだ。
YシャツだってYの字型ではない。「ホワイトシャツ」を聞き間違えてYシャツと呼ばれたまま定着したのだ。
なぜか「かっこいい!」と思った
こういうm-flo、いるよね
誤りを他の事例にこじつけて、語感とイメージ重視で今回は「平安メガネ」と呼ぶことにする。これを着ければ、世界はどこでも平安化するはずだ。
じーっ…
見えません
でかいイオンにやってきてじっと見つめてみたが、全く平安化しない。
視覚イメージ
メガネの金雲に焦点が合わず、なんとなく金色がモヤモヤするだけ。
そうなることもわからないのか、というツッコミもあるだろう。私だってそれくらい予想していた。ただ、予想をしたのが、メガネを作り終えたあとだったのだ。
忘れもしない、「あれっ…?」という予感。ただ、大人には負けるとわかっていてもやらなければならない場面もある。平安メガネはそれを体現しただけだ。
そうなることもわからないのか、というツッコミもあるだろう。私だってそれくらい予想していた。ただ、予想をしたのが、メガネを作り終えたあとだったのだ。
忘れもしない、「あれっ…?」という予感。ただ、大人には負けるとわかっていてもやらなければならない場面もある。平安メガネはそれを体現しただけだ。
プランB発動
平安フィルター
そして平安メガネにダメっぽさを感じたところで、次の手を用意しておくのも大人。より大きな透明板に金雲を描き、それに透かして世界を見る方法だ。
名付けて「平安フィルター」。噛ませ犬としての平安メガネが予感通りダメだったところで登場させよう。
名付けて「平安フィルター」。噛ませ犬としての平安メガネが予感通りダメだったところで登場させよう。
行け、平安フィルター
軽いめまい
平安フィルターをイオンに向かって掲げてみる。金雲の向こうに見えるイオンは、平安時代の趣きを漂わせている…はずだと思ったけど、そうでもない。
「そうでもない」という表現はまだ自分に甘い。全くダメ、というのが現実だ。おかしい。
「そうでもない」という表現はまだ自分に甘い。全くダメ、というのが現実だ。おかしい。
上から見下ろす景色ならいけるはず
しばし無言
「洛中洛外図屏風」は景色を斜め上から俯瞰した構図。その角度ならきっとそれっぽさが出るのだろう。そんな仮定を抱いて上の階から試してみたが、進歩なし。
プランBが破滅したところで、プランCの準備はない。
プランBが破滅したところで、プランCの準備はない。
これが俺の妥協だ!
持ち駒を使い果たして失意の帰宅。こんなときは家に飾ってある修造カレンダーをめくってみよう。そこにヒントがあるはずだからだ。
毎日の言葉を音読してから出勤してます
今の自分に必要な言葉があった
やはりあった。「カメはベストを尽くした。君はどうだ?」と語りかけてくる修造。
カメが出てきてわかりにくいが、一瞬「ん?」と思わせるのが修造メソッド。説明をまとめると「『ウサギとカメ』のカメのように自分のゴールを目指してベストを尽くせ」ということだ。
「ベストを尽くせ!」だけだと全く響かないが、カメが見本となると、なんだか力が湧いてくる。今ある平安フィルターをなんとか生かす方法はないだろうか。
カメが出てきてわかりにくいが、一瞬「ん?」と思わせるのが修造メソッド。説明をまとめると「『ウサギとカメ』のカメのように自分のゴールを目指してベストを尽くせ」ということだ。
「ベストを尽くせ!」だけだと全く響かないが、カメが見本となると、なんだか力が湧いてくる。今ある平安フィルターをなんとか生かす方法はないだろうか。
平安度ゼロ
あっ、ちょっと平安
試しにプリントアウトした高層ビルの写真に平安フィルターを重ねてみた。おお、これまでにはなかった平安ムードが少し出てきたではないか。
思いっきりジャパン
ぽいぽい!
さらに富士山という露骨な日本モチーフに重ねてみると、グッとそれっぽさが高まってきた。妥協にしてはまずまずの結果ではないか。
ただ、これだと成果物として妥協見え見えなので、心の中のカメに負けないよう、もうひと頑張りしてみよう。
ただ、これだと成果物として妥協見え見えなので、心の中のカメに負けないよう、もうひと頑張りしてみよう。
頼むぞプランC
祈るように写真を入れる
制作したのは「平安フォトスタンド」。軟質カードケースに金雲を描き、中に写真を入れるものだ。
自立できるように折り目をつけ、枠で囲んで屏風のようにしてみた。現地で試みが砕け散ったイオンの写真を中に入れてみる。
自立できるように折り目をつけ、枠で囲んで屏風のようにしてみた。現地で試みが砕け散ったイオンの写真を中に入れてみる。
金雲に霞むイオン
修造も認めてくれるくらいには「妥協+がんばったね感」をかもし出す出来にはなっただろうか。
いやらしいくらいにマッチ
桜を従えたスカイツリーの写真を入れると、あざといくらいに雰囲気が出る。
自由の女神 VS 平安
お台場の都会的な雰囲気に佇む自由の女神も、金雲に囲まれると平安ムードに押され気味。日本とアメリカが屏風の中でせめぎ合っている。
なんの変哲もない朝食
金雲の勢いでなんだか雅
旅行のテンションでなんとなく撮った朝食バイキングの写真も、うっすらと情緒をまとい始める。
ちょうどおかずの部分が金雲に隠れて見えなくなっている。心の和風フィルターを活性化させて、こうしたところに日本的な奥ゆかしさを読み取ってみたい。
ちょうどおかずの部分が金雲に隠れて見えなくなっている。心の和風フィルターを活性化させて、こうしたところに日本的な奥ゆかしさを読み取ってみたい。
後ろの屏風、イオンだって気付いてる?
工作の結果そのものだけでなく、まずいと思ってからの葛藤と、なんとか着地点を探る物語なったと思う。みんなでがんばろう。
平安フォトスタンドは、お好みでひな人形のオプションとしても活用できます。
平安フォトスタンドは、お好みでひな人形のオプションとしても活用できます。