特集 2014年12月26日

街の風でハーモニカを奏でる

風でハーモニカを奏でます
風でハーモニカを奏でます
外に出れば風が吹いている。北風やビル風など、風を感じないことはない。室外機や換気扇など、我々は人工的に外に風を吹かせることもしている。風だらけなのだ。

この風でハーモニカを奏でることはできないだろうか。風の歌を聴くのだ。風の歌で我々は癒しを手に入れることができるのだ。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

ハーモニカを奏でる

ハーモニカというものがある。小学校の音楽の授業でも登場する楽器なので、誰もが知る楽器だろう。とても素朴な音で、聞いていて安心感のようなものを感じる。素晴らしい音色なのだ。
ハーモニカ
ハーモニカ
本来は人が息を吹いたり吸ったりして奏でる楽器ではあるが、街に吹く風で奏でることはできないだろうか。風の歌を聴きたいのだ。そのようなポエミーなお年頃なのだ。
自分で奏でるのは嫌!
自分で奏でるのは嫌!
ということで、風穴にやってきました
ということで、風穴にやってきました

風穴で奏でる

自然の風でハーモニカを奏でるべく、まずは風穴という洞窟を訪れた。風の穴。風が吹かないはずがない。立っていられないほどの風が吹いているはずだ。なぜなら風穴だからである。
さぁ、風よ、ハーモニカを奏でるのです!
さぁ、風よ、ハーモニカを奏でるのです!
さぁ、奏でよ
さぁ、奏でよ
なにこれ?
なにこれ?
風穴に入った時から感じていたのだけれど、無風だった。家かな? と思うほど無風。風穴はセットした髪を崩すような風が吹いているわけではないのだ。むしろ無風だ。

洞窟の一形態であって、風が強いとは限らないらしい。よってハーモニカは置物のように静かだった。
入り口もやっぱり無風だった!
入り口もやっぱり無風だった!

ビル風だ!

風穴はあきらめ、今度はビル風でハーモニカを奏でようではないか。ビルが多い場所では、風がとても強く吹くのだ。東京・西新宿などはビルが多く、ビル風にはきっと困らないだろう。それはなぜか、ビルが多いからだ。
ビル風よ、ハーモニカを奏でるのだ
ビル風よ、ハーモニカを奏でるのだ
さぁ、さぁ、さぁ
さぁ、さぁ、さぁ
奏でないね
奏でないね
かなり歩いたのだけれど、全然ビル風が吹いていなかった。その中でも一番風を感じた場所でハーモニカを取り出したのだけれど、全然鳴らない。音を奏でるために作られたハーモニカを不憫に思うほどに静か。実はこの世に風はないのかもしれない。
新宿に向かう途中はやる気満々だったのに!
新宿に向かう途中はやる気満々だったのに!

電車でハーモニカを奏でる

東京の電車を初めて見た時に感じたのは、「彼は止まる気があるの?」ということだった。車両数が多いので、駅のホームの端にいると、驚くほどのスピードで駅に突入してくるのだ。その際の風も強い。この風はハーモニカを鳴らすための風なのではないだろうか。
ホームでハーモニカをセット
ホームでハーモニカをセット
私はすごく風を感じている
私はすごく風を感じている
鳴らないね!
鳴らないね!
電車が入って来た時に生じる風は、私の体を吹き飛ばすような強いものだった。赤子ならば飛んで行っていただろう。しかし、ハーモニカはどうだろう、全く音を発しないのだ。私は聞きたい、君のファーという音を。でも、静か。田舎にいる老犬のように静かだ。
音は出ますが、ハーモニカの音はしません

ハーモニカ横町へ!

風でハーモニカは奏でられない、私はそのような結論に達しようとしていた。ハーモニカは人に吹かれて奏でるように作られているのだ。風を過信しすぎていたのかもしれない。落ち葉を舞い散らしても、ハーモニカを鳴らすまではないのだ。
ハモニカ横町にやってきました
ハモニカ横町にやってきました
東京・吉祥寺に「ハモニカ横町」という場所がある。「ハーモニカ横町」という表記も間違いではない。間違いない、ここならば鳴るのだ。なぜならハーモニカ横町だからだ。世の中、実に簡単にできている。初めからここに来ればよかった。
さぁ、風よ、力を発揮するのだ
さぁ、風よ、力を発揮するのだ
ここはハーモニカ横町なのだから
ここはハーモニカ横町なのだから
帰ろうか
帰ろうか
全然鳴らなかった。なんなら静かなくらいだ。風は歌わないのかもしれない。歌が嫌いな人がいるように風も歌が嫌いなのだ。ハーモニカを持った私の手が、ただただ冷たくなっていくだけだった。
まぐろは美味しそうだった!
まぐろは美味しそうだった!

室外機で奏でる

エアコンの室外機だったら鳴るのではないだろうか。気を抜いて歩いていると室外機の風に当たって驚くことがある。彼らはハーモニカを鳴らすために生まれて来たのだ。きっとそうだ、そのような信じる心が今の人類にはたりないのだ。
さぁ、思う存分、奏でろ
さぁ、思う存分、奏でろ
ハーモニカを奏でろ!
ハーモニカを奏でろ!
よし、帰ろう!
よし、帰ろう!
鳴らなかった。かすかな音すらしない。私が最近耳掃除を忘れていたからかと思ったが、どう耳をすましてもハーモニカの音はしない。すまし損である。すませば、すますほど室外機の音がクリアに聞こえた。
音はしますが、ハーモニカの音はしません

換気扇で奏でろ

最後に換気扇の風でハーモニカを奏でようと思う。ここまで鳴らないと、もうどうしていいか分からない。ハーモニカが鳴るか否かより、もう今晩何を食べようか、ということの方が頭の大部分を占め始める。
晩ご飯は何にしようかな
晩ご飯は何にしようかな
よく耳をすましてください
ハーモニカは鳴った。私は風の歌を聴いたのだ。甘い香りにハーモニカの素朴は音。ここは天国か。

恥ずかしいのか、とてもかすかな音だ。ただその音は私の耳を離れない。一日中風を求めた結果の音なのだ。ハーモニカは換気扇なのだ。
なんか、嬉しい!
なんか、嬉しい!

換気扇で奏でよう!

風穴に行ったり、街中を歩いたり、ハーモニカを奏でるためにいろいろなことをした。教訓があるのではないだろうか。

音楽の時間、音符すら読めない私はハーモニカを苦痛としていた。ただし教訓があるのだ。音符が読めなくても、自分で吹いた方が早いという教訓が。
風穴が無風すぎて笑ってしまった!
風穴が無風すぎて笑ってしまった!
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