特集 2014年12月8日

技術力の低い人限定ロボコンMini(通称:ミニヘボコン)レポート

注目ロボ

ここからは、とくにいい戦いぶりを見せてくれた2体のロボットにフォーカスしてみよう。まずはミニヘボコンきっての名パイロットによる、この2戦。

第5回2回戦
名称不明(そうた)
vs
ワンワン号(こはる)

名称不明
名称不明
ワンワン号
ワンワン号
ワンワン号を操るこはるちゃんの戦いぶりが、神がかっていたのだ。子供とは思えない機転の利いた戦いを、まずは動画で見ていただこう。
試合開始と同時に横を向くワンワン号。オーディエンスからは笑いが漏れるが、そのまましばし相手の出方を待つ
試合開始と同時に横を向くワンワン号。オーディエンスからは笑いが漏れるが、そのまましばし相手の出方を待つ
しかし敵が攻めてこないと見るや、すぐに作戦変更。自分から突進
しかし敵が攻めてこないと見るや、すぐに作戦変更。自分から突進
ただし敵のほうが動きは速い。突進を受け、また横を向くワンワン号。ここで両者、膠着状態に
ただし敵のほうが動きは速い。突進を受け、また横を向くワンワン号。ここで両者、膠着状態に
いったん引いて再突進を仕掛けようとしたそうたくんのロボが、操作ミスにより場外!
いったん引いて再突進を仕掛けようとしたそうたくんのロボが、操作ミスにより場外!
ひとつひとつ、すべての行動が計算づくなのである。

まず最初に横を向いた理由。自分の足回りに馬力がないため、押し合いになったら負ける。だから横を向くことで車輪の向きを90度変え、ブレーキとして使ったのだ。

次に自分で攻めていったのは、時間切れになると移動距離で勝敗が決まるため、距離を稼ぐのが目的。

そのあと相手とぶつかった際も、また素早く横を向くことでブレーキをかけつつ正面からの押し合いを避けている。おかげで押し切られることなく、さいごには相手のミスを誘って勝った。

自分のロボットの性質、そしてヘボコンのルールを知り尽くした上で、さらに機転を利かせて確実に勝ちを取りにいっている。まさに名パイロット!

しかし、そのこはるちゃん、なんと次の決勝戦で負けてしまうのである。

第5回2回戦
そっくん零号機(ちばたくみ)
vs
ワンワン号(こはる)

そっくん零号機
そっくん零号機
そっくん零号機はブルドーザーをベースにしており馬力型。説明はおいといて、さっそく試合の様子を見てみよう。
試合開始と同時にそっくん零号機が突進。見た目は鈍重っぽいが意外に速いぞ!
試合開始と同時にそっくん零号機が突進。見た目は鈍重っぽいが意外に速いぞ!
ワンワン号、横を向いて防御体制に入ろうとするも、間に合わない!
ワンワン号、横を向いて防御体制に入ろうとするも、間に合わない!
押し切られて無理やり横向きにされてしまったワンワン号、開いた口が断末魔の雄たけびのごとくである
押し切られて無理やり横向きにされてしまったワンワン号、開いた口が断末魔の雄たけびのごとくである
土俵際で転倒、試合開始からわずか4秒のことであった。
土俵際で転倒、試合開始からわずか4秒のことであった。
そっくん零号機の圧倒的なパワーを前に敗れたワンワン号。頭脳や機転では覆せない性能差もある。そんな厳しい現実を思い知らされた試合であった……。

(しかしその後、こはるちゃんにはその健闘をたたえてテクノ手芸部より審査員賞が送られました)


そして次はもうひとつのロボットの物語。主人公は、こちらのマシンだ。

第6回2回戦
ポールダンスロボ2(アニポールきょうこ)
vs
メトロノーム(すずえり)

ポールダンスロボ2
ポールダンスロボ2
メトロノーム
メトロノーム
今回の主役はこのポールダンスロボ2。最初のページでも紹介したように、人形が火花を散らしつつポールダンスしながら突進するロボだ。

対するは前回「最も技術力の低かった人」賞に選ばれたすずえりさん。今回は壊れたメトロノームで参戦。振り子が強すぎて、振れるたびに本体ごと動いてしまうのだ。

どちらも直進性能の低いこの戦い、混乱が予想された。
両者とも進路が安定せず、特にメトロノームは徐々に背中を見せ始める
両者とも進路が安定せず、特にメトロノームは徐々に背中を見せ始める
それでもなんとかにじり寄り、ついに対峙する2体。脚と振り子で熾烈なチャンバラが展開される!
それでもなんとかにじり寄り、ついに対峙する2体。脚と振り子で熾烈なチャンバラが展開される!
再び間合いを置く2体。ポールダンスロボ2は回転する人形の遠心力に振り回され、かなり足元が不安定、かつコントロールも効かない
再び間合いを置く2体。ポールダンスロボ2は回転する人形の遠心力に振り回され、かなり足元が不安定、かつコントロールも効かない
そんなじゃじゃ馬を操り、なんとかメトロノームを押し出した!
そんなじゃじゃ馬を操り、なんとかメトロノームを押し出した!
試合中盤のチャンバラに沸いたこの試合だが、ここで注目しておきたいのは、ポールダンスロボ2の足元の不安定さ。回転する人形の揺れでうっかりすると転倒してしまうし。遠心力で本体まで回ってしまうのでコントロールも効かない。今回はかろうじて勝てたが、その実力がどうしても運に左右されるところのあるロボである。ましてや相手が足場の安定した、重いロボットだったとしたら……。

そんなポールダンスロボ2が迎えた、決勝戦の様子を見てみよう。

第6回決勝
ポールダンスロボ2(アニポールきょうこ)
vs
どすこい1号(仮)(みの)

どすこい1号(仮)
どすこい1号(仮)
相手はティッシュケースを利用した、安定感のある機体。転倒しやすいポールダンスロボにとっては最悪の対戦相手ではないだろうか。強くぶつかったら負ける!誰もがそう思っていたことだろう。
それでも真正面からぶつかっていくポールダンスロボ2。
それでも真正面からぶつかっていくポールダンスロボ2。
転倒する!と思いきや、なんとブルドーザーのブレードがどすこい1号をがっちりホールド!
転倒する!と思いきや、なんとブルドーザーのブレードがどすこい1号をがっちりホールド!
重心の低い敵の機体を抱え込むことによって、足元を安定させ、さらにコントロールも確保!そのままキャタピラの馬力を生かして押す!
重心の低い敵の機体を抱え込むことによって、足元を安定させ、さらにコントロールも確保!そのままキャタピラの馬力を生かして押す!
見事、押し出しにて勝利!
見事、押し出しにて勝利!
安定した敵と一体化することにより、転倒のリスクをなくし、しかもコントロールまで確保するとは。この勝負、奥が深すぎる!

……そもそも最初から人形を回さなければ最強だったのでは、という話もあるのだが、そうじゃないんだ。「よく動いてる既製品に不要な機能をつけて性能ダウンしたうえで勝つ」。この回りくどい勝ち方こそが、ヘボコンの美学なのである。

最終回の決勝戦らしい、予想外かつ感動的な一戦であった!
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