日頃の鍛錬の結果です。
この記事で伝えたいことはこれで終わりだ。
ただ、もしかして、もしかするとなんでこんなことになったのか気になる人もいるかもしれない。経緯を説明させて頂きたい。
かっこいいよね、安全太郎。
安全太郎を作りたい、と前々から思っていた。
汚れ、傷つきながらも、単純作業に文句も言わず、誠実にやり遂げるその姿勢。
なんてかっこいいんだろう。
目が完全に死んでいるところもリアリティがあっていい。
二宮金次郎像っぽい存在である。小学校においたらどうか。
絵本の題材にしたら泣けそうだ。
冷静に見るとなんか変。
この安全太郎、外国からの観光客がびっくりするらしい。確かに冷静に見てみると、なんだかおかしな物体ではある。
かなり人間に似せて忠実に作っちゃうところとか、よその国からしたら異常なのだろう。
もしかすると、イチバン最初に投入された等身大実用ロボットなのではないだろうか。か、かっこいいぞ、安全太郎!
そんな魅力的な安全太郎だが、フィギュアとして売っていないのだ。僕は、1/10サイズくらいのものがほしいのだ。
ないなら作るしかない。
そんなわけで、アルミの針金で骨組みを作る。
粘度をこねて盛りつけていく。
なんとなく形がみえてきた。
安全太郎といえば、上下する腕の動きがチャームポイントだ。どうにかして、これを再現できないだろうか。
でも機構的にイチから作るのは僕には無理だ。
そんなわけで、
困った時のタミヤキット~!
手漕ぎボートのオールを「手」に変えれば、安全太郎のあの「手振り」が再現できそうである。
組み立ててみる。
あれ…?
だいぶキットがでかい。これを組み込もうとしたら、50cmくらいの人形になりそうだ。五月人形か。
困った。タミヤキットが燃えないゴミになってしまった。
どうしよう、コレ動かないと安全太郎もゴミになるんじゃないだろうか。
悩んでていても仕方ないので色を塗る。
ひたすら粘土を盛り、そして色を塗る。
なんで深夜に仕事から帰ってきたあと、人形を作らないといけないのか。丑の刻参りとやってることが同じではないか。
締め切りが迫っているので、色が乾くのを待っている時間がない。
仕方がないので、1時間起きに目覚ましをセットして、色を塗って、眠って、というサイクルを繰りかえす。
少しずつ安全太郎に自分を重ねはじめる。
眠たいのに無理やり単純作業を続けたので、もともとない集中力がどんどんなくなっていく。
会社から家に戻ったら、家のカギを会社に忘れていて、家のドアの前で立ち尽くしたりした(それも2日連続)。たぶん今、コオロギくらいの思考能力しかない。
寝ぼけながらコーラを飲んでたらこぼしてしまってビチャビチャになったが、眠たいので、そのまま眠って朝を迎えたりもした(朝方見たことのないタイプの寝癖がついていた。)
つらいよね単純作業。
少しずつ安全太郎と自分がシンクロしていく。
がんばれ!安全太郎と自分!
がんばれーーーーー!
という状況で粘土をこねていたら、生み出されたのがこちらの右手である。
つけてみる。
プラモ用の間接ジョイントを仕込んだので、
通常状態から
右手をチェンジできます。フゥ~ウ
本当の安全を教えてやろうか。
昔から人形には魂が宿るとよく言われるが、
(人形師の中には、魂を宿すために、人形の内側に自分の血でサインする人もいるらしい)
THE・死んだ目
この安全太郎にも何らかの念をこめられたような気がしている。
安全太郎の目が死んでいる感じがうまく再現できて満足である。
結局腕を電動で動かすことは叶わなかったが、なんかもうそんなことはどうでもいいような気もする。
深夜に粘土をこねて人形をつくると、変な集中力出ておかしなものができることがわかった。時間がなくてやめたのだが、でかくなった腕に誘導棒をハリネズミのハリみたいに何十本も植えようかと思っていた。
その時は、ナイスアイデア!と思ったが、今思うと何が何だかよくわからない。
完全太郎は家に飾ることにした。
これからは、家内安全太郎として家の平和を守ってもらいたい(その豪腕で)