不気味キャラの正体
横浜市中区にある神奈川県警本部を訪問。まずは不気味なキャラクターの誕生から伺うことに。受付を済ませ、別室へと案内された。
別室にて担当の方を待つ
担当の方が「ただいま、キャラクターの2人はこちらへ向かっておりますので少々お待ちください」と話し始めた。
まずは、単刀直入に、この「不気味」と言われるキャラクターはなぜ作られたのかを尋ねた。回答は「交通安全のキャラクターとして1996(平成8)年に作りました」とのこと。
続いて、不気味と言われる2人のプロフィールを少々。
「不気味」とキニナル投稿されたおばあさん
まずは、不気味なおばあさんの名前は腰永小百合(こしながさゆり)。年齢不詳。県警近くのたばこ屋の看板娘とのこと。性格は、「口は悪いが気は優しく、若さと美貌が自慢」のおばあさんだという。
続いて、不気味なおじいさん、名前は高倉善(たかくらぜん)。年齢不詳。老人会の世話役で、腰永小百合の茶飲み友達とのこと。性格は、善人を絵にかいたようなおじいさんで、心優しくお人よしだという。
高齢者交通事故防止マスコットキャラクター腰永さんと高倉さん
国民的スターにもよく似た名前の不気味なお二方の主な活動は、神奈川県内で開催される高齢者対象の交通安全教育やイベントに出演し、交通事故防止をうったえるというもの。
交通安全教室など
話をしていると、「あのー、それでは腰永さんと高倉さんがお見えになりましたので入っていただきまーす」との声が入口から聞こえてきた。不気味なおじいさんとおばあさんとご対面。
ついに現れた不気味キャラ
不気味キャラ登場
中の様子をうかがい入ってこない
「小百合さん、善さん、中へどうぞ」と同行の女性警察官の方が声をかけると・・・
登場
着席
・・・
不気味というよりかは、気味が悪い、でもなく、愛くるしさと不気味さのハザマ。といった風情。
不気味と言われていることを含め、ちょっとした質問をお二方にしたインタビュー動画をどうぞ。
弁のたつ小百合さんと笑っている善さん。そのビジュアルから、交通安全のイベントに参加した子どもが泣き出すこともあるという。
泣く子は
どこだい
現在、TRABIC(トラビック)という、トラフィックセーフティー(交通安全)とエアロビックを融合させた、交通事故に遭わないための行動を取り入れたエアロビックを普及させているというお二方。
披露していただけるということなので、トラビック、ご一緒させてもらうことにした。動画でどうぞ。
「春がきた」に乗せたこのトラビックは、安全に歩くために必要な体づくりと、交通事故防止に必要な動作を身につける目的の振り付けになっている。
目線は手先を追い、後方を振り向く動作を身につけるもの、とのこと。
トラビック後、室内の空調を下げに行った小百合さんの姿がさらに不気味で印象的だった。
最後に、なぜこのようなキャラクターにしたのかを尋ねてみた。
不気味さの理由は・・・
「1996(平成8)年、交通安全教育隊の女性隊員が、何気なくイメージ画を描き、それがそのまま着ぐるみ制作業者に出され、完成となりました。
不気味にしようとして作ったわけではないと思います」
とのこと。何気ない末の不気味さ。
お別れの敬礼
取材を終えて
小百合さん、善さん、製作費は2体で70万円。中には、交通安全教育隊の女性隊員が入っているようなことも話してくれた。
7月からの交通安全強化月間には、神奈川県内のいたるところで、不気味な2人が現れるとのこと。
ちょっとクセになる、不気味なお二方であった。
―終わり―