水族館でプハー
ちょっと大きな水族館だとお酒が飲めるレストランが併設されていたりもするが、近頃は館内の売店でビールなどを提供していて、魚を見ながら飲める水族館も登場してきている。(といっても、調べた限り都内だと2軒しかなかったが)
そのひとつが3年前にリニューアルした東京池袋のサンシャイン水族館だ。
この水族館では毎年夏休み期間中にビアガーデンを開催している。「水族館でプハーしよう!」。うん、したいしたい
サンシャイン水族館は屋内と屋外に展示スペースが分かれていて、屋外部分ではこの時期になると夜毎ビアガーデンが開催されている。特別メニューやファイヤーダンスなどのイベントも繰り広げられる楽しい宴だ。
残念ながらこの記事が公開される頃には今年の開催は終了しているが、館内の売店では通年いつでもビールを売っている。それはもう365日ビアガーデンのようなものでははないか。
ビールにカクテル、つまみ類もなかなか豊富である
ピッチャーもあるなど本格的な宴会にも対応
アシカが回遊する水槽を見上げながら飲める
夏休みで日曜日、加えてこの日はビアガーデンの最終日ということもあり、館内は多くの水族館ファンとビールファンでにぎわっていた。
ちなみに屋内の展示スペースは館内で購入したものでも持ち込みは禁止だが、屋外エリアは飲食OK。
というわけで早速、売店で買ったビールを片手に館内をめぐってみよう。
空を飛んでるみたいに頭上を泳ぐアシカ
オタリアと乾杯
ペンギンを眺めながらの一杯もなかなか良いものだ
じっと動かないペンギン、ずっと同じところを回っているオタリア。特に何かパフォーマンスをするわけでもないが、いつまでも見ていられる。そして片手には旨いビール。これほどの愉しみがほかにあるだろうか。
ビールがあることによって水族館が最高のバカンスになっている。
アシカのショーは始まる30分前から席取りしてかぶりつきで見た
もちろん片手にはビール(2杯目)。最高だ
そればかりかビールに合うフードも豊富なのだ。天国か
ビールばかりで飽きたら、カクテルにスイッチ。杏子酒とジンジャーエールの杏子ジンジャー
3杯目ともなるとさすがに少し酔ってきた。水族館で酒を飲むというより、魚がいる居酒屋にやってきたみたいだ。
ふだんなら真昼間からビールを飲むなんてちょっと気が引けるが、水族館という非日常的な空間がそうした固定観念を打ち消してくれるようだ。駄目なおじさんを許容してくれる大らかな雰囲気がここにはある。
気づいたらステージは鳥のショーに変わっていた
しかし、他にまだ行きたい水族館もあるため、ここで本格的な酒盛りに突入してしまうのはまずい。
4杯目のビールが空になったところで酔い覚ましに館内をぐるっとめぐり、名残惜しくもサンシャインを後にした。
マンボウがかわいかった
館内で飲める上に持ち込みも自由
サンシャインでは屋外エリアのみ飲食OKだったが、次に行く「すみだ水族館」は館内でもビールを飲むことができる。しかもお弁当などの持ち込みも自由というから驚きだ。
これほどの自由はアメリカにだってない。
スカイツリーのふもとにある水族館
ファミリーを中心にとても混雑している
一番の目玉は巨大なペンギンの水槽
この水族館のメインは館内中央にドーンと配置された巨大なペンギンの水槽。水槽の前にはソファやテーブル席もあって、そこでペンギンを眺めながら飲食ができるようになっている。
カフェではビールやカクテルを販売
さっそくビールを注文し、水槽脇のテーブル席に陣取る。
さっそくビールを注文し、水槽脇のテーブル席に陣取る。
目の前にはペンギンという極楽
ビールに酔い、ペンギンに癒される。これを越える癒やしが他にあるだろうか。
しかもこの水族館は掃除が行き届いていて、いつでも水が綺麗なのが心地よい。ペンギン舎特有の野性的な匂いもまったくなく、いつまでも水槽に張り付いて見ていられる。
かぶりつきのペンギン
ビール片手に自由気ままに泳ぐペンギンを見ていると、日々の色んな悩みがちっぽけなものに思えてくる。できることならこの席を永久にリザーブしたい。
ゆらゆら揺れる水面を眺めているだけでも時間を忘れてしまう
まずい、これは楽しすぎる。楽しすぎて、どんどん酒が進んでしまう。惜しむらくはつまみがもう少し充実していたらと思うが、それはさすがに過ぎた望みというものだろう。今度は弁当持参で来よう。
ペンギンを見ながらペンギンの蒲鉾を食べる。己が食物連鎖の長であることを実感する
ペンギンを眺めながらペンギンの蒲鉾を喰らいうまいビールを飲む。なんだかまるで王様になった気分だ。
館内にあるステージに上って一段高いところから群衆を見下ろすとさらに王様感が増す。ここが僕の人生のピークかもしれない。
ペンギンを見る人間を見ながら本日7杯目
しかしさすがに酔ってきた。もはや足元もおぼつかなくなってきたが、衆目のなか王として醜態をさらすわけにはいかない。
だがそんな時でも、水族館には身を隠す薄暗いスポットがたくさんあるので好都合だ。
メインの大水槽の脇に身を隠すのにちょうどいいエリアがあった
このまましばらく闇に同化し、酔いが覚めたらあと一杯だけ飲んで帰ろう。一杯だけで済むか不安ではあるが。
あ~癒やされる
一杯じゃすみませんでした
結局その後も一杯じゃ済まず、閉館ギリギリまで飲んでしまった。ひとりでこんなに飲んだのは初めてだ。きっとペンギンも呆れていた。
それだけ水族館で飲むビールは格別にうまかった。帰り際、年間パスポートも購入したのでこれから一人飲みの時は居酒屋じゃなくて水族館に来ようと思う。