特集 2014年8月18日

ゴミ袋の中にある海底都市

海に行かずに海を堪能する方法を編み出した
海に行かずに海を堪能する方法を編み出した
夏真っ盛りだというのに、今年もどこにも行けていない。このまま何もせずに夏が終わってしまうのは忍びない。

ひとつでもいいから何か夏らしいことをしたいが、思い出をつくりたい気持ち以上にめんどくささが先に立つ。

そこで、どこにも行かずに夏を満喫できる方法を考えた。
1980年生まれ埼玉育ち。東京の「やじろべえ」という会社で編集者、ライターをしています。ニューヨーク出身という冗談みたいな経歴の持ち主ですが、英語は全く話せません。

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> 個人サイト Twitter (@noriyukienami)

海に行きたい、でもめんどくさい

夏のレジャーの代表格といえばやはり海だろう。真っ青な海で泳いで美しい魚とたわむれる。しかし、そんな夏はもう何年も過ごしていない。

憧れはあるが、やはり海まで出かけるのがめんどくさいというのと、おっさんがそんなキラキラした夏を過ごしていいのだろうかという気恥ずかしさも少しある。

そこで考えた。海に行かなくても海を満喫できる方法だ。
まあゴミ袋をかぶるだけなんですが
まあゴミ袋をかぶるだけなんですが
ゴミ袋を頭からかぶると、目の前の景色がゆらゆら揺れて海の中にいるみたいになるんじゃないかと思ったのだ。
※いないとは思いますが真似してみたい人は安全に十分注意してかぶってください。
これがゴミ袋越しの世界である
これがゴミ袋越しの世界である

思いのほか海中

自分で発案したこととはいえ、正直あまり期待はしていなかった。

だが、実際やってみるとゴミ袋越しの世界は思いのほか海中だった。
透明、半透明、白半透明など、数種類を吟味し最も海中なゴミ袋を探す
透明、半透明、白半透明など、数種類を吟味し最も海中なゴミ袋を探す
半透明はあまり海中じゃなかった
半透明はあまり海中じゃなかった
いくつかのゴミ袋をかぶって検証した結果、透明のゴミ袋を2枚重ねしたものが最も海中であることが分かった。

ちなみにかぶりやすいのは45リットルだった。
うん、水中っぽい
うん、水中っぽい
ということで、「水中である」ということで話を進めていいでしょうか。
外に出た
外に出た
そこには水没した東京があった。ゴボゴボ
そこには水没した東京があった。ゴボゴボ

23世紀の海底都市

ゴミ袋をかぶってビルの屋上に上がってみると、そこには水没した東京の街があった。

あるいは23世紀の世界の姿だろうか。大気汚染で地上に住めなくなり、海底に都市を築いた未来人の街だ。

いずれにしても幻想的である。映画などでありそうなシチュエーションだ。
海底都市の解体工事。防水仕様のユンボが2台
海底都市の解体工事。防水仕様のユンボが2台
海底高速道路。人類の技術もここまで来たかという偽りの灌漑にふける
海底高速道路。人類の技術もここまで来たかという偽りの灌漑にふける
屋上から見下ろす海底都市はなかなか壮観だ。まるで自分が何かの物語の主人公になったみたいに思える。ゴミ袋をかぶって 海底の魔物を倒す勇者のお話だ。

そのまま外をぶらつくことにした。
見慣れた事務所ビルの玄関もやっぱり幻想的。ブクブク
見慣れた事務所ビルの玄関もやっぱり幻想的。ブクブク
ここが本当に海中だったら水圧で扉が開かないと思うので、海底に家を建てる場合はそういうことも考慮したほうがよさそうだ
ここが本当に海中だったら水圧で扉が開かないと思うので、海底に家を建てる場合はそういうことも考慮したほうがよさそうだ
海底であると同時に夢の中みたいな風景でもある。寝ぼけたような企画だからそれでもいい
海底であると同時に夢の中みたいな風景でもある。寝ぼけたような企画だからそれでもいい
それにしてもこの日も暑い。汗で熱気がこもり、ゴミ袋の中はサウナ状態だ。しかし目の前に広がる景色の海底っぷりが、その暑さを忘れさせる。
海底では植物を育てるのもたいへんそうだ
海底では植物を育てるのもたいへんそうだ
地上を追われた反省をふまえ、分別の意識は大事にしたい
地上を追われた反省をふまえ、分別の意識は大事にしたい
海底だとラーメンも高級料理なんだろうな
海底だとラーメンも高級料理なんだろうな
すき家 海底支店
すき家 海底支店
ビルが並ぶ。海底の丸の内か
ビルが並ぶ。海底の丸の内か

屋内も海に

海底散歩を満喫し、事務所に戻ってきた。外もいいが、今度はクーラーの効いた屋内で海を満喫したい。
青い画像をプロジェクターでスクリーンに投影
青い画像をプロジェクターでスクリーンに投影
それを寝転がって見上げる。もちろんゴミ袋をかぶって
それを寝転がって見上げる。もちろんゴミ袋をかぶって
海底というよりプールで溺れてるみたいな絵になった
海底というよりプールで溺れてるみたいな絵になった
子どもの頃、年長の親戚にプールへ落とされて溺れかけたトラウマが蘇ってきた。そんな夏の思い出はいらない。

美ら海ダイビング

動画サイトに沖縄の海中の風景を映したものがあった。気を取り直して、美ら海を泳ごう。
ゴミ袋の向こうにはカラフルな魚たち。サメに襲われる心配もない
ゴミ袋の向こうにはカラフルな魚たち。サメに襲われる心配もない
でもいつかは本当の海でダイビングやりたい気持ちも少しある
でもいつかは本当の海でダイビングやりたい気持ちも少しある
プロジェクターの青い光は、深海から見上げる月のように美しかった
プロジェクターの青い光は、深海から見上げる月のように美しかった
青い光に照らされて、逆に引いてしまうくらい美しい光景を映すゴミ袋の中の海底。

どんなに有名なリゾート地でも、これほどまでの絶景はそうそう拝めまい。

お盆休みを海外で過ごしたどんなリア充より、この夏の僕は勝ち組だ。ざまあみろ。
ありがとう夏、さようなら
ありがとう夏、さようなら

夏の思い出づくり完了

かくして、どこにも行けなかった夏の怨念を吹き飛ばすことに成功した。僕は満足である。

存分にリゾートを満喫したので今週から仕事もまたバリバリ頑張れる。でも辛くなったらまたやさしい海底の世界に引きこもろうと思います。
海底で飲むとビールもよりうまい
海底で飲むとビールもよりうまい
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