食品サンプルにハーモニカを埋め込む作戦
焼きトウモロコシでハーモニカを実現させるため、まずは焼きトウモロコシの食品サンプルを探してみた。焼いていないトウモロコシのサンプルは200円くらいで売っているが、焼きトウモロコシになると一気に5千円を越える。
焼いた料理は高くなる。そんな慣例が食品サンプル業界にあるのだろうか。
焼きトウモロコシのサンプル
高いだけあって、実によく出来ている。食卓に置いておいたら家族の誰かが食べてしまうだろう。
この中にハーモニカを埋め込めば、焼きハーモロコシの完成である。
楽器屋さんでハーモニカを調達した。
小学生用のハーモニカをゲット
初心者でも吹けるハーモニカをお願いします、と楽器屋のお姉さんに相談したら小学生用のハーモニカを選んでくれた。
「バンドで吹くようでしたら、ブルースハープがいいと思いますが」
と言われたが、今のところバンドを組む予定はない。
薦められた小学生用のハーモニカのいいところは、吹き口に「どれみふぁそらしど」と音の配列を刻印しくれているところだ。また、注意事項も全てひらがなである。
音の配列が刻印されている
ひらがなによる注意事項
このハーモニカを埋め込むため、食品サンプルの裏側をカッターで切る。
裏側は粒の密度が低い
裏側からカッターを入れて、中に入っていた中綿のようなものを取り出す。
中に入っていたもの
焼きトウモロコシのサンプルの中には、おこわのような美味しそうなものが入っていた。美味しそうだけど、これもサンプルなので口の中に入れてはいけない。
おこわっぽい中綿の代わりにハーモニカを入れてみた。
焼きハーモロコシの完成
横から
これで、焼きトウモロコシを食べてように見せかけて、実はハーモニカを吹いている、という僕の描いた絵を実現出来る。
が、問題が1つだけある。
僕はハーモニカが吹けない。
ハーモニカの練習
小学生の頃から音楽の授業が苦手で、どんな楽器もまともに出来た覚えがない。
中3の時、リコーダーが全く吹けず、加納さんという高校2年生のお姉さんから個人レッスンを受けたことがある。加納さんは同じ団地の2階上に住んでいて、夕方になると僕の家に降りてきて僕にリコーダーを教えてくれた。今考えると艶っぽいシチュエーションであるが、当時の僕はリコーダーのテストに向けて必死だったので、そういう思考にはいたらなかった。
加納さんは今でもリコーダーを吹いているのだろうか。
いや、リコーダーの思い出はいい。今はハーモニカを練習しなければ。
ハーモニカの練習
ドレミファソラシド、と順番に並んでいるから簡単だと思っていたが、実際にやってみると結構難しい。ドは吹いてレは吸って、と交互に吹いたり吸ったりを繰り返さないといけない。
さらに、ラとシは連続で吸わないといけないというトラップもある。
ドレミファソラシドが吹けるようになっても、それだけではダメだ。夏らしい音楽を焼きハーモロコシで奏でたい。
吉田拓郎の麦わら帽子がどうしたこうした、という歌とか、ゆずの歌などもいい。
しかし、僕はドレミファソラシドすらままならない男である。吉田拓郎とかゆずはハードルが高そうだ。
簡単そうで、夏らしい曲の音符をネットで探した。
音符
最初、どうも音が合わないと思って良く調べたら、それはウクレレ用の音符だった。
というトラブルもありながら、なんとか曲に聞こえるくらいまでは吹けるようになった。
よし、外に出よう。
外に出て焼きハーモロコシを演奏する
日差しが少し緩くなった中で、去り行く夏を惜しみながら焼きハーモロコシを吹く。
立案当初はそんな風に考えていたが、ここのところの急な温度差は何だ? 外は小雨が降っていて肌寒い。
夏っぽい格好で
麦わら帽子を被ってランニングに半ズボン、肩から虫かごをたすき掛け。
これが僕の考える夏っぽい格好である。少年と山下清がごちゃまぜになっているような雰囲気はあるが、これが僕の考える夏なのだから仕方ない。
夏の格好になったところで、一点だけ、あらかじめ断っておきたいことがある。
僕は、出来ればランニングは着たくないのだ。なで肩だから似合わないとか、お腹が出てきたから格好悪いとか、そういう理由もあるのだが、一番の理由は肩から二の腕にかけてのシミだ。
僕の肩から二の腕にはシミがある
大学の頃、僕は水上スキー部に所属していて、4年間ずっと真っ黒に日焼けしていたのだ。
その後遺症なのか、30才を過ぎた頃からシミがひどくなってしまった。
大学の頃
このシミが汚くて嫌だから、本当はランニング姿にはなりたくなかった。でも、夏の終わりのハーモニーを奏でるためである。思いきってランニング姿になってみた。
以降、肩のシミがお見苦しいとは思いますが、ご了承ください。
吸ってます
吹いてます
焼きハーモロコシの練習をしながら歩く。すれ違う人たちは、「あれ? あの人トウモロコシを食べてるんじゃなくて?」というような顔をしている。
お、おにぎりなんだな
た、たべるんだな
おにぎりを食べて腹ごしらえが済んだところで、いよいよ皆さんに練習の成果をお見せする時がやって来た。
焼きハーモロコシでの演奏を映像におさめたので、是非、ご覧ください。
雨が本降りになってしまい、かわいそうな雰囲気が出てしまっているが、僕なりの「ふるさと」を焼きハーモロコシで表現してみたつもりである。
みなさんは、今年の夏、ふるさとに帰りましたか?
ハーモニカが楽しくなってしまった。今のところ「ふるさと」一曲しか吹けないが、徐々にレパートリーを増やして最終的にはブルースハープにも手を出したいと思っている。
来年の夏、進化した焼きハーモロコシを披露出来ればと思っています。