特集 2014年8月4日

ヘボコンレポート~心に残る名試合12選

1回戦 第10試合

コピーロボット(すずえり) vs ストライカー木魚(おかめ)

技を使った能力バトルといえばこの試合を忘れるわけにはいかない。対戦順は当日くじ引きで決めたのだが、この2体がぶつかることになったのは、もう、運命としか言いようがない。
余っていた木魚を有効活用したという機体、ストライカー木魚
余っていた木魚を有効活用したという機体、ストライカー木魚
このストライカー木魚は音に反応して前進するキットをベースとしており、操作者が木魚を叩くことにより前進する。

ちなみに背中にArduinoという最近流行のマイコンボードが乗っているのだが、もちろん線のつながっていない飾りである。

そして、その対戦相手がこちら。
コピーロボットはその名のとおり相手の能力をコピーする
コピーロボットはその名のとおり相手の能力をコピーする
左に板が見えるが、これが動力源「位置エネルギーエンジン」だ。電池は使わず、この上を滑らせることでその慣性で前進する。(要はただの坂だ)

そして特筆すべきはその能力。見てのとおり、本体はテープレコーダーである。相手の能力を録音し、再生することで能力をコピーする……という設定なのだ。
すずえりさんはこの日ツナギを新調してきた
すずえりさんはこの日ツナギを新調してきた
音声だけ録音しても能力コピーにならないだろ!というのがこのロボットの想定ツッコミだが、この試合は違った。相手の木魚を録音して再生することができれば、ストライカー木魚の動きをコントロールすることができるのだ。

この出来すぎた対戦カード。熾烈な能力バトルの様子は動画で見てみよう。
坂を滑り飛び出してくるコピーロボット
坂を滑り飛び出してくるコピーロボット
一発目は勢いがつきすぎ場外へ。「接触なしで場外に出た場合は再戦」のルールが発動。
一発目は勢いがつきすぎ場外へ。「接触なしで場外に出た場合は再戦」のルールが発動。
2戦目、先ほどより至近距離から飛び出したコピーロボットが…
2戦目、先ほどより至近距離から飛び出したコピーロボットが…
ストライカー木魚をノックアウト!
ストライカー木魚をノックアウト!
完全に物理法則だけでコピーロボットが勝利。能力バトル要素一切なかった……。

というかそもそも試合中にテープレコーダーを操作できないので、もともと録音だけしかできない仕様だったのである。2回戦で再生を行うつもりだったが、試合後にぼやいているとおり、それすらも録音できてなかったというヘボコンぶりであった。
1回戦 第11試合

たまてばこ(ももうた) vs かめたろう1号(かめたろう)

ロボットアニメにつきものなのが、パイロット同士の精神戦である。勝敗はロボットの性能のみで決まるのではない、より強い精神力を持ったものが勝利する。そしてヘボコンの世界もそれは同じだ。
ボールをたくさん搭載したこのロボットは「たまてばこ」
ボールをたくさん搭載したこのロボットは「たまてばこ」
一見何がなんだかよくわからない機体だが、実際動かしてみると、工夫の塊のようなロボットであった、
このトリッキーな動き!
このトリッキーな動き!
ボールが転がるレーンの両端に前進と後退のスイッチがついていて、ボールが当たるとロボットが進み、またボールが弾かれて別のスイッチに当たり……、の繰り返しで移動する。マイコンなどの高度な技術を使わず、工夫だけでこの動きを実現している。ヘボ抜きでふつうにすごい。

そしてその対戦相手がこちら。
かめたろう1号
かめたろう1号
この朴訥(ぼくとつ)フェイス。しかしスペックは顔に似合わぬものを持っている。
かめたろう1号は紙のカバーをはがすと木材でできており、重い。そして重心が低くサイズもでかく、相撲には圧倒的有利なフォルム。完全に「勝ちに来てる」マシンなのである。
機能こそ前進のみだが、この顔でまっすぐジリジリ迫ってくる。
機能こそ前進のみだが、この顔でまっすぐジリジリ迫ってくる。
工夫の申し子 vs 勝ちに来てるマシン、試合の様子はこうだった。
スタートと同時に急発進、相手の前に躍り出た、たまてばこ
スタートと同時に急発進、相手の前に躍り出た、たまてばこ
しかしここで動きの要であるボールが止まってしまい、なすすべないまま、かめたろう1号の馬力にじりじり押されていく
しかしここで動きの要であるボールが止まってしまい、なすすべないまま、かめたろう1号の馬力にじりじり押されていく
焦ったパイロットが戦況を変えようと直接スイッチにタッチ、この操作で後退した たまてばこ はそのまま土俵の外へ……
焦ったパイロットが戦況を変えようと直接スイッチにタッチ、この操作で後退した たまてばこ はそのまま土俵の外へ……
朴訥とした顔からはとても想像できなかった、殺人マシーンのごとく淡々と敵を追い詰めていくかめたろう1号の姿。たしかにそれは脅威であったが、しかし最終的にたまてばこに止めを刺してしまったのは、パイロットである ももうた さん自身の焦りであった。

試合後のかめたろうさんのコメント「大人げなくて申し訳ありません」というフレーズが印象に残る、名試合であった。
1回戦 第14試合

amazing quick floor(斎藤充博)、陸グソク(aba)

こちらは先日公開された斎藤さん自身による記事でも紹介されたため、すでに読まれた方も多いかもしれない。
しかし忘れられない名試合であったため、こちらでも改めてご紹介しよう。

斎藤さんのロボットはこちらのamazing quick floor。
写真左。平たいボディを床と一体化させ相手の下にもぐりこみ、転ばせる作戦
写真左。平たいボディを床と一体化させ相手の下にもぐりこみ、転ばせる作戦
ミニ四駆を動力としており、名前のとおり、大きな見た目からは意外なほど素早い。

そして対戦相手は。
陸(おか)グソク。リモコンで動くキットにオオグソクムシのケースをかぶせたもの
陸(おか)グソク。リモコンで動くキットにオオグソクムシのケースをかぶせたもの
小回りの利く陸グソクの得意技はローリングヒップアタック。回転して尻尾部分で敵を打つ。しかしおそらく平たいamazing quick floorにダメージは与えられず、かえって上に乗り上げてしまうだけだろう。勝ち目はないかもしれない。強い、強いぞ amazing quick floor!

事前の評では優勝候補との呼び声も高かったamazing quick floor。ここであえてこれだけ持ち上げているということは……、結果は推して知るべしである。
予定通り陸グソクの下に滑り込むamazing quick floor
予定通り陸グソクの下に滑り込むamazing quick floor
しかし陸グソクはそのままamazing quick floorの上を通過し……
しかし陸グソクはそのままamazing quick floorの上を通過し……
何ごともなかったかのように着地。いっぽう陸グソクの重みから開放されたamazing quick floorは一気に場外へ
何ごともなかったかのように着地。いっぽう陸グソクの重みから開放されたamazing quick floorは一気に場外へ
素晴らしく機敏な床。その名のとおり、相手にダメージを与えることなく、完全に床としてその出番を終えた形である。
気持ちよいほどに、作戦が完全に裏目に出た。そんな名試合であった。
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