レース会場が想定外
私が見に行ったのは、九州トライアル選手権シリーズ第6戦長崎大会。
そのレース会場が想定外だった。
長崎市は琴海町という、うちからそれほど遠くないところで行われたのだが、地図で場所を確認してもレース場があったような記憶がない。
行ってみるとそこは山で、建設会社の敷地内だった。
立て札に従って進むと会社の敷地内に入っていった。(予想外)
仮面ライダーの舞台のようだ。
ここにコースが作られている。
観戦は無料。地方大会は概ねこういう雰囲気とのこと。全国大会とかだと有料で、その代わり観客席があるとか。
タイムを競わない
応援に来たものの、どんな競技かまったくわかってなかった。てっきりダートのコースをグルグル何十周もしてそのタイムを競うようなものをイメージしてたら、まるで違った。かみさんなどはもっと酷く、アフリカ大陸横断みたいなのを想像してたようで、「それって走ってる姿見えるの?」などと呟いていた。
それはこうだった。
・タイムは競わない
・アクロバティックなコースを走り、そのテクニックを競う
・コースは8つに分かれていて、それを3周する(数は会場毎に異なる)
・周る順番は自由
・足を着いたりすると減点
・減点方式でミスが最も少ない人が優勝
選手と観客との距離がむっちゃ近い。
速さを競わないので基本ゆっくり走る。
静止してることも多い。
さらにものすごい超絶テクでバイクをコントロールする。
といった理由から、観客とバイクとの距離がものすごく近い。
仮面ライダーを思い出さずにはいられない背景。
森の中を走るコースへと向かう選手たち。
森の中はすごい急斜面。
間違ってコースに入ったかと思った
コースが8つに分かれていたのは最も予想外だった。
車で会場の敷地内に入ってまもなく、
「この道で合ってるだろうか…?」
と一抹の不安を感じつつゆっくり進んでいたら、選手たちがわらわら走ってる道に出たので、間違ってコースに入ってしまったかと一瞬思った。
コース間移動のため選手たちがカジュアルにそのへんを走ってる。
観客も選手と同じ道を移動。
バイクの技が想定外
そしてバイクの技がすごかった。
絶対ムリ!という感じの坂を駆け登っていったり、自分だったら「お手上げ!」という状況を何度も目にした(で、なんとかなっていた)。
こんなでかい石をバイクで乗り越える。
「こんなとこ行けるんかい?」ってとこでも意外とあっさりクリアしていく。
コースは選手の階級に応じて(たしか)3つのレベルに分かれていて、それぞれの色テープが着いたところを進むようになっている。もちろん階級が上の人ほど難しくなる。
階級は、下から順に、
・国内B級
・国内A級
・国際B級
・国際A級
とあり、さらにその上、国際A級の中でも特に世界で活躍するような選手を「スーパークラス」と呼ぶらしい。
知り合いが優勝!
試合は、応援していた友人が国際B級部門で優勝。
なんと九州大会6連覇で、今シーズンの九州チャンピオンにも決まったそうだ。すごい!
優勝した橋口智彦さん
さて、せっかくなので次のページでは
後日会って、そのすご技をじっくり見せてもらった様子をお届けしたいと思う。(ここからが面白いよ)
九州チャンピオンになった橋口智彦さん (以下ハッシー)
トライアルの技をじっくり見たい
ハッシーは私の飲み友達。最近ぜんぜん飲み会に誘ってくれないな~と思っていたら、今年は飲み会を自重してレースに専念してたそう。その甲斐あって今シーズンは九州大会6連覇としっかり成績を残した。全国大会でも3位になったりもし、来シーズンからは国際A級へと進むそうだ。
まずは、仕事場である彼のガレージにて。
およそ私の知ってる自転車とは別次元の動き。
これが自転車なのか?
普段仕事でなかなか練習に行けないので、トレーニング用にと買ったそうだ。
練習用自転車。これはこれで自転車の大会などもあるらしい。
移動は車。
長崎大会が行われたのと同じ場所を訪れた。
ここはハッシーが中学生の頃から、会社のかたの好意で使わせてもらっているという。
競技用のバイクはナンバープレートも付いてなく、公道を走れないので車に乗せて移動。
まずはドラム缶を渡ったり、石に登ったり。これぐらいは朝飯前といった感じで楽々クリアしていく。
鹿のように駆け上がる
次はこれ。
鹿が敵から逃げる時に登るような急斜面。
というか、ほぼ崖だが…
まるで鹿!これが可能ならどんな山道だってバイクで登れるんじゃないか?
降りるのもおよそバイクで通る所とは思えない崖。(写真だとわかりづらいかもしれないが)
超巨大タイヤ。たぶん、トランスフォーマーか何かについてたやつ。
垂直。
これに向かっていくなんて自分的にはありえない。
「ただぶつかるだけじゃ?」
と思うところだが…
どうしてこんなことが可能なのか?
と訊いてみると、
矢印の辺りに前輪を当てる。
ステップを踏むことで反動でタイヤが上がり、ベクトルが前から上へと変わる…と説明してくれてたような気がする。(3割程度の理解力にて)
これくらいまで来たら今度は前に押し込む。…とのこと。
土管
今度は土管。
しかも横からではなく縦から登るという。
これは、やばいだろう。
先ほどのタイヤと違い、土管は穴が空いている。
こんなの登れるのか?
しかも丸いから上に登ったとしても滑って落ちたりしないか?
ココを渡っちゃうんだからなぁ…
土管が渡れるならこれはカンタン。
まるで接着剤でくっつけたかのようにタイヤが動かない。
これを見て、昔テレビで見たアロンアルファのCMの謎がわかった。ここにアロンアルファが塗ってあったらたしかにくっつくと思う。
自在に静止していられる
トライアルは足を着いてはいけない競技なので、足をつかない状態でずっと止まっていられる。驚異的なバランス力。
私も試しにやらせてもらったのだが、まったく立ってられなかった。