特集 2014年7月2日

蕎麦をパスタっぽく食べる8連発

この記事は、ここからどんどん食べ物のレベルが落ちていきます
この記事は、ここからどんどん食べ物のレベルが落ちていきます
蕎麦は麺つゆで食べるのもの。そう思ってきたし、今までそれ以外の冒険もしてこなかったが、あるとき「パスタソースとからめた蕎麦」の存在を知った。えっ、蕎麦ってイタリアンとも合うのか!

それなら他のパスタソースでもいけるんじゃないだろうか。 今回は、普段料理を教えてる人に指導をしてもらいつつ、試してみることになった。

教えてもらいつつ3種類、自分で考案した5種類、合計8種類の「パスタっぽい蕎麦」を紹介します。
島根県生まれ。毛糸を自在に操れる人になりたい。地元に戻ったり上京したりを繰り返してるため、一体どこにいるのか分からないと言われることが多い。プログラマーっぽい仕事が本業。(動画インタビュー

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考案者に教わりに行く

今回教えてもらったのは、料理教室・レシピ作成・メニューの提案など、料理に関する仕事をしておられる庄司さん。料理レッスンのためにローマへ行った経験もあるという。

写真をお願いしたところ、私が毛糸で編んだかぶりもの(お子さんと遊んだりする用に持って行っていた)をかぶると言ってくれた。
これで撮ってくれたが……
これで撮ってくれたが……
だるまだと訳が分からないので、人間に戻して話を進めよう
だるまだと訳が分からないので、人間に戻して話を進めよう
「パスタソースとからめた蕎麦」」については、ワインに合う地元の食材を使ったレシピというお題の仕事のときに出来たものだそうで、noteの庄司さんによるエントリー「蕎麦をパスタっぽく食べる」でも紹介されている。
地元(島根)の出雲蕎麦を使うことに
地元(島根)の出雲蕎麦を使うことに
刻んだトマトとみじんぎりのにんにく、オリーブオイルと塩コショウ、あとはバルサミコ酢が入っていてサッパリしてる。(ソースはこの「トマトのケッカ風パスタ」のレシピを参考に)
冷製パスタ風の出雲蕎麦。彩りもきれい!
冷製パスタ風の出雲蕎麦。彩りもきれい!
冷たくてコシもあって、これからの暑い季節にツルッツルといくらでもいけそう。
おお! うまい! 半目開きだがうまい!
おお! うまい! 半目開きだがうまい!
ひとまずここまでのところで「蕎麦、パスタっぽく食べてもおいしい」というのはなんとなく分かってもらえたかと思う。

ここからが本題だ。

あと2種類、教わりつつ作ってみる

この日作るのはさっきの冷製「ケッカソース」のほかに、「カルボナーラ」と「ジェノベーゼ」。
カルボナーラはちゃんと作るけど、ジェノベーゼは市販品つかうことにする
カルボナーラはちゃんと作るけど、ジェノベーゼは市販品つかうことにする
カルボナーラについては、生クリームを使わないコストの安いやり方で。パスタの場合と違って、麺をゆでるときに塩を入れてないため、ベーコンを炒めるときに少し塩味を付けた。
混ぜるのはええ!
混ぜるのはええ!
蕎麦とベーコンの上にクリームソース投入
蕎麦とベーコンの上にクリームソース投入
ところで私はカルボナーラを作るのは初めてなので、一応カルボナーラの基本的な作り方も見て覚えようとしている。
作り方も学べて、蕎麦カルボナーラの実験もできるなんてお得だなあ
作り方も学べて、蕎麦カルボナーラの実験もできるなんてお得だなあ
それはそうと、これ……ちょっと色合いが悪くないか。
くすんだ色! ねっとりしてる!
くすんだ色! ねっとりしてる!
うわー…… 全然美味しそうじゃない! と思ってたが、きちんとした盛りつけでそれが誤魔化された。まさかの巻き返し! (料理ができない人間から見るとそう思える)
盛り付けってすごいなー
盛り付けってすごいなー
黒っぽい麺とクリームソースの組み合わせには気を付けろ
黒っぽい麺とクリームソースの組み合わせには気を付けろ
食べてみると、ソースは美味しいが麺はモソモソ。ゆですぎてのびきった麺のような食感だ。事前にそれを考慮して、ゆで時間を短めにしたというのに!
とは言っても、まったくダメということは…
とは言っても、まったくダメということは…
庄司さん、「これは無理……」と本当に食べられない様子だ。これってもしかして、いつも自分の作った美味しいものを食べてて、「美味しい」「まずい」の基準が私とぜんっぜん違うのでは。
舌偏差値が低め……というか、私の許容範囲が広いのかもしれない
舌偏差値が低め……というか、私の許容範囲が広いのかもしれない
蕎麦カルボナーラは見た目も味も悪かったので、ドン引きさせたいときや嫌われたいときにオススメ! ってことにしとこう。

ジェノベーゼについては、ゆでた麺に市販のソースを混ぜて、バジルを乗せるだけ。
パッと見は美味しそうなのだが、食べてみると違和感。蕎麦とねっとりとしたソースのなじみが悪い。ソースと麺、別々に食べたい。
美味そうなのにまずい。見かけ倒し!
美味そうなのにまずい。見かけ倒し!

サッパリ系を攻める

クリームもだめ、バジルもダメ。だったらどうしろというんだ!

……と後日、比較的さらっとした和風寄りのソースを集めてみた。梅ってパスタソースとしてルール違反な気もするが、まあいいことにしよう。パスタソースって書いてあるし。
左からごま醤油ガーリック、高菜、たらこ、梅
左からごま醤油ガーリック、高菜、たらこ、梅
パッと見ふつうの蕎麦
パッと見ふつうの蕎麦
先日の試食で、自分の判断に若干の不安を覚えてたので、この日は友人に助っ人として来てもらった。
適当に調理とも言えない調理をして、4種類を試食。
友人(臨月)にこんなもの食べさせていいのだろうか、よく分からないがまあいいか
友人(臨月)にこんなもの食べさせていいのだろうか、よく分からないがまあいいか
あ、あーー……これは……
あ、あーー……これは……
まとめると、どれもそこそこいけるかな?と思ってたが、もう一度やりたいと思えるのは梅だけ。たらこは全然美味しくない。

たらこは麺とソースの馴染みの悪さがジェノベーゼのときとよく似てて、違和感がある。
ねっとりとした質感がよく似ている様子をここで見せたかったが、この写真じゃきっとなにも伝わらない
ねっとりとした質感がよく似ている様子をここで見せたかったが、この写真じゃきっとなにも伝わらない
ひとまず今まで試してみたものを分布図にしてみた。

冷たくてサッパリ、少し酸味があるものが合うんだと思う。
右上に行くほど合う、左下に行くほど合わない
右上に行くほど合う、左下に行くほど合わない

面倒くさがりのための掛け合わせレシピ

「麺、ゆでるのめんどくさい、インスタントでなんとかならないのか!?」という人もきっといるはず。

試してみよう。インスタント蕎麦麺とインスタントパスタソースの掛け合わせを。
量のバランスを取るために蕎麦の方は特盛をチョイス
量のバランスを取るために蕎麦の方は特盛をチョイス
ここからどん兵衛のほうをSpa王っぽく作っていく。汁なしどん兵衛ってどうなんだろう。
外見そのままで中身だけ入れ替え、って映画「転校生」っぽい
外見そのままで中身だけ入れ替え、って映画「転校生」っぽい
お湯は並々と注ぎ、蕎麦の待ち時間3分待って……
お湯は並々と注ぎ、蕎麦の待ち時間3分待って……
トッピングしたら、明太子蕎麦パスタできあがり!
トッピングしたら、明太子蕎麦パスタできあがり!
味の濃さはちょうどいい(特盛の量でちょうど良かった!)がオイルと麺が馴染まず、やっぱりモソモソ。けどインスタントだし、という割り切りが脳内で出来てきた。

なんかもう、これはこれで美味しい。
つるっと感がないので顔が隠れるほどに持ち上がる。個人情報保護にもってこいだ
つるっと感がないので顔が隠れるほどに持ち上がる。個人情報保護にもってこいだ
疲れたときに食べたらもっと美味しく感じるんだろうなー……って明らかにこれ以外の食べ比べと判断基準が違ってて、あんまりよくないやつじゃないか、これ。
超ジャンクなものが身体に染み入るあの感じ
超ジャンクなものが身体に染み入るあの感じ

「麺つゆってすごい」にいきつく

今回8種類試したが、最後の方は情報をどう処理していいのか分からなくなり「麺つゆって、すごくないか……」というところにいきついた。
一度「蕎麦に麺つゆをかけるとうまい」って記事にしてしまいかけた
一度「蕎麦に麺つゆをかけるとうまい」って記事にしてしまいかけた
脳内でなんとか引き返して、この記事を仕上げるところまで戻ってきたわけだが、「冷製パスタに合うサッパリだれは蕎麦にも合うはず! なにか良い発見をした方はご一報を!」 ということで締めとこう。

今度こそ美味しいものを……

振り返ってみると、料理のできる人にまずいものばかりを作らせてしまってほんとに申し訳なかったなーと思う。ま、まさかこんなことになろうとは。

そして、ここまで蕎麦と合うソース(ケッカソース)を発見できてメニューとして出せること自体すごくないか、と思えてきた。

今度はちゃんと美味しいものを教えてもらいに行きたい。
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