趣味の終着駅こと、「鉱物掘り」
「木」と「石」はコレクションの終着駅と言われるが、30代半ばにして僕もとうとう鉱石に興味が出てきた。いよいよ人生の終着駅に向かっているのかもしれない。
少し違うか。
まあ何にしろ、最近急に鉱石に熱が上がっているのだ。
え、こんなのが日本で掘れるのか! (『鉱物ウォーキングガイド・全国版』より)
鉱石を掘りたい。
大地からこの手で掘り返したい。
「宝探し」なんて童話の中の話だと思っていたが、現代の日本でこんなにも実行可能なことだったのか。素敵すぎる。35年間ぼけっと生きてきた自分がうらめしい。
さっそくamazonでロックハンマー買った。
というわけですかさず鉱物採集ガイドと超かっこいいハンマーを買い、僕は鉱物掘りに飛び出した
はじめの狙いは「デュモルチ石」
今回の狙いは「デュモルチ石」。
色が青く鮮やかで、初心者でもすぐに分かりそうなところがポイントだ。名前もかわいい。デュモルチ。
すっごい青!(『鉱物ウォーキングガイド関東甲信版』より)
しかし念には念を入れたい。
近所にある博物館で実物を確かめる。無駄にフィールドへ飛び出し、手ぶらで帰ったことなどデイリーのライターを始めてから数知れない。
あった。これが今回の標的、「デュモルチ石」
え、これ、めちゃくちゃ地味だ。
本で見るような鮮青色とはほど遠い。
左上にある、うすい青紫色のところがデュモルチ部分だろうか。多少テンションが下がるが、きっと現場にはこれ以上のものがあるだろう。信じて旅に出る。
さあさあ掘るぜ、デュモルチ石
さて、やってきた先は栃木県の山中の某所。ここから30分ほど歩いた先の崖にデュモルチ石が産出するという。楽しみだ。
心の中で「デュモ♪デュモ♪」と歌いながら進もう。
半ば廃道みたいな道で、がけ崩れしてたり、ヘビがいたりして面白い。
目的の崖に到着!
たどり着いた崖、ここを掘れば憧れのデュモルチ石に出会えるはずだ、さあ行こうと踏み出してふと足元を見るとそこに。
え、この青いの、デュ、デュモルチ石??
何と小さなデュモルチ石がすでに、そこらじゅうにコロコロと転がっている。
すごい、見つかるかな?見つかるかな?と悩んでたのがバカみたいだ。心の中の小人が「デュモ!デュモ!」と興奮気味に踊り出す。
あちらこちら、デュモルチ石。拾いまくる。
想定外にやわらかい崖
しかし今日の目的は「掘り」でもある。。
かつーん、かつーん、と崖を打つ姿を夢見てここまでやってきたのだ。やらずに帰れない。おもむろにハンマーを取りだして崖に向かう。
ヘルメットとメガネは必須です。
ところが掘り出してみると、意外と崖がやわらかいことを知る。正直、ハンマーなんか使わなくても、手でほじっただけでガラガラと崩れ落ちる。
恐るべき柔らかさ、崖。
もともとやわらかい材質の上に、風化してぼろぼろになってるのかもしれない。不安だ。
頭上には覆いかぶさるように崖が伸びている。変なツボにハンマーを打ち込んでしまった日には、ディズニー映画のように崖全体が崩落してくるかもしれない。
アメリカ映画なら、絶対崩れてくるパターンの崖。
ここで埋まって死んで、デュモルチ石が墓標がわりというわけにもいかない。崖掘りはほどほどにして、掘り出した小石の中から青いデュモルチ石を探してみた。
2時間ぐらいかけて掘ったデュモルチ石
こうやって見ると、やわらかく青づいた色がとてもきれいである。中でも今日もっとも濃かったのはこれだろう。
ほぼ真っ青!!!
大きさこそ小さいが、博物館で見たものよりも圧倒的に青の濃い一個である。いいものがとれた。
ひとつひとつ自分で大地から掘り出した鉱物がいとおしい。買ってきた輸入鉱物とはまた別格の嬉しさがある。
すごい小さいけど、黄鉄鉱もあった。
鉱石掘りの第一歩目は、自分的には大成功だ。
続いて攻めたいのは鉱山跡である。できれば水晶を掘りたい。月夜の鉱山跡で水晶を拾う、みたいな宮澤賢治的シチュエーションにすごく憧れる。
と、人生を肩で息し始めたおっさんでもロマンチシズムの中に連れ戻してくれる鉱石掘り、やばい面白すぎる。仕事の許す限り、定期的に続けていきたい。