Go to 小値賀
世界遺産候補の教会がある野崎島に行くにはまず小値賀(おぢか)島へと渡る必要があった。小値賀島も初めて行く島だったので、せっかくだから1泊し島内を散策することにした。
佐世保から高速船・シークイーンに乗って。むっちゃ酔った。
佐世保から高速船に乗り、およそ1時間半。
この日はシケで、予想以上に船が揺れた。
船は真ん中の方が揺れが少ないのでできるだけ中央寄りの席に座ったが、それでもだいぶ酔ってしまった。(ざこ寝スペースもあったので、そこで床に頭をつけてた方が酔わなかったかもしれない)
フェリー・ターミナルに貼ってあったポスター。ポーズでなんとなく意味はわかるものの、同じ県内でもだいぶ言葉が違うんだなぁと気付かされる。
2秒で発見
小値賀に着いて最初にすること(ToDo1)は、「おぢかアイランドツーリズム」の窓口を探すことだった。着いたらここで野崎島の宿泊手続きをしてくださいと電話で言われていた。が、探す間もなく2秒でみつけた。フェリー・ターミナル内の土産物屋のすぐ横にあった。わかりやすい。
窓口では親切にも地図を広げながらその日晩飯が食べられるすべての店に印をつけてくれた。これで晩飯も迷わなくて済みそうだ。
島のあちこちに祠や鳥居がある。
次にすべきことは、予約していた宿を探すことだった。これも、フェリーターミナルを出て歩き始めて数分でみつかった。翌日乗る予定の船が出る場所も目と鼻の先にあるのを確認。
たまたまそういう宿を予約していただけだが、これまたわかりやすくなんだか気持ちがいい。
道端に魚が干してあったり。
宿での手続きがシンプル
旅館に着くと、おばちゃんが出てきて、
「あ、斎藤さん? どうぞ~」
と言って部屋のカギを渡された。
なんと、宿帳を書かなかった。
これまでさまざまな宿に泊まってきて宿帳を書かなかったのはおそらく初めてだ。単におばちゃんが忘れたのかな…とも考えたが、予約時に一応名前と電話番号は伝えてるので情報量としてはこれで十分なのかもしれない。いや十分だ。それどころか、予約時の情報から名乗ってないのに名前で呼ばれるなんて、まるで高級ホテルのVIP待遇のようではないか。宿帳を書かせるような手間も取らせない。考えれば考える程VIP待遇ぽい。
レンタカー借りた。
レンタカーの借り方もシンプル
小値賀島は面積が約12平方kmほどの比較的小さな島で、なおかつ地形も平坦なのでレンタル自転車に適している。が、この日は雨が降ったり止んだりしていたのでレンタカーを借りることにした。
このレンタカーを借りる手続きがまた驚くほどカンタンだった。電話で旅館の入り口にいる旨伝えると、車を持って来てくれるという。そして、「使い終わったらカギはつけたままで旅館の前に置いといてもらえばけっこうですから。」
と言われてカギをポンと渡されて完了。あまりのシンプルさにびっくりしてしまった。
レンタカーを借りる手続きと言えば、
・免許証を提示
・保険についての説明
・借りる車のキズなどの説明
・返却方法についての説明
等々あるのが一般的だ。が、島だから車に乗ってどこかに逃げるなんてこともないだろうし、これはこれでいいんだろう。
ああ、イイ。
いろいろなことがカンタンで、すごく気持ちがいい。こちらを信頼してくれてるんだな、というのも伝わってくる。
島内のマップ。
好きなタイプの観光スポット
小値賀のNo.1観光スポット、「ポットホール」を見に行った(正確には小値賀島ではなく橋でつながった斑島にある)。
波の侵食でできた穴の中に、波でころころ転がってできた直径50cmほどの石の玉が入っている、というシロモノ。
ネットで「ポットホール」を調べてみると、単に岩にできた穴のことを指すようだが、ここでは玉と合わせて言うようだ。
岩場に道がある。
道が濡れていて「ひょっとして大波が来たらこんな風に自分も水かぶるんかな?」と予感。
道の先には、矢印が。矢印が指す方を覗くとそこには…
これがポット・ホールだ。
動画でも撮ってみた。玉は滅多な波では転がらないようだ。
非常に好きなタイプの名所だ。
ふと対岸に目をやると、そっちにも気になる景色が…
すごい崖がある!
崖がすごい
ポットホールがある場所から対岸にすごい断崖が見えたので近くまで行ってみた。「五両だき」という場所らしい。
真下に立つと身の危険を感じるほどの凄い迫力の断崖絶壁だったが、写真ではそれが伝わるように写せなかったのが残念。。
車を飛ばし近くまで行ってみた。
うぉぉ…。
真下まで行ってみた。写真ではいまいち迫力を伝えきれないのが残念。。
この手の高さがあるものは近くから撮るより遠くから望遠で撮った方が伝わるのかもしれない。(→ 参考:
針尾の無線塔がやばすぎる)
「牛に注意」の標識がそこかしこにある。
牛がカジュアル
島にはあちこちに牛がいて、「牛に注意」の道路標識が立っている。
こういう絵柄のも。
牛注意の標識のすぐ下のロープが切れてるのを見て、ジュラシックパークを思い出した。この後恐竜に襲われるパターンだ。
そこかしこでカジュアルに牛と出会う。
あれはなんだろう?
牛の塔
車を走らせていると、気になる祠があった。
それは「牛の塔」というもので、むかし小値賀島は2つの島に分かれていて埋め立てて1つにしたが、その工事に従事してなくなった牛を供養するための塔とのこと。
6万個の石にひとつひとつ経文を書いて埋めているという。
余談だが、前のページで「宿帳を書かなかったのは初めてだ」と書いたが、その後GWに泊まった御所浦という同じく離島の宿でも宿帳を書かなかった。やはり離島に多い傾向なのかもしれない。
むかし人工知能を少しかじっていた頃、高機能になればなるほど何もできなくなるロボットの話を聞いたことがある。例えばロボットに一定時間内に障害物を避けて前進しゴールを目指して欲しいとしよう。低機能なロボットは何も考えずにまず前進し、何かにぶつかったら少し横に移動して再び前進という動きを繰り返す。一方高機能なロボットはまずカメラで前方を撮影、そこに障害物があるかないかを画像解析によ判断し、無ければ前進、あれば向きを変え再びカメラで撮影という動きを繰り返す。当然、低機能なロボットよりはるかに時間がかかり、時間内にゴールまで辿りつけない。つまり複雑で高度にした結果、かえってバカになってしまった、というお話だ。
同様に、面倒で煩わしい仕組み・手続き等が社会の中ですっかり当たり前になり疑問を抱かなくなってしまっている昨今だが、果たしてそれは良くなってるのかバカになってるのか、ちょっと考えてしまったのであった。