特集 2014年4月8日

どうやったら早く乾く?ハンドドライヤーメーカーにきく

台所のファンみたいな風になる

その後プロペラで風を送ってたのが台所のファンのような羽根で風を吸い込んで出すタイプになったり徐々に性能はよくなっていく。

――そもそもここしか作ってなかったんですか?

「昭和47年くらいまでかな、弊社が特許をもってて販売独占してたんですね。

特許がきれてからPanasonicさんですとかみなさん大手ですからどんどん自社の製品をつくりはじめて、そこで競争がはじまって今あるんですけども」

――機械は簡単なんですか?

「単純ですよ。センサーで感知して風を出して手を抜けばとまる、ただそれだけですから。差をつけるのむずかしいですよね」

――各社性能が変わらない?

「それは昔からもうずっとそうですわ。

今まで販売店やってたけど次は自社で開発しようとなっても、ここに搭載されるモーターって限られてるんですね。つけるモーターがおんなじだと当然出てくる風もおんなじで、そんな差はないんですよ。

うちは殺菌灯がついて衛生関係に強かったり、デザインがいいとこはオフィス向けだったり。でも中身は大体みんな同じなんです」

モーターの性能が変わらないんだから大体一緒。

いや、これは井上さん側の立場から言ってるので大手には大手の意見があることだろう。しかしどうしてもこういう身も蓋もないものいいを信頼してしまう。(そうしてわが家には安いものがあふれていく)
モーターの性能がかわったころの製品、MTシリーズ。下から見たかたち
モーターの性能がかわったころの製品、MTシリーズ。下から見たかたち

乾くようになってやっと普及する

――いつ普及したんですか?

「昭和60年くらいかな、シリースモーターになって能力が変わって、1分かかってたものが30秒とか乾燥までの時間が短くなってきた。

これはもう今の手をさしこむと風がジャーっと出てくるドライヤーですね。そこから一気に普及するようになってきた。

モーターの性能と衛生規範の浸透で、かつて王者だったロールタオルが1~2割、紙が7~8割、ドライヤーがやっと1割超えてきましたね」

当時の劇的にかわったハンドドライヤー見せてもらったが(……あ、古くて遅そう!)という見た目。あれでも劇的な進化だったのか。それ以前のハンドドライヤー、ほんといらいらしたんだろうな。
台湾の新幹線とかにもついてるらしい
台湾の新幹線とかにもついてるらしい

エコで流行る

「紙が主流になってましたが、今度は環境の問題で、紙は森林を伐採して環境によろしくないというので。ちょうど1992~3年以降くらいから急激に普及するようになったんです。

その後ここ15年くらいは省エネがさけばれてますね。どこかの会社が戦略的に電気代かかりませんよとやってそれに右に倣えになったと思います」

――バブルのときは?

「各社売れてましたしバブルのピークすぎても売れ続けましたね。

ペーパーは切れる、ゴミ箱が要る、いっぱいになったら清掃員が片付けないといけない。そういう面でドライヤーはゴミも出ないですし。

ドライヤーは最初のコストはかかるけどね、一回のコストは0.0何円と意外にかからないんです。買ってしまえさえすればお金かからないしお客さんからのクレームもないし増えていきましたね」

こうして長い流れを知るとエコとか省エネっていうのも普遍的なものではないのだなと思う。
……井上さん、あのスノーボードなんですか?
……井上さん、あのスノーボードなんですか?
「これうちで作ったんですよ、ものすごく大変でした」という光るスノーボード。なぜこの会社が!
「これうちで作ったんですよ、ものすごく大変でした」という光るスノーボード。なぜこの会社が!
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓