貝がらへの思い
友人の披露宴会場のウェルカムボード。流木の縁に囲まれ、ヒトデや貝がらで書かれた「WELCOME」
海の青さを写したようなピーカンの青空の背景に映えるパールホワイトのかわいい貝がら文字は2人が歩むしあわせいっぱいの人生を象徴するように燦然とオーラを放っていた。
街を歩いて見かける貝がら看板も同様にキラキラと輝き、行き交う人々にファンシーをもたらしている。
タカラガイで統一されたシンプルな書体。 読みやすく、かわいい。
三鷹に海っぽさを与えていた貝たち。
流木とのコラボ。
貝がら、ヒトデ、玉、天使と全部乗せに近い。
貝がらによるファンシーはもっと内陸というか日常に浸透していいはずだ。
ぜひとも浸透させよう。よし!貝拾いにいこう。
大磯漁港の建物がかっこいい。
やってきたのは大磯。1885年、日本で最初に海水浴場が開設された地である。
日本最多の青バトの飛来地でもある。ご当地キャラも青バトのいそべぇ。
観光案内所で販売している青バトの絵はがきがすごくいい。絶対買うべき。
流木とか拾っててアーティストぽいなーとか思っていたが写真みると何の変哲もない不審者だ。
強風の中、波を待つサーファー達を尻目に砂浜で貝がらや流木を拾い集める。波間に浮かんでる人達ってあんなにお互いの距離が近くて大丈夫なのだろうか。先端のとんがったところとかおっかなくないのだろうか。
流木は拾い放題
かぴかぴのヒトデも
キッチンがファンシーに。あとすごく磯くさい。
足りない分は買う
拾ったものだけでは数量、種類共に不安なので貝がらを買いに江ノ島へ向かった。
たいがいのみやげ店で貝がらが手に入る。
江ノ島大師のビビッドな仁王様
足元は磯。素足はあぶないと思う(フジツボなどでけがをするから)
もちろん行きました「世界の貝類展」
壁から飛び出したかぎ爪がワイルド!!
多種多様な貝詰め合わせをゲット
結局どこの貝なんだ
こうして各ビーチから武蔵野に集結した貝と流木で、ファンシーを作るのだ。
流木を拾ってきたのはいいが絶対こんなに使わない自信ある。
貝で「止まれ」
日常の景観にあふれている道路標識を貝にしたら素敵なのではないかと東急ハンズで材料の紙を購入。
「どんな紙をお探しですか」
「あの、すいません…止まれの標識みたいな赤くてつやっとしたですね…」こんなしどろもどろした問い合わせでいきなり下の用紙を提案された。ばっちりである。どんだけスキル高いんだ東急ハンズ。
パネルに貼り、三角形にカット。
DPZに記事を書き始めて約2年、ついに自宅にミラパネを搬入する時がやって来たかと感慨にふけりながら装飾していく。
なんとなく角を丸める。
貝殻を仮置き。「止まれ」とあるがもう止まれない。
アクセサリーを分解して標識のふちどりに。
位置決めした貝をエポキシ接着剤で貼付けていく。ファンシーを忘れないように容器に気を使った。
完成!一時停止ビーチ
みやげ屋の隅の売っていたタツノオトシゴと
「れ」のツノガイがポイントです。
ほの暗い寝室でエポキシの匂いを放ちながら鎮座するそれはファンシーというよりもどこか呪術めいていた。
そういえば全然流木使ってないや。せっかく拾ってきたのに。まっすぐじゃないから使いにくいんだよなとセンスのない事をつぶやきながらもう1個作る。
青くて丸いあれもファンシー
指定方向外進行禁止。方向があいまいだな。
せっかくなのでヒトデとウニの殻でデコッてみた。指定方向外に進むとヒトデだよ。
ひとつひとつは全くもって呪術っぽいが組み合わせると交通ルール感が醸し出されるのではないか。
おお!これはよく見かけるあの組み合わせ!
ほら、いつもの路地がファンシーに。 (マウスオーバーでそうでもないことがわかります)
芝生に置いてみた。少し健全な感じになった。さすが芝生。
PDCAサイクルも貝でファンシー
交通標識などのインフラと共に日常を構成するビジネスシーンにもファンシーを侵入させよう。
ターゲットはあらゆる業務をマネジメントしてゆくうえでの基本となる考え方「PDCAサイクル」である。
PDCAサイクルとは、マネジメントのプロセスを4つの項目にわけ、一連の流れを繰り返すことにより業務を合理的に遂行する手法の事で、
■PLAN(計画:目標を設定し、達成までの計画を練る)
■Do(実行:計画を実行する)
■Check(評価:結果を分析評価する)
■ACT(改善:評価に基づいて改善の対策を行う)
この4つを繰り返し、業務の質を向上させていく。
この春、社会に出たフレッシュマン諸君は早速研修や実務でおっさん社員から「PDCAで考えるんだ」「PDCAはどうなっとるんだ」「俺のPDCAが飲めねえってえのか」などPDCAの一斉掃射を浴びるであろう。
日本のビジネスはPDCAとパワーポイントで出来ているのだ。(でたらめ)
そんな素晴らしいPDCAを貝にしない手はない。
家にあるファンシーっぽいものを眺めてイメージ作り。
ファンシーな背景をパネルに貼りホタテを配置。
厚紙で切り文字。もちろんピンク。
もうひとファンシーほしいな…
江ノ島でこんなシールを買ったのを思い出した。
「POOL」っていいな。
完成!
撮影した画像をに文字を足す。
こうしてまさにPDCAな行程を経てファンシーでかわいいPDCAサイクルが誕生した。
各プロセス(つまり貝)のところにはテキストをレイアウトできるスペースをもうけているので企画内容に合わせてアレンジが可能だ。
活用例。いい感じで色がうるさい。
ただかわいいというだけでは「君、ふざけているのかね、生き馬の目を抜くビジネスの世界でだらだらとこんなファンンシーな妄想をしおって」と怒られてしまいそうだが、このテンプレートはただファンシーなだけではない。
いちゃもんをつけてきた上司や執行役員達には言い返そう。
「まず、PDCAの各プロセスおよび中央のテーマ部分に使われたホタテ貝は、ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」でヴィーナスが乗っている貝であり、新たな事業の「誕生」のメタファーであります。」
ちなみにヴィーナスが乗ってるのは地中海に住むジェームズホタテ貝という種であります。
「そして、このPDCAサイクルは連続性を持った概念です。4つ目のActから次のPlanに接続するさいは質の向上を伴う。すなわちこのサイクルが上手く回るという事はスパイラル状に上昇してゆく図式となるわけであります。」
「スパイラルといえばそうです…」
「この矢印に使われている無数の巻貝であります!(エコー)」
「このように一見ファンシーでかわいいPDCAサイクルですが、我が社の提案する事業の「誕生」と「成功」への呪詛が巧妙に組み込まれている、ミステリーサイクルでもあるのです!戦略的ファンシーであります!」
パチ、パチ、パチ、パチ
パラパラと聞こえ始めた拍手はやがて君を取り囲む役員達のスタンディングオベンションとなり大音量で会議室に響きわたる。君はただ微笑を浮かべて、そこに立っていればいい。「ファンシー」というニックネームとキラキラ出世街道が君を待っている。
テンプレートなどに活用できるように大きい画像も用意した。少し大きめのサイズにしてあるので適宣リサイズして使用してほしい。
若き企業戦士たちよ、遠慮は無用だ。ビジネスシーンをファンシーに暴れ回るがいい!(どうもすいませんでした)
今、自宅には貝がいっぱいである。いきなり天変地異で生き埋めになったりしたら何千年か後に掘り起こされて
「ここは貝塚だったに違いない」とか言われてしまうのではないだろうか。紛らわしい看板も作っちゃったし。
古代の人も貝塚にこんな看板を作っていたんじゃないだろうか。