特集 2014年3月2日

理系なインドのテーマパーク「サイエンスシティ」

上海電信博物館では、巨大な元祖携帯電話を見ることができる
上海電信博物館では、巨大な元祖携帯電話を見ることができる
ぼくが外国に行くときにはできるだけ行くのが、観光地ではなく、屋台街だったり、スーパーマーケットだったり、ショッピングセンターとか、遊園地とかのジモティなところ。

たどり着いたインドの東でバングラデシュの西隣、ウエストベンガル州のコルカタで話を聞いたら、誰でも名前は聞いたことがあるような有名な公園があるらしい。その名も「サイエンスシティ」。

聞くからに、理系なインドなスポット。どんなところかバスに乗り継いで行ってみた。
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

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インド人、絡まない

英語だらけで読みやすいチケット売り場でチケットを買って中に入る。

広い敷地の中の草地では、家族連れがレジャーシートをひいてお菓子を食べていたり、ベンチでカップルが座っていたり。

インドの観光地では、うさんくさいインド人があれやこれや話しかけてきたり、物乞いが「バクシーシ、バクシーシ」といっては近づいてくるけど、さすがここは普通の都会のインド人ばかりで、外人目当てのインド人もいなければ、珍しそうな反応をする人もない。

東京のインド人街で知られる葛西も、これくらい自然にインド人がいるに違いない。
中に入って、まず入って目についたのが、アトラクション。 中国製か、アジアの心はひとつなのか、どこでも見る龍のコースターはインドにも
中に入って、まず入って目についたのが、アトラクション。 中国製か、アジアの心はひとつなのか、どこでも見る龍のコースターはインドにも
入場料は100円もしないけれど、清潔感のある人たちがやってきている
入場料は100円もしないけれど、清潔感のある人たちがやってきている

公園がサイエンス

さらに歩いていくと、様々な遊具のある場所につく。遊具は遊具でも、科学館で体感するような遊具ばかりで、自然と理数系脳に関心をもちそうな公園だったのだ。子供もこうした環境に通えば、理数脳が育つだろう。

さすがサイエンスシティ!
巨大迷路の中にメビウスの輪が入ったジャングルジムがあったり
巨大迷路の中にメビウスの輪が入ったジャングルジムがあったり
カメラの原理がわかる遊具があったり
カメラの原理がわかる遊具があったり
正面から見るとひとつの絵になるオブジェがあったり
正面から見るとひとつの絵になるオブジェがあったり
車輪を回転させて転がす実験台があったり
車輪を回転させて転がす実験台があったり
上部の巻く力で体を浮かせる遊具で、サリーの人もぴょんぴょん飛んだり
上部の巻く力で体を浮かせる遊具で、サリーの人もぴょんぴょん飛んだり
ブロックを積んだり…ではなく、こちらは修理中。複雑でわくわくさせるシーソーだ。
ブロックを積んだり…ではなく、こちらは修理中。複雑でわくわくさせるシーソーだ。
売店では望遠鏡を売っていた。徹底してサイエンスだ
売店では望遠鏡を売っていた。徹底してサイエンスだ
遊具は考えさせられる面白い遊具ばかり。皆濃い顔でじーっと遊具を見たり触ったり。

日本や韓国や中国やベトナムや、いろんな国々で見た遊具とはまた違う。日本で触ったことも考えたこともないから想像ができない。いろいろ触って経験を増やすことで賢くなれる公園なのだ。

インド式生命の進化ツアーへ

サイエンスシティの中に、エボリューションパークなる建物があった。エボリューションとは進化。つまり生命の進化ツアーが中にある。気になって入ってみた。
恐竜とかがあるのだろうか
恐竜とかがあるのだろうか
恐竜のもっと前、4億年以上前の古生代の海の中からスタート。 古生代というと三葉虫とかが有名だが、ここではジャイアントウォータースコーピオンが待ち構える
恐竜のもっと前、4億年以上前の古生代の海の中からスタート。 古生代というと三葉虫とかが有名だが、ここではジャイアントウォータースコーピオンが待ち構える
巨大イカがいきなり登場!
巨大イカがいきなり登場!
そして恐竜の時代へ!立体的な名もなき魚が印象的
そして恐竜の時代へ!立体的な名もなき魚が印象的
恐竜はほどほどにネズミの祖先っぽいのも
恐竜はほどほどにネズミの祖先っぽいのも
サソリ再び!インドでは身近なのだろう。今度はランドスコーピオン
サソリ再び!インドでは身近なのだろう。今度はランドスコーピオン
一方目力がないからか、温厚そうな恐竜もいる
一方目力がないからか、温厚そうな恐竜もいる
温厚っぽい表情の恐竜の先に、恐竜絶滅後の哺乳類がにらみつけて待っていた
温厚っぽい表情の恐竜の先に、恐竜絶滅後の哺乳類がにらみつけて待っていた

濃い顔は得

Science Cityというからには、何か街っぽいのかなとおもったら街っぽくなかった。英語圏にはあまり行かないけれど、Cityという名の公園って結構あるのだろうか。

Evolution Parkでは、未知の古生物と出会い、サソリに2度出会い、恐竜に迎えられたとおもった矢先、哺乳類ににらまれた。サソリはインドでは身近な存在なのだろう。

マンガやイラストには国によって傾向が異なる。作られた恐竜の表情は日本にはないものだったし、哺乳類もまた見慣れなくて新鮮だった。なるほど、ぼくらが日本で見ていた恐竜のイメージ絵や見本は日本人的感性が入っているわけだ。世界中の博物館を見てぼくの脳内図鑑の動物や恐竜たちのイメージを再構築したくなった。

インド人は、公園でも博物館でも、真面目なのかぼーっと見ているのかわからないが、濃い顔なので、見ているだけで考察してるように見えるということはわかった。うらやましい。
外の製作途中の恐竜にもたぶんわくわくしているインド人
外の製作途中の恐竜にもたぶんわくわくしているインド人
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