特集 2014年2月20日

地元の人頼りの旅 in 山梨県甲府

なんだかんだ富士山の景色が一番興奮!
なんだかんだ富士山の景色が一番興奮!
旅をするときガイドブックを参考にする事は多い。

でも、街を一番よく知る地元の人たちに穴場やお薦めの場所を聞きながら周ったら、思わぬ新しい発見があったり、より良いものに感じる気がする。

そんな「地元の人頼り」の旅をしに、山梨県の甲府にやってきた。
東京葛飾生まれ。江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。
好物は酸っぱいもの全般とイクラ。ペットは犬2匹と睡魔。土日で40時間寝てしまったりするので日々の目標は「あまり寝過ぎない」(動画インタビュー)

前の記事:信玄餅にプレミアムがあった!

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電動自転車のために9時半到着

山梨は車が無いとあまり周れないかもという噂を耳にしていた。とはいえ運転は怖くて苦手なので、甲府駅周辺で借りられる電動アシスト付自転車で旅をすることに。

予約ができないので早起きしてむかった。
なによりも先にレンタルできるとこへ。余裕で借りられた(17時まで500円)
なによりも先にレンタルできるとこへ。余裕で借りられた(17時まで500円)
さっそく、自転車を貸してくれたビジネスホテルの方たちにこの辺の穴場を聞いてみる。

甲府に来たらぜひ行くべきは「武田神社」と「善光寺」だと教えてくれたが、あまり知られていない「すぐ近くにある有名人のお墓」も教えてくれた。でも、名前が出てこない。
自転車ですぐのところに誰かのお墓があるらしい
自転車ですぐのところに誰かのお墓があるらしい
ここからすぐだから迷わず行ける、行けば分かる、とアントニオ猪木の様な説明を受けた。
静かな朝
静かな朝
最初に降りたここ北口側は静かな街だった。商店街もあるけど土曜の朝とあってかシャッターは下りてる。誰もいない通りを抜け、5分ほど自転車をこぐとお墓のある「清運寺」を発見。
再度近所の方にお墓の場所を聞くが、「太宰治だったかしら?」と定かではなかった
再度近所の方にお墓の場所を聞くが、「太宰治だったかしら?」と定かではなかった
行ってみると「千葉さな子」のお墓だった。坂本龍馬がお世話になった千葉道場の娘であり許嫁だった人だ。ドラマで見たことある
行ってみると「千葉さな子」のお墓だった。坂本龍馬がお世話になった千葉道場の娘であり許嫁だった人だ。ドラマで見たことある

地元の人のおすすめスポット1:千葉さな子のお墓

龍馬が剣術修行していた千葉道場は江戸にあったはずなのになぜここに?調べてみると、生涯独身だったさな子は東京で亡くなり、無縁仏になるところを交友のあった山梨の小田切家に引き取られたとある。

ドラマでは美人で男勝りのイメージのさな子。まさか甲府にお墓があるとは知らなかった。
すぐ下に龍馬のレプリカが
すぐ下に龍馬のレプリカが
今度は少し駅の方に戻り、自分が泊まる宿に荷物を預けがてら穴場を聞いた。
宿の方が候補をいくつか挙げてくれる
宿の方が候補をいくつか挙げてくれる
小腹が空いてきたのでついでに食事処も聞いてみると「鳥もつの蕎麦」を食べた方がいいと、近くのお店を教えてくれた。

おすすめスポット2:蕎麦屋「奥藤・第八分店」

地元の人にお薦めされる食事どころにハズレ無し
地元の人にお薦めされる食事どころにハズレ無し
鳥もつは甲府のB級グルメで、昭和25年頃に蕎麦屋である「奥藤」で考案されてから人気のメニューだそう。

店舗によってちょっと味が違うそうだがここはどうだろう。
ソバの上に鳥もつが乗ってるのかと思ったら勘違い。それにしてもボリュームがすごい!(850円)
ソバの上に鳥もつが乗ってるのかと思ったら勘違い。それにしてもボリュームがすごい!(850円)
砂肝、レバー、ハツなどをしょうゆの甘辛い味付けで煮込み、旨みをとじこんだ鳥もつ煮。ビールが飲みたくなるような濃厚な味だ。それにモチモチとした弾力ながらさっぱりとしたソバ。この組み合わせがとてもよく合った。
大将にも次の穴場を聞く
大将にも次の穴場を聞く
お蕎麦だから軽めだな、と思いながらお店に入ったが食べ終わったらお腹いっぱい。他の店舗はどうだか分からないが、こちらのお店ではお客さんに喜んでもらおうとお蕎麦を多めにしているらしい。地元密着型で近所にあったらうれしいお店だ。

おすすめスポット3:穴切大神社

お蕎麦屋の大将がおすすめしてくれた神社
お蕎麦屋の大将がおすすめしてくれた神社
そこからすぐ近く、大将が「山門がいいんだよね」といっていた穴切大神社にやってきた。小さいながら由緒ある神社らしい。
重要文化財の山門、確かにかっこいい
重要文化財の山門、確かにかっこいい
なんだこれ?蕎麦屋の大将も触れてなかったぞ
なんだこれ?蕎麦屋の大将も触れてなかったぞ
山門をくぐると、右手に手作り感あふれる可愛いサッカーゴールが。なんだこれ?
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珍百景にも出たサッカーゴール

ちょうど社務所から出てきた宮司さんに聞いたところ、こちらの神社では神の使いである「やたがらす」という3本足のカラスを祭っており、やたがらすといえばサッカー日本代表のシンボルマークだ、という流れで作られたらしい。
ここに着任して数年の宮司さん。神木の枝落としをした際に余った枝を使ってゴールを設置
ここに着任して数年の宮司さん。神木の枝落としをした際に余った枝を使ってゴールを設置
その発想が奇抜だったか、昨年のワールドカップ最終予選の前にTV取材が来たそうだ。宮司さんは試合結果を占うために急きょ蹴ることに。なんとかうまくゴールを決め、実際の試合も勝っていたと嬉しそうに語っていた。
ルールどおりに3回蹴って運試し。昔サッカーをやっていたのだけど2回ハズレた。難しい
ルールどおりに3回蹴って運試し。昔サッカーをやっていたのだけど2回ハズレた。難しい
社殿には神の使いとされるカラスの彫刻
社殿には神の使いとされるカラスの彫刻
他にもこの土地に伝わる伝説など楽しそうに語ってくれた。そんな宮司さんにも穴場を聞いてみたところ「甲府城の外堀だったところなんてどう?」と渋いスポットを教えてくれた。

おすすめスポット4:甲府城の外堀

場所的にはこれがそうみたいだけど…ほんとにこれが外堀?
場所的にはこれがそうみたいだけど…ほんとにこれが外堀?
想像していた外堀となんか違う。外堀といえばもっと幅が広く、もっと大きい石垣が積まれているイメージだ。

本当に宮司さんが言ってた外堀なのか自信がなくなり道行く人々に聞いてみるが「え、そうなの?」と逆に聞かれる始末。
かつてないマイナー情報
かつてないマイナー情報
「外堀だったかは知らないけどこの川は地上から見られる所はあまりないよ」と教えてくれた人がいた
「外堀だったかは知らないけどこの川は地上から見られる所はあまりないよ」と教えてくれた人がいた
後で確認したらこの「濁川」は確かに外堀だったところだった。しかも今やほぼ暗渠となっており、地上で見られる場所はあまり無いそう。

「え、これが?」と地元の人さえ疑う場所が実は貴重なスポットだったのは面白い。これぞ穴場だ。

お薦めスポット5:舞鶴城公園(甲府城跡)からの眺め

蕎麦屋の大将と、道でたずねた方おすすめの舞鶴城公園
蕎麦屋の大将と、道でたずねた方おすすめの舞鶴城公園
富士山が見えた!
富士山が見えた!
なんだかんだメジャーどころも抑えたい。登ってみると、蕎麦屋の大将がここからの眺めが好きだといっていた理由が分かった。

四方に望む山々、奥には富士山。その下には霞がかかり、大げさだが幻を見ているかのような美しさがある。テンションがあがった。

東横インがカメラにインしてくる

でも東横インが邪魔なんだよなあ…いい位置にあるのだ
でも東横インが邪魔なんだよなあ…いい位置にあるのだ
富士山とは別方向のシンボル、「謝恩碑」も撮るが
富士山とは別方向のシンボル、「謝恩碑」も撮るが
やはり東横インがイン
やはり東横インがイン
東横インがちょっと気になるがすばらしい景色。まるで山が城壁のようにも見え、見渡す限りを治める城主になった気分になった。言い過ぎか。でもそれくらいとても気持ちが良かったのだ。

駅の観光案内所にも寄ってみる

お姉さんお薦めのお土産を聞いた
お姉さんお薦めのお土産を聞いた
次に行くところは決めてあるのだが、駅を通るのでついでに観光案内にも立ち寄り。こちらではお薦めのお土産を聞いた。レーズンサンドだった。

おすすめスポット6:葡萄屋Kofuの「レーズンサンド」

明治・大正・昭和の甲府を再現したという「甲州夢小路」というエリアがあり、その中にあるお店
明治・大正・昭和の甲府を再現したという「甲州夢小路」というエリアがあり、その中にあるお店
レーズンサンドは3種類あった。全部食べてみたがコレがおすすめ。店員さんも一押し
レーズンサンドは3種類あった。全部食べてみたがコレがおすすめ。店員さんも一押し
しっとりとしたサブレに挟まった甘酸っぱい大粒の生レーズンが3つ
しっとりとしたサブレに挟まった甘酸っぱい大粒の生レーズンが3つ
山梨といえば葡萄だ。ワインもいいけどこの山梨産の大粒レーズンが入ったサンドはインパクトもあるし、レーズンなのにジューシーで美味しかった。お土産に渡すのがもったいなくなるくらいだ。

ここからさらに電動自転車が大活躍

次の目的地まで傾斜をひたすらのぼる。でも電動だから全然つらくない。電動すごいな
次の目的地まで傾斜をひたすらのぼる。でも電動だから全然つらくない。電動すごいな
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山梨大学の横を通りながら、誰もが開口一番にここへ行けといっていた「武田神社」に向かった。

おすすめスポット7:武田神社

今回の旅で一番多くの観光客がいた武田神社
今回の旅で一番多くの観光客がいた武田神社
ここは武田信虎・信玄・勝頼が政治をとった館の跡だそう。必勝祈願にきくと言われていて、受験生の大きい絵馬が目立っていた。
休憩するところも武田氏の家紋「四つ割菱」
休憩するところも武田氏の家紋「四つ割菱」
ここからの景色も良い。まっすぐ伸びた道は甲府駅につながる
ここからの景色も良い。まっすぐ伸びた道は甲府駅につながる
甲府観光でもっとも人気の武田神社。観光客の多さから武田家の人気ぶりがうかがえた。でも、次に向かう「武田信玄のお墓」まで訪れる人は意外と少ないという話を宿の女性に聞いていた。

おすすめスポット8:武田信玄のお墓

電動自転車で7分くらいの場所にあった
電動自転車で7分くらいの場所にあった
先ほどの武田神社と比べて、ひっそりとした場所にお墓はあった。実は武田信玄のお墓とされる場所は日本各地に多く存在するのだが、案内を読むと、この場所で火葬されたと書かれている。
混乱を避けるため「自分が死んでも3年秘密に」と遺言を残した信玄
混乱を避けるため「自分が死んでも3年秘密に」と遺言を残した信玄
実際どこで亡くなったのかは諸説あり不明だが、せっかくなら武田神社と併せて訪れると歴史に触れられていいなと思った。
さらにそこから移動。自転車でトンネル通るの初めてだ
さらにそこから移動。自転車でトンネル通るの初めてだ
時折見える富士山がいい
時折見える富士山がいい
ついたのは「甲州 善光寺」
ついたのは「甲州 善光寺」

おすすめスポット9:甲州 善光寺

善光寺といえば長野が有名だが、実は山梨にもあった。

ここも訪れる人が多く、今日出会った地元の方たちも好きだという意見が多かった。手入れの行き届いた境内に、いかにも古くからあるような本堂の姿、後ろに見える山々。全体的に荘厳な雰囲気をかもしていて、お薦めなのが納得の場所である。
多くの重要文化財が残る。長野の善光寺よりも格上だと言う人もいた
多くの重要文化財が残る。長野の善光寺よりも格上だと言う人もいた
かっこいいな
かっこいいな
なんでも、川中島の合戦の際に長野の善光寺が戦火にあうのを恐れて武田信玄が本尊やお宝をこちらに移したらしい。

とても雰囲気があり印象に残るお寺だった。しかしもう一つ、気になって仕方ない光景が近くにあった。
善光寺の近くにアフロヘアみたいな木が並んでいた
善光寺の近くにアフロヘアみたいな木が並んでいた
ずっと並ぶ
ずっと並ぶ
善光寺の真横の道路に並ぶアフロ木たちが可愛らしいのだ。

お寺の方に何でこんな形してるか聞いてみたが管轄外のようで分からないそうだ。というか、このアフロ木の存在さえピンと来ないようだったった。おかしいな。
顔を描きたくなる木だ
顔を描きたくなる木だ
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おすすめスポット9:酒折宮(さかおりみや)

次も宿の女性に教えてもらった所。連歌発祥の地らしい。連歌とは短歌の上の句(5・7・5)と下の句(7・7)を複数人で順番に詠んでいく合作文芸のことだ。
ヤマトタケルノミコトを祭っている酒折宮。古事記や日本書紀に出てくる歴史ある場所
ヤマトタケルノミコトを祭っている酒折宮。古事記や日本書紀に出てくる歴史ある場所
連歌の起源を要約すると、ヤマトタケルが東征の帰りに「筑波からここまで何日かかったっけ」という歌を家臣になげかけたが誰も答えられず、かわりに身分の低い焚き火番の老人が「9泊10日ですね」と歌で返したというものだった。

主の無茶ぶりに即興で答えた老人は褒美を与えられ、2人で和歌を作ったその手法が後に連歌と言われるようになったらしい。
初の連歌の内容が日常会話なのが面白い
初の連歌の内容が日常会話なのが面白い
さて、ここで自転車レンタル返却の時間。借りていた場所に自転車を返しに行き、疲れを癒しにカフェに向かった。

おすすめスポット10:寺崎COFFEE

観光案内の女性に聞いていた喫茶店。危うく通りすぎるところだった
観光案内の女性に聞いていた喫茶店。危うく通りすぎるところだった
県庁や市役所などの要所や食事処が多くあり、北口より賑やかな南口。お洒落なお店が並ぶエリアもあり、その中に「寺崎COFFEE」はあった。

観光案内の女性が「素敵なご夫婦が丁寧にコーヒーをいれてくれる」とお薦めしてくれた所だ。
とても落ち着く雰囲気
とても落ち着く雰囲気
エチオピアコーヒーとブラウニーをいただいた
エチオピアコーヒーとブラウニーをいただいた
こだわりのコーヒーと、マフィンが人気のお店のようだ。

残念ながらマフィンは売り切れていたけれど一日の疲れを癒してくれるチョコの甘さに、柔らかい口当たりのコーヒーがたまらない。1月の寒さから解放され、暖くて落ち着く雰囲気にほっとした。
そして爽やかなイケメン店長にさらに癒された
そして爽やかなイケメン店長にさらに癒された
時間的に、さすがにもう行ける所は無いかなと店長に相談してみると市役所の展望台が開いてると教えてくれた。

おすすめスポット11:甲府市役所の展望台

綺麗な甲府市役所
綺麗な甲府市役所
建物に入っても守衛さん以外人はおらず、10階にある展望台まで自由に入る事ができた。
誰もいない…夜景を独り占めだ
誰もいない…夜景を独り占めだ
そんなに高さは無いが、夜9時半まで無料で景色を楽しめるのは嬉しい。ただやっぱりここからなら山が連なる景色を見たいところ。昼に来るのがいいだろう。
昼間に来た方が山が見れてよさそう
昼間に来た方が山が見れてよさそう

オマケ:太宰治が通った銭湯「喜久乃湯」

夜景を見ながら今日一日を振り返っていた。そこで頭をよぎったのが、一番最初に訪れた千葉さな子のお墓が「太宰治」と間違えられていたこと。

もしかして太宰治もこの土地に関係しているのかなと検索してみると、案の定、一時この甲府に住んでいたことが分かった。
風情ある飲み屋街を抜け、太宰が通った風呂屋に向かう
風情ある飲み屋街を抜け、太宰が通った風呂屋に向かう
今朝訪れた千葉さな子のお墓があった清運寺もまさに太宰の散歩コースだったようで、他にも執筆をしていた宿や、新居跡などが近くに残っていたようだ。

旅の最後に太宰が通ったという昭和9年創業のお風呂屋に行ってみることにした。
喜久乃湯温泉
喜久乃湯温泉
これがまたレトロだった。脱衣所の真ん中に番頭さんがいる昔ながらのタイプで、壁の上には昭和初期の看板がずらりと並び、まるで太宰の生きてた時代にタイムスリップしたかのようだった。
数十円でそれぞれ売ってるシャンプーとリンス。チューブと中身が同じ色でビックリした
数十円でそれぞれ売ってるシャンプーとリンス。チューブと中身が同じ色でビックリした
こんな感じで甲府の旅は終了。

最後に立ち寄った風呂屋さんは、太宰と間違えた近所の方のお薦めということにしよう。

12箇所!周りすぎて駆け足紹介

総じていえば歴史ある場所めぐりと、どこに向かっても見える山の景色が印象的な街だった。

車があればワイナリーやいちご狩り、温泉郷なども周れたろうけど、小回りがきいて人に尋ねやすい自転車の旅はとても楽しかった。
お世話になった地元の方たちに感謝!
お世話になった地元の方たちに感謝!

最後に、、
先日記録的な大雪に見舞われた山梨含む多くの地域。その被害に対して心痛むとともに、一刻も早い復旧を願っています。
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