特集 2014年2月14日

ダムの活躍を讃える会を催したら大変なことになった

日本ダムアワード2013開催

今回の日本ダムアワードでは、時間の都合もあって選考部門を4つに絞った。その部門とは、もっとも印象的な放流を行った「放流賞」、もっとも印象的なイベントを開催した「イベント賞」、渇水に対してもっとも印象的な活躍をした「低水管理賞」、大雨に対してもっとも印象的な活躍をした「洪水調節賞」である。そして、ノミネートされたすべてのダムの中から、もっとも印象的な活躍をした「ダム大賞」を決めることにした。
こんなもっともらしいロゴも作ったりして
こんなもっともらしいロゴも作ったりして
こういう説明も、もう何年か前だったらちょっと何言ってるのか分からないです的な状況だったと思う。いや、今でも分かってもらえるのかは分からないけど、機は熟した、のだと自分に言い聞かせる。

ところで、こういったアワードにつきものなのが特徴的なトロフィーである。アカデミー賞のオスカー像や、ほかの映画賞でも金熊賞とか金獅子賞といった、その分野以外の人から見たら、それ、もらって嬉しいの、と言いたくなるモチーフが多い。というわけで、日本ダムアワードでもダムに因んだトロフィーとして、「金のクレストゲート像」というものを作った。
これが「金のクレストゲート像」だ!
これが「金のクレストゲート像」だ!
ダムの水門の形をしている
ダムの水門の形をしている
ダムのてっぺんにあるこの水門がモデル
ダムのてっぺんにあるこの水門がモデル
クレストゲートとはダムのてっぺんに設置された水門のことで、ダムを見たときにまずチェックする、ダムの写真を撮るときにピントを合わせる、多くのダムファンにとってダムの象徴とも言うべき場所である(たぶん)。製作は3DCADができるダムファンのひとりが設計し、詳細はよく分からないけどなんだかうまいことやってでき上がった、らしい。ファンが本気を出すとこうなる、という見本のようなすばらしい完成度である。

当日のダイジェスト

ではここで簡単に、イベント当日の様子をお伝えしよう。

まず放流賞は12ダムがノミネート。ノミネートと言っても、1年間に行われたすべてのダム放流をカバーなんてできないので、ダムファンの皆さんが撮った放流写真をかき集めて、珍しいものや迫力のあるものを選んだ。
こんな感じで写真を見ながらあーだこーだと
こんな感じで写真を見ながらあーだこーだと
その中で放流賞に選ばれたのは、水門の動作試験を兼ねながら、なんと6門あるクレストゲートを1門ずつ開け閉めして放流、最終的にすべての水門を一斉に開けて放流した、とてもファンサービス精神あふれる川治ダム(栃木県)。会場からも「これは行きたかったー」というため息あふれる貴重な放流シーンだった。僕も行きたかった!
放流賞は12ダムあったノミネートすべてに票が入っていた
放流賞は12ダムあったノミネートすべてに票が入っていた
続いてプレゼンが行われたイベント賞は5ダムがノミネート。ダムでイベントと聞いてもイメージが湧かないかも知れないけど、普段立ち入りできないダムの中や点検用通路などを見学できるイベントや建設中のダムの見学イベントのほか、一般の団体が企画した、ダムを使ったコスプレ撮影イベントなんてのもあってバラエティーに富んでいた。
ダム管理所公認で行われたコスプレイベント
ダム管理所公認で行われたコスプレイベント
その中でイベント賞に選ばれたのは、危険なため通行止めな場所以外はほぼ自由に好きなだけ観てまわることのできる、大解放DAYなるイベントを開催した小渋ダム(長野県)。通常、見学会は職員さんによる先導がついていて、ルートや時間が限られているのだけど、この日の小渋ダムはダムの上も下も中も、ほとんど自由に解放されていて、たとえば通常立ち入れない水門の真下に2、3時間佇んでダムを愛でる、といったことができたらしい(これも行けなかった)。平和な日本だからこそできるイベント、という気もするけどぜひ継続して、そしてほかのダムにも広がってほしい!
「この眺めを全て体験しよう。」とプレスリリースに書かれていたらしい
「この眺めを全て体験しよう。」とプレスリリースに書かれていたらしい
後半はぐっとアカデミックに、水を貯めたり流したりといった、ダムの実際のはたらきに対する部門で、まずは低水管理賞。名前は難しいけど、つまりダムに水を貯めておいて、日照り続きでも下流の飲み水や農業用の水が干上がらないように少しずつ流す、渇水と戦ったダムの部門だ。
グラフと数字で急にアカデミックなプレゼンに
グラフと数字で急にアカデミックなプレゼンに
ここでノミネートされた6ダムの中から受賞したのは、ほぼ毎年洪水や渇水と戦っている早明浦ダム(高知県)。四国のいのち、という異名もあるほどで、このダムがなかったら四国4県は干上がっていたかも知れない、という活躍がプレゼンされ、堂々の受賞となった。

最後のプレゼンは、ダムのはたらきの中でも派手で花形と言える洪水調節賞。大雨が降ったとき、下流の川があふれないようにコントロールする役割である。
何と言っても台風18号がすごかった
何と言っても台風18号がすごかった
例年と比べても多くの台風がやって来た中、受賞したのは限界プラスアルファまで水を貯め、下流にある京都の街の洪水被害を最小限に抑えた日吉ダム(京都府)。その活躍の模様はダム好きだけじゃない多くの人がリアルタイムにインターネットでシェアしていた。
プレゼン聞けば日吉ダムのはたらきを示すこのグラフがいかに凄いのかが分かる
プレゼン聞けば日吉ダムのはたらきを示すこのグラフがいかに凄いのかが分かる
最後に、この日ノミネートされプレゼンした全ダムの中から1ヶ所、もっとも記憶に残る活躍したと思われるダムに投票してもらい、ダム大賞を決定した。ちなみに各賞の集計は選考委員が別室で行い、結果の書かれた紙を封筒に入れて壇上に届け、わざわざ封筒をハサミで切って受賞ダムを読み上げる、という演出を入れたんだけど、実はこれが意外と緊張感を出した。
緊張の瞬間、さて日本ダムアワード2013ダム大賞は!?
緊張の瞬間、さて日本ダムアワード2013ダム大賞は!?
ダム大賞を受賞したのは洪水調節賞も獲得した日吉ダムだった。やっぱり効果が分かりやすい洪水調節、しかも過去十数年を見渡してもとびきり強力な台風相手の戦いが印象的だった。
がんばった、超がんばった日吉ダム
がんばった、超がんばった日吉ダム
というわけで日本ダムアワード2013は大盛り上がりのうちに幕を閉じた。初めてのイベントの割には大成功だったと言えるだろう。

でも、トロフィーを渡さなければイベントは終わらない。本来ならノミネートされたダムの関係者を招待して、その場で授与式、となるのだろうけど、なにしろファンイベントである。予算の都合でそこまではできなかった(呼ばれても困るだろう、とも思う)。そこで、直接届けに行くことにしたのだ。
直接お届けします!
直接お届けします!
そしたら、これが、大変なことになったのだ。
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