エントリーNo.1:歯磨き粉 ピュオーラ
その昔、歯磨き粉のチューブの蓋は小さくて自立せず、片手だと開けづらかった。かつ、残り少なくなってくるとチューブがくちゃくちゃになって出すのが難しかった。現在の歯磨き粉チューブはどうだろう。いつのまにかフタが大きくなって自分で立つようになり、半回転ぐらいで楽に開くようになり、フタを閉めるときだってワンプッシュでOK。残り少なくなっても、チューブ部分はぐちゃぐちゃにならず、しゃきっとしたまま。最後まで出しやすくなっている。確実に進化している。なのに、パッケージではそのことをことさら主張することなく、歯をいかに磨くかに集中しているところも素晴らしい。
歯磨き粉が、立った!
大きくなったフタ。
開けるのも閉めるのも簡単!
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
自立性 ★★★★
最後まで使いやすい ★★★★
合計得点 13
だいたいどういうことかおわかりいただけただろうか。
こんな調子でエントリーNo.10までまいります。
エントリーNo.2:S&B おろし生しょうが、おろし生にんにく
おろししょうが、にんにくはひとり暮らしの強い味方である。私はしょうが、にんにくが必要と書いてあるときはすりおろしだろうがみじん切りだろうがなんだろうが全部これを使っちゃう(こんなだから料理がうまくならない)。昔から慣れ親しんでいるパッケージだが、最近のおろししょうがはすごい。歯磨き粉同様、キャップが半回転ぐらいで一瞬で開く(すぐ開きキャップ)のに加え、キャップの手前部分がナミナミになっていて、最後までラクにしぼることができる(ラクしぼりチューブ)。じつは、もうひとつの有力メーカーのものを買ったら、工夫の度合いがS&Bの二歩手前ぐらいだったため、あらためてS&Bのすごさに頭がさがる思いであった。開けやすいのはS&B、と覚えていただきたい。
箱をうまく組み立てると、冷蔵庫の中に立てておけるケースになる。
すぐ開きキャップとラクしぼりチューブなのはS&Bだけ。
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
自立性 ★★★★★
最後まで使いやすい ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.3:きき湯
祖母の家の入浴剤はバスクリンだった。小さい頃、遊びに行くとでっかいパッケージがあって、ざざざっとお風呂に入れてくれた。そんなバスクリンが出した最近のヒット入浴剤がこれ、きき湯。名前のとおり、実によく効く感じがしてあったまるのもよいところだが、ここはまた例のごとく、パッケージの良さを褒めたたえたい。もはや、回転する必要もなくぱかっと開く四角く大きいキャップ。開け閉めにやみつきになる爽快さである。フタの内側はわかりやすい計量カップになっている。
俗にいう、リピというやつ。入浴剤はこれ一択である。
外装フィルムすらはがしやすい
四角いフタが使いやすい
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
閉めやすさ ★★★★★
計量しやすさ ★★★★★
合計得点 15
内蓋も大きくて手が濡れていても全く問題無し。他の容器に詰め替えずに使いたいナイスボトルである。
エントリーNo.4:キュキュット
一択買いという話なら、一人暮らしを始めてかなり早い段階で、台所洗剤はキュキュットに決めている。なにかと洗剤をもらいがちな実家からの物的支援を断ってすらのキュキュット一択。これまた名前通り、1度洗いでキュキュッと汚れが落ちちゃうところもイイのだが、すっきりしたパッケージもとても気に入っている。キャップを上にあげると出てくるギミックは台所洗剤の伝統だが、キュキュットのすぐれているところは、詰め替え時のことを考えた操作性にあらかじめなっているところだ。
スッキリしたボトル。オレンジの香りも素敵。
キャップのギミックは台所洗剤の伝統だが
フタの下の丸い部分にすべりどめがついていて、詰め替え時に小さな力で楽に開けることができる。
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
詰め替えしやすさ ★★★★★
いい匂い ★★★★★
合計得点 15
詰め替え時のこともしっかり考えてくれる、これぞ消費者目線の商品開発というものである。
エントリーNo.5:ポッキー&プリッツ
昔から変わらぬ味のポッキー&プリッツも、私が子どものときから考えたら、そのパッケージはじつに凄まじい進化を遂げた。昔は、箱についた切り取り線にとってびりびり開けたので、必ず開けた時点でゴミが出たものだが、いまの箱はゴミを出さずに開けた上に食べきれない場合はフタをぴたっと閉じておくことができる。なんということだろう。個包装の袋も、上下にぴりっと開ける形が定着した。買ってみてポッキーとプリッツの箱の形状にけっこう違いがあることに気づいたが、たぶん、同じ社内でも完全に別チームで、日々切磋琢磨しているのだろう。そうしてこそ生まれた良パッケージである。ありがとう。
ポッキーとプリッツって大きさからして違うんですね。
ぴりっとワンタッチで開くフタは、内側に入れるとぴたっと閉まるようになっている。
個包装の袋の開け方もかなり進化。
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
ぴたっと閉まる ★★★★★
おいしい ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.6:マッキーノック
油性ペンといえばマッキーである。子どもの頃から慣れ親しんでいるマッキーなのだが、久々に買ってみたらすごいのが出ていた。なんと、ノック式である。油性ペンなのにノック式。いや、べつにノック式じゃなくてもいいんだけど…と買ってみたらこれが便利であった。片手で書けちゃう。引っ越しの際などには大活躍のことであろう。
上をノックすると
下から出てくる!
進化ポイント
開けやすさ ★★★★★
途中で乾かない ★★★★★
おもしろい ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.7:プッシュ&クリーン
日本メーカーのパッケージ進化にかける情熱を中心にお届けしてきたが、ちょっと目先を変えて、海外から上陸してきた便利グッズのご紹介である。ジョンソンのスクラビングバブルシリーズの超新星、プッシュ&クリーン。これは我が家のお掃除事情をかなり変貌させた。その名の通り、容器上部を押すと、拭き取り不要の除菌洗剤が出てくるので、キッチンペーパーなどにプッシュして、そのまま拭き取り、ペーパーは捨てる。汚れが落ちやすかったり、洗いやすい台拭きを追求してきたのだが、そもそも洗う必要がない、これは目から鱗商品。使い捨てに抵抗があるひとは、キッチンペーパーではなくぼろ布を利用するとよい。キッチンから使い始めたが、便利すぎて部屋中のあらゆる場所をこれで掃除している。いい匂いがして気持ちがよい。
グローバル企業によってもたらされたお掃除の新常識
フタをくるっとまわして
そのままキッチンペーパーなどにプッシュするだけ。新しい。
進化ポイント
新しい ★★★★★
気持ちいい ★★★★★
いい匂い ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.8:トイレスタンプクリーナー
こちらはけっこう話題になった商品なのでご存知の方もいるかもしれないが、同じくスクラビングバブルシリーズのトイレスタンプクリーナーである。どうやって使うのかよくわからなかったが、買ってみたら「トイレに洗浄ジェルをスタンプする」機構がおもしろかった。同じ系列の商品だと、同じく置いたり吊るしたりして洗浄剤が洗うたびに出てくるブルーレットシリーズになるが、スクラビングバブルが抜きん出ているのは無色透明のジェル、というさりげなさと、この「スタンプする」感覚のおもしろさ、なんじゃないだろうか。
どういうことかちょっとわからない外観であるが、やってみるとおもしろい。
進化ポイント
新しい ★★★★
気持ちいい ★★★★★
おもしろい ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.9:まめピカ
トイレのおそうじシリーズ、もうひとつは日本の大手メーカー、ライオンの出しているまめピカ。まめピカの大きな特徴は、トイレットペーパーがボロボロにならないというところで、これを使い始めてからトイレ用の洗浄シートは不要になった。さらに使い始めてから、これはいいなぁと思ったのは、容器のサイズが絶妙で、かわいいことと、青リンゴの匂いがトイレっぽくなくて新鮮で楽しい、というところだ。トイレといったらキンモクセイとかラベンダーとか、けっこう強めの香りのイメージだったが、じつにさわやかですがすがしい。
パッケージがかわいい、というアドバンテージ。
細かい部分も進化が続く。
詰め替え用も出たので、「ここまできたら詰め替えられる」というつめかえラインがついている。日本メーカーらしい気配り。
進化ポイント
気持ちいい ★★★★★
かわいい ★★★★★
いい匂い ★★★★★
合計得点 15
エントリーNo.10 超コンパクト洗剤 ハイジア
トップの出している液体の衣類用洗剤。粉末タイプより扱いやすいので、前々から液体を使うようにしていたのだが、ここ最近、それがいきなり小さくなった。どういうこと?と思っていたのだが、入れる量が、ものすごく少なくてよくなったのである。従来比の1/2程度。これは、収納の少ないひとり暮らしにもとても嬉しい進化。これを見るまで、誰が「衣類用洗剤、もっと小さくなったらいいのになぁ」と考えたことがあっただろうか。あのスティーブ・ジョブズの有名な言葉に、「人は形にして見せてもらうまで自分は何が欲しいのかわからないものだ」というものがあるが、iPhoneを見たときと同様に、超コンパクト洗剤を見たときには感動した。
小さい、というアドバンテージ。
実家からもらったふつうの洗剤が、右側。同じ回数分でこの大きさの違いである。
フタも、滑り止めがついていて開けやすく、かつどんなことがあっても液漏れしないような構造になってる。すごい。
進化ポイント
小さい ★★★★★
開けやすい ★★★★★
液漏れしない ★★★★★
合計得点 15
いちおうランキング
途中からほとんど合計得点が15になってしまったが、個人的偏見からランキングにしたいとおもう。
進化ベスト1 おろし生姜&にんにく
進化ベスト2 超コンパクト洗剤
進化ベスト3 ポッキー&プリッツ
「慣れ親しんでいたあいつが、いつのまにかすごく進化してた順」だ。
まったく新しい視点からなにかを作るのはもちろんすごいことだけど、誰もそんなに気にしていないような細かい部分に気をくばってどんどん進化させてしまうのは、日本メーカーの素晴らしさだと思う。
2014年は私もそういうひとになりたい。