全く新しいお年玉袋5種
そんなわけで、ひれくれもの揃いのライターたちが、一風変わったトリッキーなお年玉袋を考えました。動くものから「それ気分だろ」みたいなものまで、全5種類。
中にはダウンロードして実際に使っていただけるものもありますので、ぜひご利用ください。親戚の子供をギャフンと言わせすチャンス!(そのために数千~一万円かかりますが)
一度この記事を読んでしまえば、普通のお年玉袋がただの派手な封筒に見えてきますよ。
お年玉袋と手を、なんと一体化!
お年玉を誰かにあげるときの「袋をカバンから出し、手で持ち、そして渡す」……という一連の動作に煩わしさを感じることはないだろうか。
渡すまでの間に袋を落としたらどうしよう!! と思うこともあるかもしれない。
そんな人のための、お年玉袋を手に装着できるアイテムを考えてみた。
お年玉袋柄の手袋をつくる
手に装着できるお年玉袋……というか、お年玉袋柄の手袋を作ってみたい。
今回は既製品の白い手袋を買ってきて、それをリメイクすることにした。
この白い既製手袋を
こんな柄にしてみよう
お年玉袋って色々バリエーションがあるけど、今回はこの手の定番の祝儀袋っぽい装いにしたい。
編んだり縫いつけたり……
文字を刺繍
土台となる手袋に、毛糸で編んだパーツを縫いつけたり、刺繍をしたり。
そして出来たのがコレだ!
お年玉袋が手袋になった、「お年玉手袋」!
装着!
普通の手袋をはめるときの感触となんら変わりなくお年玉袋を装着することができた。文字は歪んでしまったが……。
お年玉を誰かに渡すときはこうすればいい。
ゴソゴソゴソ……
ズズズズズズ……
出てきた……!!
はい、お年玉。
うーん、これだとさすがに失礼か。
……という場合には、手袋ごと渡してしまえばいいと思う。
現金入り手袋を渡す
誤って手袋をはさみで切った
無事完成したお年玉手袋だが、実は裏に穴が開いている。なぜなら作業途中に誤ってハサミで切ったから……。
このままお年玉手袋に小銭でも入れようもんならバラバラ落ちてしまう。正月早々縁起がよくない気もするが、今年は注意深く生きろよという手袋からの警告だと思うことにしよう。
プロトタイプではなくてこれ、完成品です
編集部の石川さんからお年玉袋を作って欲しいと言われたので作ることにした。
以前、メカで目が白黒するダルマを作ったことがあったので、これを参考にしよう。
ウェブマスターの林さんによる記事でメカダルマのおさらいをしておいてほしい。
「
電動ダルマを作る」
さて、既にメカダルマについて理解している前提で、話を前に進めよう。ちょっとした機構を付けて、黒目になったり白目になったりするダルマをあしらったお年玉袋を作って、中に入っているお金の期待感を表現できたらいいな、と思う。
しかし、どんな仕組みで。
電動で自動的に動くものも考えたが、大きくなってしまいそうなので却下。ここはシンプルなメカで手動で動かすことにしよう。
構造を考えてうんうんうなる。
昔のカード型ラジオのようなダイヤル式を試すことにした。
部品の配置を考えている場面
さて、仕組みが決まったので部品を作るのだが、今回はだれでも作ってみることができるように、身近な素材のみを使うことにした。
材料は厚紙(ボール紙)と綿棒、あと写真には写っていないが輪ゴムを1本。
関係無いですが、ボール紙って名前の由来ってboard(板)紙なんですね知らなかった。
丸く切った部品は重ねてプーリーとなる。
綿棒はシャフトになる。(近頃の綿棒は軸がプラ製になっていたりして意外と頑丈だ)
四角い紙は部品の乗るシャーシーだ。
切れた部品を並べて満足した
重ねて接着する。厚紙の接着は木工用ボンドでオーケー。両面テープは便利なのだが、はみ出たところがいつまでもベタベタしているので機構部品を作るときにはかえって不便なこともある。
綺麗に接着できて満足した
はい次の工程。
重ねた円盤に穴を開ける。綿棒の軸がすいすい通るくらいの大きさに。
ドリルとか使うとはかどる。
綿棒が刺さった ばっちりだ
出来上がった部品をシャーシーに取り付ける。
なんせ厚紙なのでよれよれしてくるけれどもあまり気にせず。
組み上がったようす
なんやかんやでこういう構造のものが出来上がった。
2つの車輪は輪ゴムでつながっているのでゆるゆる連動するようにした。こんな感じ。
軸はエポキシ系接着剤という超強力なやつで固定している。
これにお年玉袋の外装部分を作って絵を描けば出来上がりだ。
回転する部分で力を使い果たしてしまい絵がひどいことに
伝達に輪ゴムを使ったせいで、ぐにゃぐにゃ動いて若干気持ちが悪いが、有機的、生物的な印象とも言える。前向きに行こう。
お正月といえばダルマ!というのは私が高崎市出身だからで、高崎では年始にだるま市があったり、去年のダルマを神社に納めたりといろいろイベントがあったりするからなのだが、一般的にはそういうイメージはないのかもしれない。
今年は午年なのだから馬の何かを作ればよかった。ぐんまちゃんの目が白黒するとか。
※こちらからこのお年玉袋の型紙がダウンロードできます
>>> ダウンロード <<<
最後にお年玉を楽しみに思ったのは、いつのことだっただろう。
親戚にもらったお年玉を全部ひとつに集めて、千円札でパンパンになったお年玉袋を握り締めてゲーム屋に行ったあの日。懐かしんでも、あの頃はもう戻ってこない。僕たちは大人になってしまったのだ。
そう、いまや我々はお年玉をあげる立場なのである。そこにはワクワクもドキドキもなく、ただ財布の中身だけが減っていく。このままでいいのだろうか。我々は子供からの一方的な搾取に対して、立ち上がらねばならない!(一方的に搾取していた自分の子供のころのことは忘れたことにして)
大人もうれしいカスタムお年玉袋
というわけで、子供だけでなく大人もうれしいお年玉袋を作ることにしよう。もちろん最終的には、子供にお年玉をあげるための袋であることには変わりない。ただ、その過程で、大人もひと喜びあってもいいのではないか。
今回は紙面が短いため、まずは作り方を手短にご紹介する。
材料は市販のお年玉袋を使用。子供に渡した際に大人向けお年玉袋であることを悟られないため、できるだけかわいい柄のものを購入
いきなり切込みを入れます。
裏面にこんな感じで1cm幅くらいのスリットをつくり
端っこで切断
同じ要領でもう一枚、今度は表側にスリットを入れる
そして部品がもうひとつ。何でもいいから紙を用意する
お年玉袋の幅より少し小さいくらいの幅で、四角く切ります。長さは適当でOK
お年玉袋の中に入るかどうか確認してください
横から見ると「Z」の文字になるように折る
はさみで切り込みを入れます
そしてお年玉袋のスリットにはめる。「Z」の向きに注意
「Z」のあまった方を、もうひとつのお年玉袋のスリットにはめる。2枚のお年玉袋は、上下が逆になります
2枚のお年玉袋を両面テープで止めて、
1枚みたいになったらほぼ完成
最後の仕上げ
一万円札を用意します
4つに折って、
さっき作ったお年玉袋の底側から入れます
入れるとき、お札のふちを「Z」に引っ掛けてください
入ったところ
大人もうれしいお年玉袋、完成!
使ってみる
。
正月に兄貴の子供が来るんだって。まだ小さいしお年玉3千円くらいでいいかな…
3千円あったらアルバム1枚買えるよなー。輸入版なら2枚……
まあでもしょうがないか…………
大人って損だよなー。お年玉袋に三千円入れて、と……
………って、アレ!?!?!?!
3千円入れて1万円ゲット!!7千円も得した!!
お金を入れるとお金が出てくる、夢のお年玉袋の登場である。
これならいくらでもお年玉をあげたい!このお年玉袋で世界中の子供たちにお年玉をあげたい!今ネットでしらべたところでは世界中に子供は22億人ほどいるそうで、全員にお年玉をあげれば15兆4千億万の儲けだ。すごいぞ!
現金はちょっと…
ただ、こういう場面で剥き出しの現金が登場するのに抵抗のある方もいるだろう。たしかにこのままでは人間の欲望に忠実すぎて、行儀がよくない気がする。
では、こういうのはどうだろう。
お年玉袋に三千円入れて、と……って、アレ!?!?!?!
ビール券だ。直接現金を扱う生々しさを避け、贈答品的な上品さのもとに、得をすることが出来た。本が好きな方は図書券、ご飯が好きな方はお米券など、応用が利かせられるのも憎い。
差し引き…
そもそも現金にしても金券にしても、自分で入れなきゃいけないのがこのお年玉袋の最大の欠点である。
さっき「3千円入れて1万円ゲット!!7千円も得した!!」と書いたけど、その前に自腹で1万円入れてるのだ。プラスなわけない。マイナス3千円に決まっている。22億人にあげたら6兆6千億円の赤字である。
この状況を打開するため、こんなアレンジはどうだろうか。
お年玉袋に三千円入れて、と……って、アレ!?!?!?!
年末ジャンボ宝くじだ。
一等前後賞あわせて7億円。1等だけでも実に5億円である。しかも最初に入れる宝くじ券は、300で購入可能。(-300)+(-3000)+5億。4億9999万6700円プラスだ。
まあ一等は確率的にさすがに机上の空論だが、もしこれが3等の3000円だったとしても、お年玉の収支はくじ代のマイナス300円だけで済む。経済的!
お年玉だって夢を買ってるのだ
…なんて、当たる前提の話は何を言っても説得力がないが、しかしここには重大なヒントが隠されている。
たとえばこう考えてはどうだろう。大金に化けるかもしれない宝くじを300円で買うのは、将来に対する投資である。ひるがえってお年玉。日本の将来を担う子供にお金をあげるのも、結局は将来に対する投資なのではないか。
どちらも「夢を買っている」ことには変わりないのだ。お正月、日本の将来のために、あなたも夢を買ってみてはいかがだろうか。
※この原稿では「強引なきれいごとオチ」という新ジャンルを提唱しています
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日々、有益なエスカレーター情報に巡り会うべく、「エスカレーター」というキーワードで夜な夜なネットサーフィンに興じる私であるが、困るのは、しばしば「エスカレーター式○○」が検索結果に紛れ込んでくることだ。エスカレーターよりもエスカレーター式の人生のほうへと人々の興味関心の向くのは致し方ないことだ。が、今回は、その意趣返しといきたい。
エスカレーター式お年玉袋タイプA シンメトリーの美
エスカレーター式お年玉、その響きは甘い。後から後から1万円札が出てくるとか、自動的に金額がどんどんあがっていくとか。
新年早々、そんな甘い夢を打ち砕く、私の作ったエスカレーター式お年玉袋がこちら。
左下は、本来、「今年もよろしく」とか「迎春」とか書くところだが
要するに、こういうことである。
ちょっと景気がいいような気もするが、お札がしわしわになっちゃってだいぶ嫌だ。
うむ。エスカレーターというか階段だ。しかしエスカレーター偏愛家の目にはエスカレーターに見えているので仕方ない。
モデルは、こういう上下シンメトリータイプ。
一般の人々には、これをエスカレーターと思えというのは、ちょっと難易度が高かったかと思う。次に行ってみよう。
エスカレーターお年玉袋タイプB エスカレーターX
ペーパークラフトの時点でも思うが、段になったこれを、ぐるぐる回転させるなんて無理だ。階段が段状のまま回転して戻ってくるなんて、常人の考えることではない。シーバーガーさんには感謝である(踏み段式エスカレーターを最初に実用化にこぎつけたひと)。段ボールで四苦八苦して作ったこともあるのだが(
この記事)、じつのところあれには2ヶ月かかった。今回は、動かないまでも、エスカレーターをエスカレーターたらしめている特徴をとらえていきたいとおもう。
それがこれだ。
お札というのは規格が決まっているので、やはり規格の決まっているエスカレーターを表現するには向いている。ような気がする。
モデルはこれ。いつ見てもうっとりする美しさ。
階段とエスカレーターの重要な違いのひとつは、エスカレーターには上下があるということだ。このように、上下がクロスしている状態のエスカレーターをエスカレーターXと呼んで私は愛でている。階段でこのようにX型になっているものは、ほぼない。エスカレーターにしか表現できない美しさなのである。
ポジティブに考えれば、再現できてる、と思う。
エスカレーターお年玉袋タイプC トリプルクロス
さらに。ある時期のデパートでは、お客様を少しもお待たせすることのないよう、上下にクロスしたエスカレーターを、さらに重ねてダブルクロスとし、どちらの側からも上、下へといけるようにと工夫した。さらにそれを、トリプルクロスにしてしまったのが、そごうである。
そごうの象徴、といわれるトリプルクロスエスカレーター
というわけで最後は、トリプルクロスエスカレーター、を作りたいと思ったのだ。
どこからでものぼれる。ある時代を象徴するエスカレーターだ。
すごく似てる!と思ったのだが、よく考えたら、トリプルクロスは6基のエスカレーターが上下にクロスしてるのだった。写真で見比べるまで気づいていなかった。あれ。
おまけです
どうも、四六時中エスカレーターのことを考えてる者にしかわかりにくいものを作ってしまった。印刷して使えるお年玉袋には、普通にかわいく、シンメトリー、エスカレーターX、トリプルクロスのエスカレーターそれぞれをあしらっておきました。
今年も1年、エスカレーターに乗った気分でゆきましょう。
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