特集 2013年12月28日

上海の昭和レトロ的スポットは贅沢盛り

上海は新しいだけではなかった
上海は新しいだけではなかった
日本だと昭和レトロを再現したショップとか博物館はあるけど、中国にはないのか。あるなら行ってみたいと中国にいる日本人に聞いてみたら、上海にいくつもあるという。

行ってみたら、その昭和レトロ的スポットはとてもよくて、日本と違う味があった。

多分東京オリンピックの時に外国人が来て、こんな感じのを見たら喜ぶだろうなと思った。なんたってでかい。広場もでかけりゃレトロもでかい。
変なモノ好きで、比較文化にこだわる2人組(1号&2号)旅行ライターユニット。中国の面白可笑しいものばかりを集めて本にした「 中国の変-現代中国路上考現学 」(バジリコ刊)が発売中。

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リアルすぎる東方明珠塔の地下

近未来な東方明珠塔。真下から見ても近未来感!
近未来な東方明珠塔。真下から見ても近未来感!
上海のランドマーク「東方明珠塔」。この展望台に行くには値段が高いし、エレベーターに乗るにはとても並んで時間がかかる。下に行くにも入場切符が必要だけど、とっておきの切符が塔の地下にあるレトロ博物館。これを買えば下までいけるし、エレベーター待ちの行列を横目に、スルスルっと博物館に行ける。

で、この博物館がオマケ的な存在なのに、めちゃめちゃでかい。近代の文明開化のころの上海が再現されているかと思ったら、明の時代からはじまり、延々と通路が続き、いろんな時代の上海が見られるのだ。

中国が明(1368年 - 1644年)だった頃って相当前だ。足利氏の室町幕府の頃だ。これが近代と一緒に展示されているのだから、歴史感覚が違う。
当時の路面列車や車があり、ああレトロだなあと思いきや。
当時の路面列車や車があり、ああレトロだなあと思いきや。
ラーメンマンな弁髪の清の時代、さらにその前の明時代も。
ラーメンマンな弁髪の清の時代、さらにその前の明時代も。
黒船がやってきて条約を結ぶ。日本の江戸時代末期の雰囲気とデジャブ
黒船がやってきて条約を結ぶ。日本の江戸時代末期の雰囲気とデジャブ
そして中国も西洋化。うーん、なんか他人事ではない感じ
そして中国も西洋化。うーん、なんか他人事ではない感じ
さらに時間が経ち、上海に租界ができ、日本円の両替商も登場
さらに時間が経ち、上海に租界ができ、日本円の両替商も登場

黒歴史も見せる

中国というと、なんかいいイメージのコトやモノばかりを表に出してそうなイメージがあるけれど、黒歴史っぽいのも堂々と見せている。外国人からすると、いろんな面が見えていい。

博物館はテーマに沿っていい面も悪い面も両方みせたほうがいい。恥ずかしがっちゃいけないのだきっと。
「花煙間」と呼ばれるアヘン屋でアヘン漬けとなった人
「花煙間」と呼ばれるアヘン屋でアヘン漬けとなった人
西洋化される中で特に貧しかったバラック住まいの人々の暮らし
西洋化される中で特に貧しかったバラック住まいの人々の暮らし
途中には記念バッチ作成機が。ここでも日本とデジャブ感
途中には記念バッチ作成機が。ここでも日本とデジャブ感

やっぱりマイペース

さて上で紹介した東方明球塔のほかにも、上海のど真ん中「人民広場」の地下ショッピングセンターにもレトロがあるという。そこでは当時のような建物が並び、写真がちりばめられていた。

見た目の雰囲気が変わろうが、そこではレトロを意識しない女性向けのアクセサリー屋やスマホのケース屋や靴屋がマイペースでガンガン音を鳴らす。

一方でそんなことをも気にせず、一眼レフを構えてレトロな感じを撮る女子カメラマンもいる。構えるんでときどき通行人の邪魔になったりするけれど、そこはマイペース。

レトロな感じが台無しともいえるけど、そのギャップを楽しみたい「カオス」「マイペース」にアンテナが立つアジアファンはお勧め。
地下のショッピングセンターの一角が日本でもありそうなレトロな雰囲気に
地下のショッピングセンターの一角が日本でもありそうなレトロな雰囲気に
人を浮かした大きな写真で雰囲気は出るはずだが
人を浮かした大きな写真で雰囲気は出るはずだが
現在のいつもどおりの生活がそこに息づいていた
現在のいつもどおりの生活がそこに息づいていた

超巨大ジオラマに脱帽

このちょいレトロな地下ショッピングセンターの上には上海の都市計画を示した「上海都市計画展示館」という博物館がある。レトロ成分はちょっとだけで、後は環境対策など近い将来の上海図の紹介がメインだけど、それ以上に目玉となる展示物があるという。

入口すぐには上海のキンキラオブジェがお出迎え
入口すぐには上海のキンキラオブジェがお出迎え
向こう側の人がとても遠くに見える超巨大な上海の模型!しかも結構忠実に再現!
向こう側の人がとても遠くに見える超巨大な上海の模型!しかも結構忠実に再現!
人海戦術ならぬビル海戦術に誰もが圧倒されてしまう。ズルいくらい大きいんだもの
人海戦術ならぬビル海戦術に誰もが圧倒されてしまう。ズルいくらい大きいんだもの

でかいことはいいことだ

ラーメン二郎のラーメンを食べきることができないのに、食べにいこうと思いつく。ピエリ守山の巨大な空間に感嘆が漏れる。僕は大きな人を見るとつい見とれてしまう。バスケットボールやバレーボールの選手からみれば、きっと身長2mの人を見ても僕らほど驚かないだろう。

僕は、いや僕らは、巨大なモノにあまりに慣れていないから、ドキドキし感動し、飲まれてしまう。昭和レトロを見ようと巡ったら、サイズの巨大さに飲み込まれてしまった。僕らだけではない。そこにいた外国人客もみな飲み込まれていた。

東京オリンピック前に、担当する各企業がとんでもなく大きな何かを作る。それだけできっとビッグサプライズ。

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