今一度、深夜の羽田空港へ
以前に見た羽田空港の夜景を懐かしく思った私は、その現状を確認すべく、終電近くの電車に乗って羽田空港へと向かった。
羽田空港の駐車場は、二つある国内線のターミナルに挟まれる形で建っている。その数は全部で四棟。前に夜景を見たのはどの駐車場だったのか、すっかり忘れてしまったが、まぁ、とりあえず、そのどれかに行けば良いだろう。
終電近くの羽田空港国内線ターミナル駅は人もまばら
グラソーのビタミンウォーターが自販機で買えるあたり、なんとも空港っぽい
私が羽田空港に到着したのは23時半頃。できれば以前に来た時と同じ条件にしたいので、午前2時まで待つ事にした。
がっつり暖房が効いたターミナル内で時間を潰そうと思い、到着ロビーの椅子に座ってビタミンウォーターを飲んでいたのだが、程無くして警備員がやってきて、「そろそろターミナルを閉めますので……」と追い出されてしまった。
どうやら羽田空港の国内線ターミナルは、24時に閉鎖となるらしい。羽田空港は24時間営業だと思い込んでいただけに、ちょっと面食らってしまった。
しょうがないので、いささか時間が早いが、駐車場へと移動する事にした
ターミナルビルから連絡通路を渡って、駐車場の建物へ
駐車場の建物は24時間開放されているので、ここのベンチで待機
さーて、そろそろ夜景を見に行きますか
ロビー的なスペースから自動ドアを潜って駐車場に出る。至って普通の駐車場ではあるのだが、規模が大きいので建物自身もなかなか魅力的、かつ見ごたえがある。
一棟につき7フロア(2300台以上収容可能)と、広大な駐車場である
吹き抜けを構成する鉄筋の直線が美しい
スロープ部分はより迫力が増すカンジ
さて、今回の主題は駐車場から見る羽田空港の夜景である。
午前2時という時間は飛行機の発着が無く、駐車場を行き来する車は皆無。辺りはひっそりと静まり返っているのにも関わらず、駐車場のライトは煌々と輝いていており、不思議な感じだ。
しかしその駐車場のライトこそが、羽田の夜景をより美しく見せているのである。
向こう側に見えるのは第四駐車場
輝くライトに浮かぶ、何台もの車のシルエット
首都高を挟んだその対岸には、第一、第二駐車場が見える
高速道路のライティングも素敵だが、それ以上に煌めく駐車場
団地やマンションの夜景に近いが、より輝きが強く、奥行きも感じられる
場所によって濃淡があり、均一な光量じゃないのもグッド
どうだろうか。羽田空港の建物や道路は左右対称で均衡が取れており、その夜景もまた整った美しさである。
東京タワーなどから見る街の夜景は、まばらな光りが辺り一面に広がる不均等な夜景であるが、こちらはそれとは趣が違う。
どちらかと言うと、意図的にデザインされた西洋庭園のような、幾何学的な美しさなのではないかと思う。
ターミナルビルの北側は、ちょっとしたジャンクションのようになっている
入り組む道路も魅力的だが、個人的には等間隔で直立する電柱が好きだ
部分的ではあるが、飛行機が停まっているエプロンも見える
夜中に来るのであれば、自動車が必須かも
とまぁ、こんな感じで羽田空港の夜景を十分堪能する事ができた。それは以前に来た時と変わりなく美しいものであったが、ただ今回はアクセスが電車である。
羽田空港の国内線ターミナルビルが開くのは朝の5時なので、それまで駐車場のロビーで待っていなければならないのだ。
さくっと夜景を見て、さくっと帰りたいのであれば、まだ電車のある時間帯か、あるいは車で来るのが良いのでしょうな。