水戸駅から徒歩3分のタバコ屋さんへ
その八の字眉毛(の模様)の猫は水戸駅からすぐ近くのタバコ屋さんで招き猫として「アルバイト」している。
正社員ではないため、行けば必ず会えるという訳ではないし、お店の中のいつもの場所で休憩している(寝てる)事が多いらしい。
この日は飼い主さんと連絡を取っていたため、バッチリ会う事ができた。
タバコ屋さんの目印はいきなり現れる東照宮の鳥居
最初はタバコ屋さんで飼っているのかと思っていたのだけど、飼い主さんは別にいて、平日の昼から18時過ぎまでこちらのタバコ屋さんに預けられているのだという。
いた!いつも休憩しているという機械の上からこっちに来てもらう
その名も「ハチ」。2歳半の女の子で、好きなのはカリカリ
太い筆で書いたような見事な八の字眉だ。「トメとハライがしっかりあるでしょ」と飼い主さん
真っ白い毛並みに、黒い八の字がよく際立つ。神様のイタズラかのようだ。
ところで猫ってこんなに触らせてくれるものなの?
ふだん野良猫しか出会わない私には新鮮に感じるほどたくさん触らせてくれるハチ。
ああ可愛い。癒される~
そうこうしてる間に群がる人々
写真集やグッズが出るほどの人気者
ハチがお店の前に現れたとたん、道行く人の足が止まった。 みんなが「ハチ~」と目尻を垂らしながら寄ってきて今がチャンスとばかりに写真を撮り始める。
ハチを知らなかった人もいるようだが、あの太い眉毛を見たら足を止めずにはいられない。一見困り顔に見えるその表情がとても可愛いのだ。
私がその人気ぶりを一歩引いて眺めていると、知らないおじさんが「ハイ」といって私にカメラを差し出してきた。
いつの間にか撮影係である。
いつの間にか撮影係。ハチを見れただけでもラッキーなのだ
店から当たりくじが出たり競馬で勝ったり
こちらのタバコ屋さんでは宝くじも売られているのだが、ハチがアルバイトに来るようになってから500万の当たりクジが出たという。凄いぞハチ!
ほかにも、縁起かつぎに受験や就職の合格祈願に来る人もいるのだそう。
このハチの名刺を持っていた人が競馬で当てたという情報も。私も常に持ち歩くことにしよう
本題:八の字をお借りする
さて今回、そんな幸運の招き猫であるハチの八の字眉をお借りし、自分の名前を縁起よくしに来たわけである。
突如始まった撮影会がひと段落したあと、自分の名前の八の字以外を書いた透明の下敷きをかざし、ハチに近づいた。
縦の棒線がハチの眉間にうまくハマりさえすれば完成である。
それでは失礼いたしまして…
お!
おお、なんとなくできた!(ビニールが反射してしまってるのが悔やまれる)
目がちょっと怖いけど立派な筆づかい
字を間違えた時などに交換できるようにと下敷きにビニールをかぶせていたのだが、それが反射してるのが惜しい。
しかし無事、自分の名前を縁起よくさせることに成功した。私のマジックで書いた細くて頼りない字に対して、どっしりとした力強い八の字。小さいという字をこんなに大きく感じるのは初めてかもしれない。とても嬉しく、光栄である。
ハチがハムに
もう一つ、「ハム」の字にも協力してもらった。
振り向くとハム
ハムというか「公」の字になってしまったが、
ハム係長みたいでこれはこれで可愛い。
残り物には福がある
そのあと、ハチが生まれたのは2011年の震災直後だったという話を聞いた。
当時この辺りの被害は大きく、3か月も駅が機能しないほどだったそうだ。そんな誰もが余裕の無い中では、猫の貰い手がなかなかつかず…。最後まで残ったハチを飼い主の前田さんが引き取ったのだという。
小さい時のハチ。最後まで残ってしまったそうだが、その後みんなを笑顔にする水戸の人気者となった
飼い主の前田さんとハチ。眉毛があると表情豊かに見えるね
子供からお年寄まで、道行く人々を笑顔にして、皆からも愛されるハチ。それはとても素敵な光景だった。
「八」という数字は昔から縁起が良いと言われているけど、八の字眉も幸運を呼ぶのだ。これから八の字眉メイクが来る!かもしれない。
その場でやってみたスクラッチは残念ながらハズレ。きっと違うことでいい事があるのだ
名前を書くたびハチを思い出しそう
今まで自分の名前の「小」という字はこじんまりとした控えめな印象しかなかったけど、今回の企画で縁起の良い八の字が隠れてる事に気づいてちょっと嬉しかった。
これから自分の名前を書く時は、ハチの立派なトメとハライを思い出しながら書くことにしよう。なにかいい事があるかもしれない。というか、困り顔を思い出して笑ってしまいそうだ。