コラボ企画 2013年9月23日

無料で「ヒント」をもらえる店

左が正規品、右が捏造品
左が正規品、右が捏造品
お店と言えば普通は品物を買いに行くところだが、商品以外の何かが並んでいる店もある。例えば東急ハンズの場合、それは「ヒント」だ。

店に行くと、様々なヒントをもらえるらしい。しかも、無料なのだ。

わかりやすくまとめられた、生活を豊かにするヒントたち。感心してそれらを読んでいるうちに、豊かさとは違った方向のヒントを作りたくなってきた。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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あさってのクリエイティブを探せ

「ヒント」がもらえると聞いてやってきたのは、東急ハンズ新宿店。他の各店舗でもヒントは無料でもらえるのだが、今回は売場面積が最も広いということもあり、新宿店を訪れた。
ヒント詰まってそうな建物
ヒント詰まってそうな建物
何気ないスナップも気が利いて見える
何気ないスナップも気が利いて見える
売場に「なんだこれ?」とか「こんなのあるんだ!」と、うならされる品物が多い東急ハンズ。アイデアやセンスが光る商品が並ぶ店内は、確かにヒントに満ちている。

そして、それとは別に、むき出しのヒントとでも言うべきものも並んでいる。
読むと頭が良くなりそうな雰囲気
読むと頭が良くなりそうな雰囲気
それが「ヒント・ファイル」だ。日常生活ですぐ役立ちそうな知識や技術が、見開きの紙にまとめられている。
しかも量が多い
しかも量が多い
各店舗には「HINT FILE 100」と題された専用ラックが設置されていて、そこから自由に持って行ってよいことになっているのだ。

ご覧の通り、ヒントは結構な大盛りで、とても覚え切れそうにない。いや、紙にまとめてくれてあるから、覚えなくていいのだ。
マスターしておくといつか役立ちそう
マスターしておくといつか役立ちそう
並べてみるとわかるが、テーマは多岐に渡る。生活の中で日常的にするわけではないけれど、たまに必要に迫られて「これ、どうすんだっけ?」となりそうなものも多い。そこでサッと開けばいいわけだ。
タオルソムリエが監修
タオルソムリエが監修
タオルの歴史なんて考えたことなかった
タオルの歴史なんて考えたことなかった
例として「タオルの種類と豆知識」を見てみよう。表紙によると、タオルソムリエという資格を取得したハンズ従業員が作ったものらしい。

「タオルの歴史」によると、石器時代のスイス湖畔にある住居跡で見つかった織物をタオルの原型とするのが一般的とのこと。毎日使ってるタオルも、石器時代までさかのぼって考えるとロマンが漂ってくる。
自分にあったタオルもわかる
自分にあったタオルもわかる
質問に答えると自分にふさわしいタオルがわかるチャートもある。個人的には最初の「厚手のタオルでごしごし拭きたい」にYESと答え、「普通糸タオル」とあっさり終わってしまった。少しさみしく思いつつ、普通が一番と自分に言って聞かせてみる。
すでにヒント考えてそうな構え
すでにヒント考えてそうな構え
販売促進の内田さんにヒント・ファイルについて話をうかがった。もともとは各店舗が独自に作っていたものを、数年前から全社的にまとめて現在の形にしたとのことだ。

店ごとの知恵が集まってできたヒント・ファイル。しかし、ヒントはここに留まらず、ハンズ店内にまだまだあふれているのではないか。
ヒントで押してくる売場
ヒントで押してくる売場
新手のヒントを探せ
新手のヒントを探せ
「ヒント」はハンズ全体でのキーワードで、売場でも商品の説明としてそれが添えられている。これを読んでスイッチが入り、購入に至る場合もありそうだ。

いろいろなヒントを見ているうちに、自分でも作りたくなってきた。何かいいヒント、ないだろうか。
仮面舞踏会のオファーも安心
仮面舞踏会のオファーも安心
売場で気になったのはベネチアンマスク。品揃えがかなり豊富で、100人規模の仮面舞踏会の急な開催にも対応だ。
情感がにじむ商品名
情感がにじむ商品名
レンズのくもり止めの名前は「ヌレテール」。

普通に面白いな、東急ハンズ。楽しい商品につい気を取られがちだが、オリジナルのヒントを見つけたい。

ふざける方はまかせとけ

新しいヒントを探すべく店内を探していると、なんとなく気になるものが目に入る。
仕事できそう感が漂う
仕事できそう感が漂う
分厚い洋書まであるのか?
分厚い洋書まであるのか?
例えば、いかにも仕事がはかどりそうなイス。見ただけでそこに座ってバリバリ仕事をこなすイメージが膨らんでくる。インテリアコーナーではなぜだかとても厚い洋書まで品揃えしてあった。

これらを見て浮かんだことを、ヒント・ファイルにまとめてみよう。
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「賢そうに見せよう」である。本家ヒント・ファイルのように真っ向からのスマートな勝負は得意でないが、ズルならすぐに思い浮かぶ。
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ハンズの店頭には、知的な部分を刺激するものが多々並んでいる。そういうものに対する自分の中の負けたくなさが生んだヒントだ。

目的設定の妥当性はともかく、「賢そうに見せよう」という表面上の目的は果たしていると思う。

ヒント探しの参考にするために、他の人が考えたヒントも知りたい。今回は編集部の安藤さんもヒント探しに同行してくれた。
大丈夫かな
大丈夫かな
なんか心配だな
なんか心配だな
ヒント探しを依頼したものの、安藤さんは売場の斧や大蛇を手に取ってごきげんでいるばかり。このまま野生が覚醒してしまわないか心配になる。

後日、安藤さんから届いたヒント案は、こんなものだった。
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テーマは「長生き」。ざっくりしてる。斧や蛇を持ってはしゃいでいた姿からすると意外だ。

表紙で言ってることもなんとなく不安。「キャリアプランを考えるのもいいが、それよりまずは長生き」という一節には、何かを諦めている予感も漂う。
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果たしてこれはヒントなのだろうか。「タンスの下敷きになりたくない」って、そりゃそうだ。ヒントかどうかはともかく、万人への共感性はある。

非常持出袋に「人生のすべてを詰め込みたい」も心配だ。「準備にやりすぎはない」と言うけど、あるだろう。解釈の多様性があって示唆に富むという意味ではヒントと言えるかもしれない。
使うあてもなく欲しくなる
使うあてもなく欲しくなる
続いて私が気になったのはスタンプコーナー。かわいらしいイラストにメッセージが添えられたスタンプは、小学生のとき先生から押してもらって嬉しく思った覚えがある。

子供心に憧れを感じたスタンプ。これを使ってヒントを生み出したい。
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大人になった今、先生に押してもらったスタンプを自分でも使ってみたい。ならばスタンプならではのコミュニケーションがあるのではないか。そんなヒントである。
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「すごーい!!」、「すばらしい!」、そして無言
「すごーい!!」、「すばらしい!」、そして無言
スタンプを使えば言いづらいことも伝えられるかもしれない。添えられたイラストでニュアンスも表現できる。実際、上司に提出した書類に無言スタンプが押されて返ってきたら、不安な気持ちになると思う。

ヒントなら当サイトも負けてない

ハンズの店内はたくさんヒントが転がっていて、いつまで経っても飽きることがない。気がつくとすごい時間が経っていることもある。
心がオープン!
心がオープン!
心がクローズ…
心がクローズ…
しかし考えてみると、様々な情報を日々発信し続けている当サイトも、ヒントの宝庫としては負けていないのではないか。もう10年以上続けてきているのだ。
俺はもえないゴミじゃねえ!
俺はもえないゴミじゃねえ!
もえるゴミでーす!
もえるゴミでーす!
楽しくなってきてヒントかどうかもわからない遊びを始めたところで、視線を一度当サイトに向けてみたい。インターネットを通して放ってきた記事を、改めてヒント・ファイルとしてまとめてみようではないか。
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ヒント・ファイル化してみたのは、当サイトを代表するアメージングディスカバリーである「納豆を一万回混ぜる」だ。無駄ながんばりがライフハックへと着地した奇跡がそこには描かれている。
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ヒント・ファイルのフォーマットで編集し直すと、なんだか頭が良くなったような気がする。知的なムードが出てくるのだ。

ならば、その知的ムードに抗いたい。ここは突き抜けるバカで応戦しよう。
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心のエクササイズとしてのトランポリン
心のエクササイズとしてのトランポリン

「トランポリンでウザい!」
という記事だ。題名で全てを言っているタイプの話だが、これをヒント・ファイル化することで、そのクレバーな雰囲気を変質させたい。
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どうやらグリーンのモノトーンという要素が、賢そうな雰囲気を醸し出すらしい。しかし、よくよく読むと写真にも言ってることにもまるで価値がない。

何かが拮抗している。いいところまで勝負できたのではないだろうか。

ヒントの海におぼれて

再びハンズの店内に目を向けよう。見たこともない商品がたくさんあって、手に取っているときりがない。
なぜかウケる
なぜかウケる
使い方がよくわからない
使い方がよくわからない
こんなものまであるのかと思ったのは、足かせ。商品名として「足かせ」とだけ書いてあるのが妙な雰囲気だ。値段も714円と、足かせ相場も知らないままに安い気がする。

まあこれはジョークグッズというやつだ。重厚な見た目に対して、手に取るとやたらと軽くてまたウケる。面白いけどヒントとはまた違うだろうか。
こんなシールまで売ってる
こんなシールまで売ってる
気になったのは100円引きシール。夕方以降のスーパーで見かけるあれだ。これがあれば何でも100円引きにできてしまうではないか。

これはすごいヒントかもしれないが、さすがにイリーガル。でも、おでこに貼ったら面白いかもしれない。
手帳売場の上に書いてあることが…
手帳売場の上に書いてあることが…
重い
重い
売場からも様々な形で投げかけられてくる「ヒント」だが、手帳売場に書いてあったメッセージはヘビー。

「失われた時間は二度と戻らない」「目的に向かって動き出そう」と、読む者を奮い立たせる。残尿感に駆られて、フロアごとにトイレへ行ってる場合ではない。
歯ぎしりしそうな名前だけど、止めるための物らしい
歯ぎしりしそうな名前だけど、止めるための物らしい
ゲーム用品売場を見ていて思い出したのは、先ほどもらってきた、とあるヒント・ファイル。
ちょっとおしゃれなあの遊び
ちょっとおしゃれなあの遊び
丁寧な図解でよくわかる
丁寧な図解でよくわかる
「はじめてのダーツ」というタイトルのもの。ダーツの道具やルールについて、初心者にもわかりやすいように説明されている。

個人的にはやったことのないダーツ。しかし、そんな自分でもこれに刺激を受けてひらめいたヒントがある。
こっちの方ならそこそこやれる
こっちの方ならそこそこやれる
お分かりだろうか、気合いを入れるときにやるあれだ。
左がオリジナル、右がふざけてるやつ
左がオリジナル、右がふざけてるやつ
中身もそれらしく編集
中身もそれらしく編集
「ダーツ」ではなく「ダーッ!」。よくよく考えたら、ダーツを投げる手の動きと、ダーッ!と掲げる腕の動きには共通点もありそうだ。
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ダーツの矢を投げるときに、「ダーッ!」と気合いを入れる合わせ技も考えられる。ダーツとダーッ!は合理的に結びつくのだ。
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普段の生活で気合いを入れるということをあまりしない私だが、制作に当たって繰り返しダーッ!と叫んでいたら、自然とだんだん気合いが入ってきた。心よりも行動が自分を変えるのだ。
やった、ウケた!
やった、ウケた!
本家ヒント・ファイルが放つ雰囲気と正反対の内容であることは自覚している。だからこそ、内田さんにこれを見せたときは恐る恐るだったわけだが、「嫌いじゃないです」と笑ってくれてホッとした。

ここに新しきヒント・ファイルが(勝手に)誕生したのである。

連発されると暑苦しい、よろしくシール
連発されると暑苦しい、よろしくシール

ヒントを模索するうちに「東急ハンズ VS デイリーポータルZ」のような様相にもなってきた今回の試み。最後はダーッ!で謎の折り合いがついたと思う。

100以上あるヒント・ファイルは、ハンズのサイトから中身も含めて見ることができる。店舗まで行けない場合も、ちゃんとヒントがもらえるのがうれしい。→こちら
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