特集 2013年6月3日

トランポリンでウザい!

サムネイルからしてウザい
サムネイルからしてウザい
アイドルの写真で、ジャンプした瞬間を撮ったものを見かけることがある。若さが引き立って、被写体が魅力的に感じられる写真だと思う。

そういう写真の撮影シーンを以前テレビで見たことがある。ジャンプのフワッとした感じを強調するためか、トランポリンを使って跳ねていたのだ。

見ていてすごく楽しそう。自分も跳んでみたい。下手に思いついてやってみたら、すごくウザくなった。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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身の程知らずでトランポリン

定番ポーズの一つなのだろう、グラビアや写真集で見かけるアイドルのジャンプ写真。あの躍動感は、トランポリンの力を借りていることもあるようだ。
これこれ、こういう感じ
これこれ、こういう感じ
トランポリンを使うと滞空時間が長くなって、動きにも幅を出しやすくなるのだろう。また、ポインポインするのが純粋に楽しくって、モデルの表情も豊かになるのだと思う。

そういえばトランポリンってやったことない。自分でもやってみたい。
パッケージがすでに楽しそう
パッケージがすでに楽しそう
そういうわけで購入したトランポリン。パッケージの写真が子供ではなく大人だったのもうれしい。そうだ、大人だってポインポインするの、楽しそうじゃないか。
そんなにかしこまらなくても
そんなにかしこまらなくても
真ん中に書いてあることが少々気になる
真ん中に書いてあることが少々気になる
中の紙には「この度は、トランポリンをお買い上げいただきまして誠にありがとうございました。」と書いてあって、改めて自分がトランポリンを買ったんだ思わされる。

真ん中には「IRONMAN CLUB」と書いてあるのはとりあえず無視して、まずは軽く跳んでみよう。
なんだろうな、この感じ
なんだろうな、この感じ
…おお、予想通り楽しい。童心に返ったようで、上下する景色と重力に身を任せる感覚が面白いのだ。

それはそうと、跳んでる自分の写真を見てみる。漂うのは、そこはかとない違和感。これは一体なんだろう。

まあいい、気にせず楽しく跳ぼうではないか。
アウトです
アウトです
はしゃいだポーズを取ると、違和感は腹立たしさへと進化する。跳んでるのは楽しいのに、写真を見てる者に湧いてくるのは楽しさではない。「大人がなにやってんだ」という感じからだろうか。

そういうことなら仕方ない。腹立たしくなってくるという生理現象を、逆手に取って利用しよう。
さらに加速させよう
さらに加速させよう
家にあったピンクのTシャツに着替えてみた。クマの着ぐるみが風船を配っているという柄もファンシーに輪をかける。見る者に湧いてくる感情を、これによって増幅させたい。
イエーイ!
イエーイ!
イエーイ!
イエーイ!
確定である。おっさんがトランポリンで跳ねてると、ウザいのだ。
さらなる高みを目指して
さらなる高みを目指して
続いて、鼠がチーズを食べてるシャツに着替えてみた。ピンクのがまだファンシーだったのに対し、こちらはさらにうざったい。
約束通り
約束通り
改めて撮った写真を確認して満足。予想に違わぬ結果がにじんでいる。こんな写真が家のポストに入っていたら、本当に嫌な気持ちになると思う。
地球に飛び出せ
地球に飛び出せ
いや、やっぱりおかしい。私がやりたかったのはこんなことではなかったはずだ。元々はアイドルのジャンプ写真に憧れて始めたことだろう。家の中で撮ったからあんなことになったのだろうか。

この手のジャンプ写真は、空をバックに跳んでいるものが多い気がする。そういわけで、トランポリン持参で公園にやってきた。
なぜだか孤高
なぜだか孤高
週末の公園は家族連れや若者のグループでにぎわっている。けれども、一番広い広場に来て撮った写真は上のようなもの。他に誰も写っていないのは、偶然のタイミングだけだと思いたい。

ここまでひとりぼっちじゃなくてもいいのだが、思いっきり跳ぶには周りに人がいないのは好都合。さあ、跳んでみよう。
なんか低い
なんか低い
うーん。ウザいはウザいのだが、躍動感がない。実際にはそれなりの高さで跳んでいるのだが、トランポリンが写らないように撮るとこうなってしまう。少し角度を変えてみよう。
じわじわ出てきた謎の感じ
じわじわ出てきた謎の感じ
さっきの写真よりだいぶよくなっていると思う。何を基準にして「よくなっている」のかは自分でもよくわからないが、よくなっている。
なにを躍動してるんだ
なにを躍動してるんだ
そのまま宇宙まで跳んでけばいい
そのまま宇宙まで跳んでけばいい
アイドルのジャンプ写真に憧れて公園に来たのに、いざ撮影を始めると、結局「いかにうざったい写真が撮れるか」へと目的がずれてくる。そしてその試みは、結構な成功を収めているとも思う。

シチュエーションの曖昧さが心にざわめきをもたらす。その不安をそのままにしておけず、人はそれに「ウザい」という言葉を与えるのだと思う。
完全に意味不明
完全に意味不明

そういうことは視野にない
そういうことは視野にない

理由を分析するつもりはない。心の機序にも関心はない。私の仕事は、「トランポリンでウザい」という揺るぎない事実を提示するところまでとしたい。

上の写真はトランポリンの箱に書いてあった言葉。メーカーの意図を完全に無視する結果となってしまって申し訳ない。
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