特集 2013年6月24日

10円以下で買える物探し

10円が見せる輝きとかっこよさ
10円が見せる輝きとかっこよさ
大人にとって「10円」と言えば、取るに足らない小銭でしかない。しかし子供の頃を思い出すと、少ない小づかいの中で何を買うか、駄菓子屋で真剣勝負していた覚えがある。

たったの10円。改めて考えると、何が買えるだろうか。いくつか店を回って、10円以下で買える物を探してみた。
1973年東京生まれ。今は埼玉県暮らし。写真は勝手にキャベツ太郎になったときのもので、こういう髪型というわけではなく、脳がむき出しになってるわけでもありません。→「俺がキャベツ太郎だ!」

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まずはおなじみの10円食品たち

10円以下で買えるものを探すべくまずやってきたのはコンビニ。どこにでもある、多くの人にとって最も身近なである店だ。
今やいろんな機能を持つ店となったコンビニ
今やいろんな機能を持つ店となったコンビニ
食品や雑貨以外を購入する以外にも、さまざまなことができるようになったコンビニ。しかし、街中に駄菓子屋がほとんどなくなった今、子供がお菓子を買いに行く店としても重要な存在だと思う。

そんなコンビニに、10円以下で買えるものはどれくらいあるだろうか。
おなじみのラインナップ
おなじみのラインナップ
価格表示に注目して、10円以下で買えるものを全て買ってみた。写真の全部が10円である。どれもロングセラーの駄菓子だ。
風格漂う存在感
風格漂う存在感
蒲焼や酢だこへの憧れ
蒲焼や酢だこへの憧れ
訪れた店の場合、「うまい棒」は5つの味を品揃え。手頃な価格で選ぶ楽しさがあり、食べた満足度も10円として十分。そういう魅力は今でも健在だ。

魚肉を加工した板状食品も昔からある。先日、酢だこを食べて「あ、酢だこさん太郎と同じ味だ」と、本来と逆の順番で思った自分がいた。それくらい記憶に染みついた味なのだろう。

かっこいい10円商品を求めて

続いてやってきたのは巨大ホームセンター。日用品だけではなく、部品や材料といった普通の店にはない物もあるのが特徴だ。
テンション上がる店名
テンション上がる店名
「スーパービバホーム」という名前からしてただ者ではない。店頭では40万円もするミストクーラーがデモ的に稼働していたが、今回探しに来たのは正反対の価格の品。どんなものがあるだろうか。
欲しいけど買えない
欲しいけど買えない
惜しい、あと少し
惜しい、あと少し
プラスチック製のチェーンは10cmあたり20円。十分安い気がするが、これでも予算の倍してしまう。

カスガイは12円。先端が鋭く加工されたピカピカの金属がこんな値段とは。しかし今回の予算からすると2円オーバーとなってしまう。
おお、ずらっと並んでるぞ
おお、ずらっと並んでるぞ
10円以下の商品をまとめて発見したのはボルト類のコーナー。各種サイズの商品が一桁の値段で並んでいる。ここなら今回の予算でおさまる。
3円&4円
3円&4円
まずはナット。小さい方が3円で、大きい方が4円だ。1個ずつ買えるからすごい。この広大な店の中で、最低価格の品物ではないだろうか。

じっくり見るとかっこいいナット。機能したときの働きぶりとしても、3円以上の仕事をしてくれるすごい奴だ。
左から、5・6・7・8・9円
左から、5・6・7・8・9円
この精度の品が5円から
この精度の品が5円から
続いてはボルト。5円から買える。

ボルトはその形状も機能も、男性ならちょっとしたときめきを覚える、というのは言い過ぎだろうか。何かと何かをしっかり留めつなぐという役割もかっこいいではないか。
見覚えのあるあれが6円
見覚えのあるあれが6円
こちらは6円の商品。ボールチェーン同士を結ぶ際の金具だ。これってこれだけで買えるんだ。しかも6円。

小さな部品だけど、自分で作れと言われたらできる気がしないこれが6円で手に入る。このあとの人生で1回くらいはこの知識が役立つときがあるかもしれない。
値札付けの手間暇に泣ける10円
値札付けの手間暇に泣ける10円
商品名もプロっぽい
商品名もプロっぽい
こちらの釘は単品で10円。バーコードと値段が一つ一つに丁寧につけられていて、その手間にこの価格でペイするのか心配な気もしてくる。

名前は「測量釘」。測量をする際に用いられる釘であるらしく、名前だけでなく頭に刻まれた十字や本体部分の筋が、どういう役に立つのかわからないままにかっこいい。
1粒10円
1粒10円
1枚8円
1枚8円
他に見つけたのはビーズや紙類。それぞれじっくり見るほどに、少額工業製品のすごさを感じる。

紙の方はハガキ大で、よく見ると縞模様のテクスチャーが入っている。「ミューズコットン」という商品名がつけられているのもかっこいい。
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女子のパラダイスで10円探し難航

続いてやってきたのは「サン宝石」というお店。
商品の密度がものすごい
商品の密度がものすごい
「サン宝石」という店名からすると宝飾品を扱っているようにも思えるが、その実態は小中学生の女の子を主なターゲットとした雑貨店。かなり低い価格の商品を多数扱っていると話を聞いてやってきた。
一応購入してきたもの
一応購入してきたもの
おっさんには似つかわしくない場所だが、中に入って様々な商品を見ていると、時間が経つのを忘れる気がした。カラフルな商品が整然とぶちまけられている、という感じだろうか。

結論を言うと、この店に10円の商品はなかった。店員さんに確認したが10円はないとのこと。それでも、いろいろ気になるものがあったため、上の商品を次点として購入してきた。
発見できた最低価格は20円
発見できた最低価格は20円
最も安かったものは、6本組の腕輪で20円。子供でも気軽な価格でおしゃれできるこうした商品が店内中でうなりをあげているのだから、小学生女子は大興奮の店だろう。

他にも気になるものを買ってみた。謎の文化がそこにあるのだ。
よくわからないプラモデル
よくわからないプラモデル
ピンク色の戦車のプラモデルは25円。組み立てるとしっかり弾も飛ぶ仕掛けがあるからすごい。

ただこれ、女子小学生のハートに刺さるものなのだろうか。他に似たような商品があるわけでもなく、地味に異彩を放っていた。
「もじもじれんしゅうBOOK」の全貌
「もじもじれんしゅうBOOK」の全貌
そういうことなの?という使い方
そういうことなの?という使い方
続いては「もじもじれんしゅうBOOK」なる商品。35円だ。

さまざまな文字を練習する本ということなのだろうと思う。「使い方」には、この上に紙を乗せて、透けて見えた字をなぞれと書いてある。

めんどくせえ、というのが個人的に浮かんできた感想だ。女子はこうしてかわいい文字をマスターするのか。これに35円という値段がついて売られているのが新鮮だ。

10円で買えるジュースを求めて

ここまでは定価販売で10円の店を探してきたが、今度は特売系の店にも行ってみよう。関東でディスカウントストアを展開する「ジェーソン」だ。
なんだか力強い名前、ジェーソン
なんだか力強い名前、ジェーソン
一般的な食料品や日用品も売っているこの店。しかし特徴は、メーカーで在庫過多となった品物も多く扱っていることだ。
何割引なんだろう
何割引なんだろう
安いと言うより、面白い
安いと言うより、面白い
特に季節外れとなった飲料などは、もともとの値段がなんだったのだろうかという安さ。何%引きなのかわからないくらいになっている。

そうした性質上、いつどんな商品があるのかわからないのも楽しいところ。果たして10円以下の商品はあるだろうか。
痕跡だけは確認
痕跡だけは確認
カルピスの「ほっとしょうが」なるジュースが9円との表示を発見。しかし、商品がない。売り切れのようだ。

現在、季節は夏だからショウガの飲み物は普通に考えればちょっと気分じゃないだろう。それでも9円なら、安いからというより面白いから買いたくなる。24本入りのケースでも216円だからおかしな気持ちになる。

今回は残念な結果になったが、これまで別の商品が9円で並んでいたことは何度か見たことがある。それを知っていると、29円などの商品が高く感じられてくるので不思議だ。
惜しい、iPhoneケースは20円
惜しい、iPhoneケースは20円
焼ビーフンは19円
焼ビーフンは19円
激安店でも10円となると探すのがなかなか厳しい。iPhoneケースは20円なので予算オーバーだが、焼ビーフンは2人前で19円なので、1人前換算すれば10円以下でオッケーとしてもよいだろうか。
あると便利なのかもしれない
あると便利なのかもしれない
こちらも普通に使えそう
こちらも普通に使えそう
税別10円で発見したのは2つの商品。1つは洗濯洗剤の箱に引っかける、スプーン用のポケットだ。

あるといいなと考えたことはなかったが、言われてみればちょっと便利なのかもしれない。そんな気持ちにさせられる商品。いずれにしても、10円は安すぎる。
10円なのにちゃんとしてる
10円なのにちゃんとしてる
しっかりした作りのスポンジ
しっかりした作りのスポンジ
もう1つは厚みのある円柱状のキッチンスポンジ。爪を長くした女性にも使いやすい設計であるようだ。買って妻に見せたところ、「使いやすそう」と好感触。値段を言うと驚いていたから、やはりインパクトがあるのだろう。

ところで気付いたことがある

いくつかの店を回って支払いに小銭を使っているうちに、気付いたことがある。10円以下で買えるものをいろいろ探してきたのだが、10円の価値がある素晴らしいものを、改めて見つけたのだ。
君のことだ
君のことだ
それは、10円玉である。

銅の比率95%で作られた硬貨、10円玉。シンプルながら、お金然としたデザインがかっこいい。年を経ると共に渋みが増していく変化も味わい深い。
5円玉・1円玉も悪くはないけど
5円玉・1円玉も悪くはないけど
やっぱり10円玉だよな
やっぱり10円玉だよな
平等院鳳凰堂が精緻に刻まれているのも美しい。これが10円って、もしかしたらすごいことではないだろうか。

一桁の数字が並ぶレシート
一桁の数字が並ぶレシート

10円という価格で買える物を探してみた今回の試み。さすがに10円という縛りは発見がなかなか難しいが、それでも結構な幅があったと思う。

10円スポンジは実際に使ってみたところ、とてもその値段とは思えない質感でかなりのお買い得度があった。すごいぞ10円。
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