材料を買ってきました
酢豚なので豚肉とかピーマン、人参、玉ねぎを買ってきた。あとフルーツ各種。グレープフルーツ、イチゴ、リンゴ、バナナ、キウイ、マンゴー、パイナップルの7種類だ。こんなにまとめて果物を買ったのは初めてかもしれない。
酢豚の材料とは思えないラインナップ。
下ごしらえである。各種材料を適当な大きさに切る。フルーツの種類が多いので、各種ちょっとずつなんだけどフルーツの山が出来てしまった。
フルーツポンチとかパフェとか作って食べたい。それがまっとうな意見ってものだろう。
でも作るのは酢豚だ。フルーツポンチからかなり遠いメニューである。イスタンブールとルクセンブルグくらい遠いかしら。
美味しそう。ヨーグルトとかアイスクリームとかシロップに合わせたい。
思えば酢豚を作るのって初めてかも知れない。少なくとも作った記憶は無い。
酢豚は作るのが面倒くさい。何が面倒って、肉に衣を付けて揚げて、更にそこから料理するのだ。ただ揚げ物をするだけでも面倒なのに更に炒め物をしなきゃならない。やれやれだ。
と、お悩みの方が多いのか酢豚の素の箱には「片栗粉をまぶして焼けば揚げなくてもOK」と書かれていた。なんだ、そんなんでいいのか。
片栗粉を付けて焼けばいいのらしい。楽酢豚である。
次に野菜を炒める。長く炒めると時間の無駄なので電子レンジでチンしておいた。早く火が通ります。
パイナップル投入。したら途端に酢豚の匂いになった。美味しそう。
更に各種フルーツ投入。カオスである。デザートっぽくもある。
肉を投入。おかずっぽくなった。これが肉の威厳である。
酢豚の素をぶっかけて混ぜたら完成。
わーい、酢豚完成-!酢豚大好きー。
フルーツの量が多すぎて思いの外大量に出来てしまった。では、パイナップル以上に酢豚に合わないフルーツを探すべく食べ比べよう。はたからさぞや見たらフルーツ大好きっ子に見えただろう。
まずはリンゴ。アップルパイのリンゴみたいで甘酸っぱい。 肉との相性もいい。パイナップルと同等には美味しいと思う。トップバッターから優秀である。
これはないな。かなり煮崩れてヌルヌルした食感と、それに違わぬ見た目。味は酸味が強くフルーツ感も強め。肉と一緒に食べてもまったく相容れない。
これなんの果物だ?ってクイズに出来そうなくらい崩れた。グレープフルーツである。なんと、つぶつぶに分解してしまった。食べてみると案外悪くない。酢豚にフルーティーさを加え、ケチャップ風味だけでは出ない爽やかさが生まれた。具と言うよりは調味料的存在になったのだった。
バナナである。 ぐってり柔らかく煮とけ気味。甘さが強くなった。肉と合わないことはないがパイナップルの方が美味しいと思う。もし入れるならあまり火を通しすぎない方が良さそうだ。
イチゴはジャムのイチゴのようにフニャフニャになった。それほど悪くはないが良くもない。バナナ同様、煮とけ過ぎる果物は酢豚に合わせるのは難しそうだ。見た目もよろしくない。
6種目はマンゴーである。甘さも酸味も弱めで、酢豚そのものの味に馴染んでいた。肉との相性もいい。あんまり主張しすぎない方が酢豚には合うようだ。
パイナップルは普通に美味しいが、甘味と酸味が結構強い。自己主張がハッキリしている。それでも不味くないのだから、やはり酢豚とパイナップルの相性は良い。
マンゴーは合う。キウイは合わない。
7種類を食べ比べて、最も合うと思ったのはマンゴーだ。自己主張が弱めで、酢豚の餡と味が近い。肉と一緒に食べると適度にフルーティーで美味しかった。次点はリンゴ。
合わないのはキウイ、バナナ、イチゴだ。グズグズに崩れるのもNGだし、味も酢豚に合わない。こうして考えてみると、肉と相性が良く、しかも煮崩れないパイナップルというやつはなんとも優秀である。最初に酢豚にパイナップルを入れた人もこういう試行錯誤をしたのだろうか。
これからは僕は嫌いな食べ物を聞かれたら「酢豚に入ってるキウイ」とか「酢豚に入ってるイチゴ」って答えようと思う。怪訝な顔されるのが目に浮かぶわけだが気にしないことにしよう。
ニュー酢豚を作ろう
酢豚にマンゴーはなかなかいい。フルーティーで肉とも合う。って事で、マンゴー入りの酢豚を作ってみることにした。マンゴーとパイナップル入り酢豚の完成形である。
マンゴーもパイナップルも黄色いので違和感がない。
そうそう、酢豚と言えば日本橋浜町にある燕慶園の酢豚が美味しい。とにかく肉が柔らかいのだ。あれは僕の中で一番の酢豚である。いくぶん美化された点もあるかもしれないが、あれより美味しかった酢豚の記憶がないのだからきっと一番だったのに違いない。
と、過去の酢豚を思い出しながら完成。
フルーツが多すぎないのでちゃんと酢豚っぽい。
いやーん、美味しそう。でも二日連続で夕飯が酢豚。
マンゴーに矢印を付けてみた。どう?マンゴーもパイナップルも黄色いし見た目似てるから違和感無いでしょう?
結構多めにマンゴーを入れてみた。なお、肉は生の段階でパイナップルとマンゴーで和えてある。肉が軟らかくなるらしい。
イケます、マンゴー酢豚
マンゴーが酢豚に合うのは前日の食べ比べて判ってるのだけど、あれはあくまで試作品。今度は料理の完成形としてマンゴー酢豚を味わってみた。
これマンゴー。缶詰で99円だった。缶詰ならマンゴーって99円で買えちゃう物なのか!
ほほお、これがマンゴー酢豚かいな。
本当にマンゴー入ってますわ(自分で入れたんだけど)。
あー、はいはい。
美味いわ、これ。個人的にはパイナップルよりアリ。
酢豚にパイナップルを入れる事になった経緯はわからない。肉を軟らかくする為なんて説もあるが定かではない。色々試した末にパイナップルが選ばれたのかも知れないし、なんとなくそう決まったのかも知れない。
おそらく先人は試行錯誤しただろう。その試行錯誤で闇に葬り去られたのがイチゴ酢豚やキウイ酢豚で、生き残ったのがパイナップル酢豚で、新しく生まれたのがマンゴー酢豚である。これが酢豚進化の真相に違いない。
先人の試行錯誤を掘り返す行為
先人が捨てた試行錯誤の失敗部分を再発見して記録にまとめるのが、現代のネットコンテンツを作る我々の使命なのだと思ってこういう記事を書きました。みんなの代わりに転んでおいたよ。