まずは消しゴムのイメージを確認する
45年前、もともとダース売り鉛筆のオマケだったものが「よく消える」と評判になって単品で発売されたのがMONO消しゴムのスタートである。ちなみにこの鉛筆の商品名がMONO100だったので、そのおまけの消しゴムの名前もMONOなのだ。(消しゴムまめ知識)
iPhoneに乗ってるのが通常サイズ。大きいのは非売品の大型サイズ。
まずは、本当にこの3色を見れば消しゴムをイメージできるのか、確認を行った。
家庭内において本来消しゴムが配備されて無さそうな場所に置いてみて、瞬時に「消しゴムだ」と視認できるかどうか、というテストだ。
ただ、小さすぎて見えにくいとテストにならないので、上の写真の大型サイズを用いることにした。
テスト1 本棚
消しゴムだ。わかる。
カラフルな背表紙が並んでいるにも関わらず、この3色が並んでいるだけで消しゴムであると認識できた。
テスト2 食器棚
これも消しゴムだ。わかる。
他の食器と同様に平たく置いてみたのだが、それでもやはり一目で「ああ、お皿と消しゴムがあるな」と思う。
テスト3 洗面台
間違いなく消しゴムだ。わかる。
白を基調に同系色の多い空間に置いてみたが、それでも「あれ、なんで洗面台に消しゴムが?」という違和感には敵わない。
結果として、この青白黒の3色が並んで配置されていたらおよそ間違いなく消しゴムとして認識できることは分かった。
そろそろ次のステップに進んでも良い頃だろう。次はこの3色を応用して、四角い物を消しゴムに変えていきたい。
簡単な消しゴムの作り方
消しゴムの作り方といってもさほど難しい話ではない。
あの3色と同じような感じで青と白と黒の帯を並べてプリントすれば、ベースは出来上がりである。
実物を測って、それぞれの色幅を確認中。
本物のスリーブ(消しゴムの周りに巻いてある紙のこと)には印刷の上からポリプロピレンのフィルムを貼る加工がされているのだが、これは写真プリント用の光沢紙に印刷すれば、なんとなく似てるかなー…というぐらいまでは雰囲気を近付けることができた。
ほぼ同比率で3色が並んでいるものを光沢紙にプリント。
あとは切ってテープ糊を裏に貼るだけ。
iPhoneにセット。
あれ、消しゴム?
とりあえず一番手近にあった四角いもの…ということで目についたのがiPhoneだったのだが、これがもう問題なしに消しゴムだった。
並べてみてもやはり消しゴムだ。
文字やロゴを入れてしまうと『五木ひろしのモノマネで「五木です」って名乗る』みたいな話になりそうな気がしたので、フェアに3色だけで戦うことにしてみたのだが、文字、ぜんぜん要らない。この色の配置だけで普通に勝負できる。
iTunesとリンクする消しゴム。
「お前も消しゴムにしてやろうか」
続いて、今回作業しながらBGM代わりに流していたDVDのパッケージが四角いことに気がついたので、これも消しゴムにしてやることにした。
最近、仕事しながら白黒の映像をだらだらと流すのが気に入ってる。
これももちろん、サイズを合わせて出力した3色の光沢紙を貼り付けるだけで出来上がり、だ。
これだけでも、およそ八割方は消しゴムと言って良い。
こんなに簡単に消しゴムが作れていいんだろうか。国内外の消しゴムメーカーさんは僕のことを恨むだろうか。トンボ鉛筆さんに詫びを入れに行った方が良いだろうか。
DVDと、消しゴム(ちょっとDVDっぽい)と、消しゴム。
ただ、スリーブから覗いている消しゴム本体部分に「DVD」などの文字が見えているのが気になる人も、わずかながらいるかもしれない。
そういう場合、正しく手間をかけても結局のところ万全の結果を得られることは少ない。それならば、可能な限り単純な解決案でそこそこの成果を得るのが正解なのではなかろうか。
そこで今回は、薄目で見る、というソリューションをご提案したい。
DVDと、消しゴム2つ。
これならば、どんなに神経質な人でも迷いもなく瞬時に「消しゴムだ」と判断が下せるはずだ。
迷ったら薄目で見る。これは鉄則である。
進む家庭内の消しゴム化
薄目という新しい方法論の導入によって、生活空間の消しゴム化をさらに推し進める機運が高まってきた。
DVD以外にも、もっと身近で見慣れたものだって消しゴムにできるはずだ。
例えば花粉のシーズンには常に手元で触れていた、ボックスティッシュなんかはどうだろう。
鼻水が止まらないシーズンは、ここが彼の定位置だった。
杉やヒノキもすっかり落ち着きティッシュと触れ合う機会も減ってきた頃合いではあろうが、彼はいついかなる時も馴染み深いティッシュでいてくれるだろうか。それとも3色にするだけであっさりと消しゴムに変わってしまうのか。
あっ。
これもまたDVDと同じく、貼るだけでほぼズレ無く消しゴムになってしまった。
もちろん、3色の紙の端からチラ見えしてる商品名と説明書きが気になる方はいるかもしれないが、そこはほら、また例のアレで。
消しゴムかボックスティッシュかギリギリ判断のつかないものと、消しゴム。
消しゴム2つ。
タテヨコの比率がこれまで以上に本物の消しゴムと近いこともあり、薄目で見たらもう間違いなく消しゴムである。
四角じゃなくても消しゴムになり得るか
ついでに、直方体でなかったとしても消しゴムとしてやっていけるのか、という実証も行っておこう。
重くてでかくて邪魔でファンもうるさいが、なぜか嫌いになれない子。
テレビ台の真ん前にドンと居座っているゲーム機、X-BOX360はどうだろう。
ご覧の通り、これは消しゴムチックな真四角ではない。微妙に中央がヘコんだ不思議な形をしているのだ。
やっぱり消しゴムなんじゃないか。
中央から上面へと向かう曲線が、なんとなく遠近法的な効果を出している。これはこれでパースのついた消しゴムと判断しても良いのではないか。うん、やっぱり消しゴムだ。
迫力のある構図で見た、消しゴム。
屋外までも消しゴムになるのか
家庭内においては、見慣れていようが四角で無かろうが、とにかくあの3色の紙を貼り付けてしまうだけで消しゴムになってしまうことは証明できた。
この勢いで、屋外に出てみよう。外にも消しゴムの素材は大量に転がっているはずだ。
近所の工事現場。歩道と現場が仕切られている。
例えばこの工事現場の仕切り板なんかどうだろう。
勘レベルの話で恐縮だが、ドアの部分なんか、相当に消しゴム臭くないだろうか。
ほら消しゴムだった。
案の定というか、やはりサイズや生活空間の内外にかかわらず、3色の紙を貼り付けたらそれはもうなんであれ消しゴムなのだ。
鉛筆っぽい帽子の人と、消しゴム(手に持ってる)と、ドア?消しゴム?
薄目にしすぎて良く分からないけど、大きい消しゴムはわかる。
青くて白くて黒ければ何でも消しゴムになってしまうということは確認できた。紙を貼り付けるだけなら簡単な話なので、今後はよりサイズの大きな物を消しゴムにしていくこともやってみたい。たとえばヒカリエとか。
冒頭で青白黒が消しゴムのパブリックイメージだと書いたが、実はこれは日本国内全てで統一されているイメージではない。
MONOが消しゴムの主流なのは主に静岡から東の地域であり、西日本などで消しゴムと言えば、水色一色のSEED・Radar消しゴムなのだ。
ということで西日本版にもいずれチャレンジしてみたい。
これがRadar消しゴム。関西人は特に見慣れた水色。