むかし、ボートを漕いでいた
説明が面倒なのであまり言わないが、僕は学生時代ボートを漕いでいた。
こういうやつ。もう引退してずいぶん経つ。
また軽やかに水面の上を滑りたいな、と思っているときに、カヤックでスカイツリーを目指すツアーを見つけた。
僕は友達と3人で申し込んだ。
旧中川から旅に出る
同行の友人。はすお君、もりぞー君。ともに物好き。
今回のスタート地点は墨田区の東大島駅付近。
こんなところからカヤックが出せるのか?と疑問に思ってたが、公共駐車場の近くに、小さくて平和な船着き場があり、ここから出艇することができた。
そして向かう先、はるか遠くのスカイツリーを目指す。
はじめてのカヤック
ボートとカヤックは、実はかなり違う。
そもそも進行方向が違う。
ボート:漕ぐ人の後ろに進む
カヤック:漕ぐ人の前に進む
これまで僕は、川の上はスピーディーに後ろへ進んでこそ!と思っていたが、このカヤック、想像以上に速い。
そして目標まで、前を向いてずんずん進んでいくので、近づいて行くわくわく感が体の前面で味わえる。
カヤック、はっきり言ってボートより断然楽しい!(いきなりの裏切り)
そして運河らしい風景の中を突き進む。
第一の関門 扇橋閘門(おうぎばし・こうもん)
さて、いま僕らの前にそびえるのは、まさに関門と呼ぶにふさわしい、扇橋閘門(おうぎばし・こうもん)である。
デイリーでも屈指の人気スポット、閘門(こうもん)!
いや、ほんとは通る必要は無いのだが、ここを通らずしてどうする!というほどエキサイティングな場所なので連れて行ってもらえた。
閘門とは水位を調節するために設置された2枚の門で、通るたびに水位がダイナミックに変化したり、水でびしょびしょになったりできる。
開いた―! こうもん開いた―!!
この開いたばかりの水しぶきのしたたる真下を、すすめー!と突き進んでいく。だが、この直後に後ろの扉は閉まり、前にもう一枚の扉が待ち受ける。
閉じ込め、られた!?
しかし2枚の扉に挟まれているうちに水位がみるみる変化していき、最終的には水位の違う向こう側へと抜け出られるのである。
はじめの水位から変化して……
左の人は水没しました(うそ)
脱出!!「グーニーズみたいだね」と言ったのに、2人に無視された。
桜並木を華麗なるスル―
さて、この先に川沿いの桜並木があり、おりしも満開であった。
果てまで続く、ものすごい桜並木!
まさに絢爛たる咲き誇りだったのだが、ガイドさんから「スカイツリーが目標なので、引き返します」との指令が出た。
なんというストイックさであろうか。
(この記事の公開前日に、ライター田村さんの記事に水上花見の様子がレポートされているので、
こちらでごらんください。)
僕らはスカイツリーへと向かう。
スカイツリー、ちょっと見えてきた。
クラゲ超いっぱいいる
むかしボートを漕いでいた漕艇場とは違い、運河にはいろんな見どころがある。
クラゲ。めっちゃくちゃいっぱいいる。
そう、実はこの運河、かなり海水が混じっているのだ。あちらこちらクラゲまみれである。近所の川にクラゲが浮かんでるなんて超いかしてる。
この地域では、小学生の頃の思い出話で「クラゲつかまえたよねー
「そうそう、そのまま干からびさせたり!」とか話すのだろうか。
船から吸い上げられる穀物。漂う穀物の香り。
この運河(小名木川)は、江戸時代に栄えた運河らしいのだが、21世紀でもなんと現役である。
船上の人に「何吸い込んでるんですか」と聞いたら「小麦」と教えてくれた。
小麦を運河で運ぶ仕事、うらやましい!ボランティアの1日体験でいいからやってみたい。
あと、裏から見た総武線もかっこいい。
スカイツリー登場!
などと風景に夢中になっているうちに、スカイツリーのすぐ近くに来ているはずだ。
3時間ぐらい漕いだ。パドルを握った手が痛い。
地図によれば、川を突き当たってすぐ左に、川向こうにどーんとスカイツリーが見えるはずである。
あれ、左に見えてきたの、もしかして……
でたー! スカイツリーでたー!
スカイツリー、思った以上の大きさで眼前に登場である。
川のまっすぐ向こうにそびえる巨大塔、威風堂々だ。思わず写真を撮りまくった。
もりぞー君の頭に生えてる形での記念撮影。
しかしこの日、これ以上は工事で近づけなかった。
川底の泥をさらって多くの船が通れるようにするらしい。またしばらくしたら通れるようになるだろう。未来の水路に期待だ。
というわけで、今日のところはスカイツリーにあと560mのところまで詰め寄るのに成功した!というところで、帰途に就くことにしたい。
夏のボーナスでほしいものが決まった
カヤック、すごくいい。
水上バイクのようにぶんぶん進むのではなく、小さい乗り物でヨイセヨイセと進んで行くのが非常に性に合う。
人間、起きて半畳、漕いでカヤックだ。
晴れの日にいつでも気楽にすっと川に出られる生活を夢見て、さっそく購入の検討に入っている。
写真は全部iPhoneで撮ったので、緊張感あった。
(落としたら終了)