というわけで、3月6日をもってその役目を終えた旧石垣空港。
供用廃止まであと数日という時の旧空港の様子をご紹介したいと思います。
JAL側ターミナルロビー
まずはJAL/JTA側のターミナルへ。
こぢんまりとしたカウンター。ロビー自体も広くはないので、夏の観光シーズンまっただ中にはたくさんの人でごった返していました。
トイレの表示。駆け込むうさぎのイラストがレトロでかわいい。
「ゆずってくれたらうれシーサー」ゆるいシーサーのイラストが描かれたベンチの優先席表示。
目立たないのであまり知られていないかもしれませんが、おみやげ屋さんの隣には、ひっそりと送迎デッキへの入り口がありました。
こぢんまりとした送迎デッキがあり、タラップを下ろした航空機を間近に見ることができました。
これまで何名の人たちがここから見送り、見送られてきたのでしょうか。
滑走路が短い旧石垣空港の名物だった急制動・急加速も間近に見られました。
着陸と同時にエンジン逆噴射全開のゴオーーーッ!という音が迫力満点。
ちょっと見えづらいですが、八重山のゆるキャラ「ピカリャ~」と新石垣空港のイメージキャラクター「ぱいーぐる」が描かれた機体。整備士さんや客室乗務員さんがこんなふうに地上に立って到着客を迎えるのも、ボーディングブリッジの無い石垣空港ならではの光景でしたね。
ANA側ターミナルロビー
建物はJAL側よりも新しく明るい雰囲気。しかしお土産屋さんは1件しか無く、JTA側のほうがずいぶんと充実していた印象です。
JAL側よりもさらに短くこぢんまりとしたカウンター。
唯一のお土産屋さんではちょうちんが売られていました。新空港でも売られているか分からないので、記念にひとつ買っておけばよかったかもしれません。
ゆうなでひと息
再びJAL側ターミナルに戻り、レトロな雰囲気の喫茶店「ゆうな」に入ってみることに。
南国なので、アピールポイントは「冷房完備」。
メニューはいたってスタンダードにそばや定食、軽食、コーヒー類など。
しかしその中にひとつ目がとまったものがありました。
青汁、500円。
沖縄県内の道端などでもよく見かけるサクナ(長命草)を絞ったものだそうですが、これが激苦!!!!!
全身を駆け抜ける青臭さ。のどが乾いていたはずなのに、なかなか二口めにたどり着けない。なるべく舌の上を通過させないように、そして心を無にしてどうにかこうにか飲み干しました。
カウンター上の大きなテントがレトロでかわいい。
ちなみに「ゆうな」とは、屋久島・種子島以南の琉球列島に分布するアオイ科の常緑小高木のこと。黄色いハイビスカスのようなふんわりとした大きな花を咲かせます。
旧石垣空港の開業当時から営業を続けてきた「ゆうな」は、新石垣空港でも元気に移転営業しています。果たしてあの激苦青汁はメニューに残っているのでしょうか。新石垣空港に行かれる方は是非確かめてみてください。
ちなみにこちらのカウンターの八重山そば屋さんは旧空港の供用廃止と共に閉店したそうです。美味しかったのに非常に残念。
ありがとう、旧石垣空港
市街地から旧空港までタクシーで行くと所要時間は約10分で料金は900円ほど。新石垣空港は約30分かかり、もちろんその分料金も高くなってしまいます。タクシーの運転手さんは「1人旅や人数が少ないグループなんかは、タクシー使わずバスに乗る人が増えるだろうね。でも空港が新しくなって全体的に観光客が増えてくれたらいいけどね」とおっしゃっていました。
手荷物検査場から中に入ったロビーはこんなかんじでした。
『ありがとう石垣空港』と題した小さなパネル展示が。
新空港にはボーディングブリッジがあるので、この階段状のタラップからの乗降ももうできなくなってしまいました。
私自身、これまで何度も利用してきた旧石垣空港。
次回石垣島に降り立つときには別の景色になっているかと思うと少し寂しいものがありますね。
ちなみにJTAの方がおっしゃっていたのですが、3月6日までは旧石垣空港での営業となるため、主な機材などは3月6日の業務を終えてから夜中の間に一斉に運び出したのだそう。当日は夜中中、旧空港ー新空港間を移動する車の大行列ができていたのではないでしょうか。また3月6日の最終便は旧石垣空港に駐機し、3月7日の始発便は新空港から離陸しなければならないので、なんと当日の朝に旧空港ー新空港間を飛行機が飛んだのだとか。その飛行機、乗ってみたかった!
というわけで2013年3月6日で約70年の旧石垣空港の歴史の幕が閉じられました。
さようなら、旧石垣空港。たくさんの思い出をありがとう!
はじめまして新石垣空港
そして後日訪れた新石垣空港の様子を少しご紹介。旧空港の風景に慣れ親しんでいたので、新空港に着いた時はまさに「間違って別の場所に着いてしまったのではないか」と思ってしまいました。
すっかり空港の建物も中のテナントもキレイになって近代的に。
石垣旧空港のレトロな雰囲気がもう味わえないのはやはり少し寂しいですが、これからはこの新石垣空港が旅行者の旅の思い出の場所になっていくのでしょうね。