特集 2013年2月12日

上海とハトのおもちゃ240個

時速430キロのリニアモーターカーが750円

なにから手をつけていいか分からないぐらいの経験だったのでまずは空港に着いてからの話からはじめる。

上海浦東空港からはリニアモーターカーが出ていた。50元(約750円)、日本の感覚では激安だが上海は乗り物すべてが安かったので高いほうに入る。時速430キロ。僕が乗ったときは夜だったので時速300キロだった。
写真を撮ってたら何人か分からないアジア人も写真を撮っていた。とんがった鉄道が好きなのはアジア共通である。
写真を撮ってたら何人か分からないアジア人も写真を撮っていた。とんがった鉄道が好きなのはアジア共通である。
今回のガイドをお願いした人から「想像と違う乗り心地だと思います」とのメールをもらっていた通り、揺れた。シュー、スパー!みたいな乗り心地ではなく、新幹線ぐらいには揺れる。

未来の乗り物なのに自由席というのも意外。飛行機のきっぷを見せると10元割引というのも映画の半券でドリンク無料みたいである。
あっというまに300キロである。
あっというまに300キロである。
300キロと言っても窓の外はよく見えないので、飽きた。
300キロと言っても窓の外はよく見えないので、飽きた。
ちなみにリニアモーターカーは空港から市街地まで結ばず、手前で終わっている。成田から津田沼まで直結!ぐらいの感じだろうか。

終点で止まったとき、運転席からトウモロコシを持った人が出てきた。車内で拾ったトウモロコシを持っていたのか、トウモロコシを食べながら運転していたのか。後者だとおもしろいのだがたぶん前者だろう。

きれいな場所とそうでないところの差がおもしろい

地下鉄を乗り継いで上海の豫園という地区に移動した。下町で観光地でお寺がある。浅草みたいな場所らしい。
浅草かと思ったら意外な景色。オリエンタル!(僕もアジア人だが)。
浅草かと思ったら意外な景色。オリエンタル!(僕もアジア人だが)。
ここで今回の上海を案内してくれるいんちき番長と合流。案内というか、いんちき番長がおもちゃを買いに行くのについて行く旅なのだ。
左がいんちき番長、右がダイナミックコグマ代表瀬高さん。写真が急に昼になるのは後日、昼に撮ったからである。次の写真からまた夜に戻ります
左がいんちき番長、右がダイナミックコグマ代表瀬高さん。写真が急に昼になるのは後日、昼に撮ったからである。次の写真からまた夜に戻ります
上海が予想以上にきれいであることを伝えると「じゃあもっと汚い場所を案内します」と言ってほんとにごちゃごちゃした路地に案内してくれた。
これぞ海外旅行の醍醐味、という景色。毛穴が開く。
これぞ海外旅行の醍醐味、という景色。毛穴が開く。
小さいミカンがやたらとうまい
小さいミカンがやたらとうまい
店頭にならぶ食材
店頭にならぶ食材
店頭のパックを店の人に渡すと
店頭のパックを店の人に渡すと
なんだか旨そうなものにして出してくれるシステム
なんだか旨そうなものにして出してくれるシステム
ごちゃごちゃした路地の店のごはんはうまかった。これぞ中華料理という濃い味つけと油。この見たことないビールもうまい!と思ったらサントリーだった。
薄くてうまい中国のサントリー。
薄くてうまい中国のサントリー。
店の人と馴染んでいるつもりだがぜんぜん馴染めてない僕
店の人と馴染んでいるつもりだがぜんぜん馴染めてない僕

朝からにぎわってる

一夜あけて、昨晩のごちゃごちゃしたところに行くとやっぱりごちゃごちゃしていた。夜にぎわってて朝は閑散と…という街はよくあるが1日中賑わっているのは珍しい(ただし働いている人は別なようだ)。
朝からごちゃごちゃしてる
朝からごちゃごちゃしてる
上海の人は早起きで、飲食店は5時ぐらいから開いているし、ふつうの小売りの店も6時ごろから営業している。
店の人が店頭で立ったままごはんを食べている姿もよく見かけた(それがまたうまそうなんだ)。なんで上海の人っていつもなんか食べてるのかと思ったけど、昼休みをとらずにずっと店先に出ているからだろう。

うまそうなものを食べていると働き者でもそう見えないというのは発見だった。
ごはん食べながら話す人たち
ごはん食べながら話す人たち
服を着た犬でも放し飼い
服を着た犬でも放し飼い

みっちりカルチャー

朝のほうがいろんなものを売っていた。ただし、やっぱりみっしりぎっちり並べていた。
2メートルぐらいある魚の開き。巨大。
2メートルぐらいある魚の開き。巨大。
ナスはでかくて白菜は小さかった
ナスはでかくて白菜は小さかった
生きてる鳥もみっちり。食用のハトは公園にいるハトよりきれい
生きてる鳥もみっちり。食用のハトは公園にいるハトよりきれい
雑貨もカラフル
雑貨もカラフル
このあとお寺とおもちゃの問屋街に連れて行ってもらった。
ストラップの店
ストラップの店
エビのカラーバリエーションが多すぎ
エビのカラーバリエーションが多すぎ
お寺
お寺
エビの軍隊に慕われる賢人(想像)の飾り
エビの軍隊に慕われる賢人(想像)の飾り
きかんしゃアングリーバード
きかんしゃアングリーバード
お寺で見た神様のひとり
お寺で見た神様のひとり
意図的におもちゃの問屋の写真とお寺を混ぜてみたのだが、さっきの市場からずっとみっちりである。景色が一貫している。
アングリーバードが機関車になっていたり、目から手がはえているのも足し算デザインだ。
ひとつひとつ意外なのだが、あ、こういう感じで統一してるんだと思うと腑に落ちる。

そう考えるとリニアモーターカーが走っていても違和感ない。

みっちりカルチャー、未来へ

いんちき番長おすすめのがっかりスポット、観光隧道にも行った。上海の中央を流れる川の下にあるトンネルをゴンドラに乗って移動するアトラクションというか施設である。
こういうゴンドラに乗る(遅い)
こういうゴンドラに乗る(遅い)
トンネルのなかの景色
トンネルのなかの景色
トンネルの壁には電飾がついていてピカピカといろんなパターンで光る。日本ではテレビ番組がちょっと点滅するだけで「部屋の電気を明るくしましょう」などと注意書きが出るがそんなことお構いなしの派手さである。

点滅のパターンが変わるたびに"shining star" "paradise and hell"とナレーションが入るのでその世界を表しているらしい。台湾で仏教の世界観を描いたトンネルを見たが、それを電気仕掛けにしたものかもしれない。素直に言うとよく分からない。

日本でこういう珍スポットは寂れているのが常だが、ここは現役でビカビカしているのだ。がっかりスポットなんだけど力が入っている。はじめて見るパターンである。
栓抜きみたいなビル(本当はショッピングバッグをイメージしてるらしい)
栓抜きみたいなビル(本当はショッピングバッグをイメージしてるらしい)
でもすでに上海はみっちりカルチャーであることを知っているのでそれが電気の力を得たのだと思うと合点がゆく。

上海の高層ビル群は映画「バブルでGO!」のラストに登場するバブルがはじけなかった東京に似ている。

上海タワーで度肝を抜かれる

ビル群のほうに渡ったのでまあ一応ぐらいのテンションで上海タワー(テレビ塔)に登った。
上海タワー。未来といえば丸っこいビル。東京だとフジテレビと日の丸自動車学校しかない。
上海タワー。未来といえば丸っこいビル。東京だとフジテレビと日の丸自動車学校しかない。
ここがすごかったのだ。すごいのは上にある展望台。東京タワーで言えば特別展望台のほうだ。
エレベーターの前に靴の上にかぶせる袋があった。
エレベーターの前に靴の上にかぶせる袋があった。
土足禁止なのだろうか。ヤンキーの車か?
土足禁止なのだろうか。ヤンキーの車か?
これぞ未来、というコスチュームのエレベーターガールに導かれて上に
これぞ未来、というコスチュームのエレベーターガールに導かれて上に
そこは宇宙船をイメージした空間だったのだ
そこは宇宙船をイメージした空間だったのだ
タワーの高いところからのパノラマを期待してたら、ベンザブロックのCMみたいな白い部屋だった。景色は見られないのか?
壁に小さな穴が開いている。のぞき穴?
壁に小さな穴が開いている。のぞき穴?
覗くと…
覗くと…
どこかのビルの屋上の室外機が見えた
どこかのビルの屋上の室外機が見えた
鳥肌が立つ意外性である。まさに「その発想はなかった」だ。350mの高さまで行って、宇宙で覗き穴で室外機だ。足してゆくカルチャーだとは気づいていたが、ここまで大がかりにやるとは!

常日頃ネットやイベントで人を驚かせたいと思っている者としては悔しいぐらいの意外さである。
なんて言いながら、宇宙船フロアの上は普通に展望台でした
なんて言いながら、宇宙船フロアの上は普通に展望台でした
オールガラス張りのところもある。高所恐怖症の人が来たら一瞬で白髪になるレベル
オールガラス張りのところもある。高所恐怖症の人が来たら一瞬で白髪になるレベル
かと思ったら売店で人工衛星のトロフィーなんて意外なものがあらわれた
かと思ったら売店で人工衛星のトロフィーなんて意外なものがあらわれた
手持ちの現金がなくて買えなかった。人工衛星をトロフィーに。まだまだやってないことはたくさんあると思った。

世界最大の問屋街・義烏(イーウー)へ

3日目、ようやく今回の旅の目的である義烏(イーウー)に向かう。(義烏と変換するのが面倒なので以下、イーウー)。イーウーまでは新幹線で2時間半。
中国はいろんな国の新幹線が走っている
中国はいろんな国の新幹線が走っている
上海の新幹線の駅は空港のようだった
上海の新幹線の駅は空港のようだった
車内は日本と同じ雰囲気+テレビ
車内は日本と同じ雰囲気+テレビ
この日は5時起きだったので新幹線のなかで寝ようと思ったが、外国の新幹線に乗った興奮であまり寝られず(日本の新幹線でも興奮して寝ないというのに)、イーウーに到着。
ここがおもちゃ・雑貨の卸が入っている建物
ここがおもちゃ・雑貨の卸が入っている建物

ビッグサイトがすべて問屋

イーウーについていんちき番長に聞いた話やネットで調べた話をまとめるとこのようになる
・山手線の内側ぐらいの広さに問屋が集まっている
・世界中のバイヤーが買いに来る
・日本の100円ショップで売ってるものもここで仕入れてる
ただし街の雰囲気としては蔵前(東京の問屋街)ではなく東京ビッグサイトである。展示会場みたいな建物に細かい店が入っている。店ごとに専門が分かれていた。
人形専門
人形専門
サンタクロース専門
サンタクロース専門
浮かれメガネ専門
浮かれメガネ専門
シャボン玉専門
シャボン玉専門

ハトを買い付けに来たんだぜ

今回ここに来た目的はハトのおもちゃがあるからだ。いんちき番長と瀬高さん行きつけの問屋さんでハトのおもちゃを見せてもらった。
ハトならあるよと言って見せてくれたおもちゃ類
ハトならあるよと言って見せてくれたおもちゃ類
どれも1分の1スケールのハトである(一部ハトじゃない鳥も混ざっている気がするが)。ハトのかわいくなさを再現していてグッとくる。ゼンマイで進むハト、棒で押すハト、背中に子バトを載せたハト。ここでも足し算文化は遺憾なく発揮されている。

僕はいちばんシンプルなゼンマイで進むハトを購入。そのほか、超足し算のハトもサンプルとしてもらった。
背中に子バトが乗って、その上で豆(?)がぐるぐる回る
背中に子バトが乗って、その上で豆(?)がぐるぐる回る
ハトの上に子バトだけでも見たことがないのに豆が回る。永遠に食べられない豆が上で回るのだ。はじめて見るかわいそさである。

次もすごい。
これは別の店でいんちき番長が見つけた電気ハト
スイッチを入れると羽ばたきながら光り、ホーホケキョと鳴き、メリーさんの羊を歌い、くるくる回る。

ほぼ想像上の生き物だ。カテゴリで言えばユニコーンやケンタウロスと同じ。

たとえばこれを僕が4コマ漫画で描いたとしても、なにわけわかんないこと描いてんだよと言われるだろう。 だけどそれを立体で作って、量産しているのだ。金型作ってるのだ。意外性に対しての腰の入りかたが違う。
胸にはPEACE の文字
胸にはPEACE の文字
とはいえいちばんリアルで地味なハトを買ったのはちょっと日本人らしかったかなと思う。ちなみに問屋なのでバラ売りはしてないので240個買った。

知恵熱が出そう

ラジコンのヘリコプターや車が安く売られていた。帰りの荷物になりそうなので買わなかったが今になって欲しくなっている。
が、写真はヘリコプターではなくてへんなものばかり撮っていた。
レゴトラマン
レゴトラマン
むしろかわいい
むしろかわいい
台車にBMWと書くギャグは万国共通
台車にBMWと書くギャグは万国共通
ガラケー
ガラケー
イーウーを移動するためにお願いしたリアカーバイクが途中で電池が切れてしまい(電動バイクなのだ)、運転手のおっちゃんが手で押してくれたり、帰りのバスがドアを閉めないで発車していんちき番長と瀬高さんが落っこちそうになったりしつつイーウーをあとにした。

「落っこちそうになったり」って軽く扱う話ではないけどそれぐらい濃い体験ばかりだった。
朝から晩まで超ハードな買い物だったのに帰りの新幹線で一睡もしないで買ったおもちゃで遊んでるふたり。絶対に脳内からなんか出てる。
朝から晩まで超ハードな買い物だったのに帰りの新幹線で一睡もしないで買ったおもちゃで遊んでるふたり。絶対に脳内からなんか出てる。

ハトが届くのは3ヶ月後

ハトのおもちゃが240個も来るので、ラジコンにして走らせる、iPhoneケースにする、100個ぐらいくっつけてでかいハトにするなどなんでもできる。ちょっと失敗しちゃっても240個あるから平気だ。

今年の中盤の記事がすべてハトを改造するという記事になっていたらごめんなさいだ。
瀬高さんが買ってたシールドマシンの模型。これデイリーにふたりぐらい欲しがる人いる。
瀬高さんが買ってたシールドマシンの模型。これデイリーにふたりぐらい欲しがる人いる。
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