阪急そば(梅田)
もう一度いいますが「関東はそば、関西はうどん」というイメージ。しかし関東はそば屋ばかりでもないし、関西はうどん屋ばかりでもない。ちなみに自分は九州出身ですが焼酎はあんまり飲めないし、とんこつラーメンもめったに食べない。そういうニーズもわかってか、関東も関西もいわゆる「立ち食い」はそばもうどんも出すお店が主流。
しかし、その中でも関西と関東では違いがあるはず。同列のようでいてうどんを押してしまう関西人’sハート…。そういうところを券売機から探ってみたいのです。
まずは阪急電車の駅を中心に店を構えている「阪急そば」。いきなり関西なのにそばなのか、と思ってしまうけど、その券売機を見ればやはり漂う関西ぽさ。
しかし、その中でも関西と関東では違いがあるはず。同列のようでいてうどんを押してしまう関西人’sハート…。そういうところを券売機から探ってみたいのです。
まずは阪急電車の駅を中心に店を構えている「阪急そば」。いきなり関西なのにそばなのか、と思ってしまうけど、その券売機を見ればやはり漂う関西ぽさ。
梅田駅構内のお店。
いたってよくある券売機だけど、これをあえて比べます。
左上、まず人の視線がいくところにきつねうどん。
「人の視線は左から右、そして上から下に行く」という話があります。そう考えると左上にあるものが一番推してるメニュー、もしくは定番として売れてるものがあるはず。
そう考えるといちばん上が主に「うどん」の列、しかも左上は「きつねうどん」。それを考えると「そば屋」ではあるけども、うどん主流を感じますねえ。やはり関西!比較的オーソドックス中心のラインナップですが、トッピングに「にしん」「きざみ」があるのが実に関西ぽい。
そう考えるといちばん上が主に「うどん」の列、しかも左上は「きつねうどん」。それを考えると「そば屋」ではあるけども、うどん主流を感じますねえ。やはり関西!比較的オーソドックス中心のラインナップですが、トッピングに「にしん」「きざみ」があるのが実に関西ぽい。
定食の写真もうどんだ。
おあがりや(梅田)
比較的近いJR大阪駅構内の立ち食い「おあがりや」にも行ってみる。こちらはそば・うどんメインの表記はないので、「うどん屋」とも「そば屋」とも言えない。でも、表の垂れ幕見た限りでは「カレーうどん・そば」とうどんが先。ということはやはりうどん推し…。まあ、「カレーそば」より「カレーうどん」の方がポピュラーだから、という気もしますが。
そば屋ともうどん屋とも主張しない優しい店構え。
でもサンプルの麺類は右下以外ぜんぶうどんだ。
そして券売機は…まずボタンが多い。
うどん・そば独立してボタンがあるんですねー。
…と、自分で書いてても券売機見て特徴や印象論だけで書いていても、この記事ぜんぜん届く気がしないな。むむむ。
それで券売機のボタンの並びを図にしてみた。大きく「うどん」「そば」、そしてセットを中心とした「定食」、丼やおにぎりなどの「ご飯」だ。あとトッピングやお酒類だったりの「その他」。上のおあがりや券売機を図にするとこうなる。
それで券売機のボタンの並びを図にしてみた。大きく「うどん」「そば」、そしてセットを中心とした「定食」、丼やおにぎりなどの「ご飯」だ。あとトッピングやお酒類だったりの「その他」。上のおあがりや券売機を図にするとこうなる。
右下にある「う・そ」は「年明けうどん・そば」、つまり一枚でどちらも注文できるメニューだけど「うどん→そば」の順で書かれているボタンだ。「××そば・うどん」なら「そ・う」。うどん寄りは赤系、そば寄りは青系に一応統一してみた。
それで最初の阪急そば券売機を図式にするとこうなる。
それで最初の阪急そば券売機を図式にするとこうなる。
おお、左上に「きつねうどん」があったからうどん優勢に見えたけども、他の共通ボタンは「××そば、うどん」表記だった!左上のきつねに騙されかけたけど、全体でいえばそば中心なんだなあ。やはり基本はそば屋なんだな、阪急そば。
こんなPOPもあったし。うどんじゃダメなのか。
こんな感じで関東と関西の立ち食いのお店の券売機をチェックしていきたいと思います。そこには何か答えがあるのか?いわれなくても俺がすごい心配です。
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松屋(難波ほか)
さて続いては大阪中のあちこちにあるチェーン「松屋」。店によって見た目がぜんぜん違ったりしますが、うどんそばがお安いのは同じ…と思ったら、店によってかけうどんが160円だったり170円だったりした。チェーンなのに珍しいな。
道具屋筋にある小綺麗な方の松屋。
たまにはうどんの写真も。揚げがあまくてうまい。
さて券売機は…うどん・そば分離型。
食券に「○○うどん・そば」と書かれていて、カウンターで「うどん(orそば)お願いします」というタイプではなく、食券買う時点でうどんかそばか分かれてるタイプだ。って長々と書いてるけど実にフツーな話ですね…。
自分の中では「オーソドックスな大阪の立ち食いうどん屋」のイメージがある松屋だけど、券売機の配列は意外とノーマル。まるでPCを初期化した時みたいだ。
最左の列は上からかけうどん、月見うどん、天ぷらうどん…という流れ。最安値メニューが一番目につくところにあるのは優しさか。あと「油かす」があるところが大阪っぽいですね。あと意外と定食推し。
自分の中では「オーソドックスな大阪の立ち食いうどん屋」のイメージがある松屋だけど、券売機の配列は意外とノーマル。まるでPCを初期化した時みたいだ。
最左の列は上からかけうどん、月見うどん、天ぷらうどん…という流れ。最安値メニューが一番目につくところにあるのは優しさか。あと「油かす」があるところが大阪っぽいですね。あと意外と定食推し。
別の松屋。こちらは「ハイカラうどん&そば」があった。
なんばうどん(難波)
続いては文字通りなんば駅近くの「なんばうどん」。ひさしにどーんと「うどん」と書いてあるわりには、券売機はすごいバリエーション多数。ラーメンもきしめんもにゅうめんもあるよ!ということで「他麺」というジャンルを作ってみた。
最安値クラス160円に加えてサイドメニューも多数。
意表をついたメニューは「カレーラーメン」か。
それでも選択型ボタンは「うどん・そば」の順番をキープしており、うどん優勢の型は崩さない。ちなみにこちらのお店でそばはあるのにうどんにないトッピングが「たぬきそば」「にしんそば」「山菜そば」。ちなみに関西では「たぬきそば」=「油揚げ乗せそば、いわゆるきつねそば」だったりするので注意な!それも全部ではないところがなかなかトリッキーなんですが。
南海そば(天王寺ほか)
さてまた電車系の立ち食いに戻りますよ。今度はJR天王寺駅にあった「南海そば」。「阪急そば」同様にそばメインっぽいネーミングだけど、その扱いはいかほどか。
なんかのれんが「男湯・女湯」みたいだ。
でも券売機は左がそば。図にするとすごいキッチリ感。
おお、見事にそば・うどんが拮抗!千日手だ!関西では珍しくそば寄りの券売機といえなくもない。南海が得意とする和歌山方面というとまた別の麺カルチャーがあるのだろうか?「和歌山ラーメンの影響で相殺」とかカードゲームぽい感じだったりするのか。
浪花そば麺屋一義
(千日前ほか)
(千日前ほか)
そして関西立ち食いうどんそば巡りのラストは千日前の「浪花そば麺屋一義」。玉子かけごはんも売りの立ち食い、てズルイというか惹かれるよなあ。
そういえば大阪のうどん屋って赤ちょうちんちらほら見かけますね。
「親子とじ」「五目あんかけ」あたりが珍しい。
ほとんどがカウンターでうどん・そばを指定する券。ちなみに関西ぽいのが「九条ねぎうどん・そば」ですね。あとそば版がないのが「鍋焼きうどん」「温玉うどん」、逆にうどんがないのが「ぶっかけとろろそば」。
と、これら関西の立ち食い店を他の用事をこなしつつ1泊4日で回ってみました。あらためて思ったのが、大阪って東京に比べてさぬきうどん系の店が少ない!あとつけ麺屋もない!香川なんてすぐ近くなのにちょっと意外。
その辺に何でもウェルカムに取り込む関東に比べて、関西の頑ななスタンダードさを感じさせますな。
と、これら関西の立ち食い店を他の用事をこなしつつ1泊4日で回ってみました。あらためて思ったのが、大阪って東京に比べてさぬきうどん系の店が少ない!あとつけ麺屋もない!香川なんてすぐ近くなのにちょっと意外。
その辺に何でもウェルカムに取り込む関東に比べて、関西の頑ななスタンダードさを感じさせますな。
それとは関係なく「こぶうどん」。これも関西らしいメニューすね。
では一方関東の立ち食いの券売機は関西とは違うのか?ヒョーイと帰り次第(実際は深夜バスで8時間)調べてみますよ!
関係ないですが関西でみつけて吹いた看板。パンダ逃げて!
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そば処中山道
(川口駅ほか)
(川口駅ほか)
さて関東の立ち食いそばというと、やはり駅そば。まずはJRの「そば処中山道」。東京のJRの駅そばというと「あじさい茶屋」ですが、埼玉方面はこっちが多い。といっても基本的にはほぼ同じメニューです、季節メニューなんかも含めて。
駅構内にあるタイプのお店です。
どこかスマートな券売機。その配列は…。
おお、ほぼパーフェクトな勢いで「そば・うどん」の並列型食券。ちなみに唯一のそばは季節限定メニューの「街道そば」です。あらためて、やっぱり関東での表記は「そば先、うどん後」なんだなあ。
ちなみにJR新宿駅の立ち食いそば屋。
ほぼ同じラインナップ。
吉そば(高田馬場ほか)
続いては「吉そば」。看板に「天麩羅蕎麦 饂飩」と掲げてるだけあって、天ぷらが売りの立ち食いそば屋です。ちなみにこの時期のレア天ぷらはレンコンを使った「はす天」。他チェーンに比べたらまだ店舗数も少ない吉そば。しかしトッピング好きには「天ぷら」という存在はけっこうデカいのだよなあ。
比較的新しいので小綺麗な店構え。
各種天丼も売りなのでセットも多い。そして配列は…。
あれ、今度は完璧に「そば・うどん」!オリジナルの「××そば」「××うどん」もないという…。ただ上に定食と丼ものが並ぶところから見ても、推しは「天ぷら」とも言えるけども。
信州そば本陣
(JR新宿駅)
(JR新宿駅)
そして関東3軒目はJR新宿駅東口にある「信州そば本陣」。やっぱ信州そばですからね、ズラリと「そば」が並んでいてもいいんじゃないでしょうか、と期待して券売機を覗き込む。
人通り多い場所だけに券売機二台体制。
人通り多い場所だけに券売機二台体制。
「カニカマ」「豚南蛮」など独自のトッピングも多いこちら。しかしそのボタンはほとんど「○○そば・うどん」だった。ということで図にしたらこんな感じに。
すごいなあ、目チカチカするな…。これ「う・そ」がこれだけの量だったら、欺瞞を告発する電波の人みたいですね。信州そばだったからもうちょっと何かしらそば推しの部分があるかと思ったら。
うーん、関東は思ったよりまんべんなく「そば・うどん」なんだなあ。しかし、まだあのメジャー立ち食いそばチェーンを調査してないじゃないか!それを見ずしてはこの調査終われないでしょう。
うーん、関東は思ったよりまんべんなく「そば・うどん」なんだなあ。しかし、まだあのメジャー立ち食いそばチェーンを調査してないじゃないか!それを見ずしてはこの調査終われないでしょう。
吉そばの天たまそばを見ながら次のページへ!
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富士そば(新宿ほか)
関東の立ち食いそばを調査するなら、やはりここは外せない!ということで来たのは「名代 富士そば」。東京を中心に90店舗以上を構える立ち食いそばの代表格。ここの券売機を見れば、東京スタンダードが分かるのでは?
歌舞伎町にある新宿東口店です。
券売機にあるそば・うどんの文字…あれ?
そもそも「そば・うどん」の表記がない。
まさか、そば・うどんの文字すら券売機になかったとは…。まあ注文する時は空気読んでちゃんとそばかうどんか大きな声で言いましょうね、ということで。あと、よく見ればそば尊重の空気をにおわせるこんなボタンも。
セットにある表記は「そば、うどん」。
オフィス街や繁華街中心に出店している富士そば、全国から仕事や遊びに来た人が食べる機会も多かろう。やはり一国の首都にあるそば屋としては、そばとうどん、どっちを先んじるわけにはいかないということか…。いやたぶん違いますけども。
そんな結論を噛みしめながら赤富士そばを食べる。
梅もと(赤羽ほか)
ちなみにこういう「そば・うどん」のどちらも表記なかったのは、同じく都心チェーンの「梅もと」もだった。
ペルー人のバンドが演奏する赤羽駅前にて。
最上段が定食、そしてそばうどん系。
ま、一応「そば・うどん」派ではあるようです。
大阪はそれとなく「うどん推し」が目についたけども、東京の券売機は予想以上に「そば推し」ではなかったなあ。「2つ並べるんだったら、まあそばが前かな」くらいの大人びた態度でのそば優先。
ただそれ以上に東京の券売機の特徴は「定食推し」!だいたい一番上の段が定食・セットなんですよね。利幅的なものかもしれないですが「ご飯としてしっかり食べるのがそば」、「ご飯でもいいし飲んだあととかにチャチャッと食べるのがうどん」という傾向があるのかもしれない。なぜかというと、自分がそうだからなんですけどね。
「大阪のちょっとだけ押しが強い感」が少しだけ証明されたような、されてないような。最近は讃岐うどん店のような、そばかうどん一方しか食べれない店も増えてますが、立ち食い店の選択肢の多いワンダーさは魅力ですよ、やっぱ。
ただそれ以上に東京の券売機の特徴は「定食推し」!だいたい一番上の段が定食・セットなんですよね。利幅的なものかもしれないですが「ご飯としてしっかり食べるのがそば」、「ご飯でもいいし飲んだあととかにチャチャッと食べるのがうどん」という傾向があるのかもしれない。なぜかというと、自分がそうだからなんですけどね。
「大阪のちょっとだけ押しが強い感」が少しだけ証明されたような、されてないような。最近は讃岐うどん店のような、そばかうどん一方しか食べれない店も増えてますが、立ち食い店の選択肢の多いワンダーさは魅力ですよ、やっぱ。
梅もとの薬膳天そば食べて帰ります。具は薬膳なのに天ぷら!
とりあえずこの季節はメガネが曇る。
ひさびさにうどんいっぱい食べた
あと回ったチェーン店の傾向かもしれませんが、関東の方が「企画メニュー好き」、関西が「定番メニュー」な気しますね。あとあらためて思ったのは「うどんはうどん用のだしで食べた方が美味い!」。基本ですけどね。