この看板に釘付けに
店舗限定、デザート強化
先日家の近くのリンガーハットに行ったら、おどろいた。
マンゴーをまるまる一個注文できるというのだ。そんなラーメン屋、ないだろう。さっそくちゃんぽんと一緒に頼んでみた。
「つけちゃんぽん」という不思議なメニューにマンゴーを合わせてしまった
なんでこんなにマンゴーに興奮しているかというと、僕は今までの人生でマンゴーを食べたことがないからだ。
今まで食べたことない種類の不思議な南国の木の実、それがまるっとそのまま近所のショッピングモールのラーメン屋で出てくるのである。そういうのは島の現地住民と仲良くしないと食べさせて貰えないイメージあった。
それから、つけちゃんぽんってのも聞いたことなくて何気にすごい。実は、初マンゴーの興奮に集中できずにちょっとこっちにも気が散っている感がある。ふつうのにすればよかった。
食べやすくカットされておる
はじめてなので、よく見る
マンゴーは酸っぱくて、キウイとモモの中間くらいの味がした。ちゃんぽんに合うかどうかはさておき、すごく南国っぽい。
長崎の日曜のお昼はきっと、こんな風にちゃんぽんといっしょにマンゴーを食べるのが定番なのかもしれない。
うちの実家ではカレー食べた日によく一緒にリンゴが出ていたんだが、多分そんな感じ
セレブが食べるみたいな杏仁豆腐
ここでは杏仁豆腐も強化されていた。5種類の果物を用意してある。そのうち1~3種類まで好きな果物を杏仁豆腐に入れられるというシステムである(入れる果物の数によって料金が変わる)。
ホテルの朝みたいなことになってるリンガーハット
メロンとマンゴーとイチゴ入れてもらった
うまくないわけがない
このフードコートの中には、7種類ほどの外食チェーンが入っている。その中で僕の食べている杏仁豆腐が一番うまそうだった。
この空間の中では完全なる勝ち組である(他の人の食べているものの貧相なこと!)。世の中のお金持ちは、世間をこんな風に見ているのか…。
ふつうの杏仁豆腐
ちなみに一般的な店舗ではこんな風に小ぶりの杏仁豆腐が売られている。
杏仁豆腐120円
こっちの方がちゃんぽんのデザートにはちょうどいい。というか、さっきのゴージャス杏仁豆腐はゴージャスすぎる。
食べるミルクセーキ
ちょっと前までリンガーには「食べるミルクセーキ」というのもあった。
今年の夏に食べたけれども写真がない
すごく自分好みの味だったことをよく覚えている
シャリっとした細かい氷の食感と、ちょっと卵くさいような香り。それに素朴な甘さがあってすごくうまかった。
もう販売していないので、食べられない。長崎だけのものにしておくのは惜しいので、またそのへんのリンガーで食べられるようにして欲しい。
リンガーハットで酒を飲む
リンガーハットには100円でつまみが食べられる「一品小鉢」というメニューがある。これ本気の酒飲みっぽいメニューで、みょうにちゃんぽんから外れているのだ。
イカの塩辛と、コールスローサラダ。ともに100円
一気に場末っぽい雰囲気になる
まるっきり大衆酒場だ。
最近ではファミレスなんかでもおつまみメニューを充実させているが、ここまで振り切ったメニューはないだろう。
この後チャーハンを頼んだら、チャーハン味の炊き込みご飯みたいな味がした。どこまでもチープな夜だ。
チャーハンのお皿のとんぼがすごくかわいい
居酒屋タイプのリンガーハット
ふつうのリンガーハットもすごいのに、居酒屋タイプのリンガーハット、というのもある。まだ店舗数は少ないが、JR飯田橋の駅の近くにあるので行ってみた。
一見ふつうのリンガーハットと変わりないが
入り口に赤ちょうちんが!
入口の食品見本の魅力的なこと
店内は特に居酒屋らしくはなく、知らなければふつうのリンガーハットと区別がつかない。この食品見本もたぶん見逃す。
あらかじめ「リンガーハットで酒を飲みたい」という強い気持ちを持っている者だけが、ここを見つけられるのだ。飯田橋の駅前にひっそりとたたずむ聖域である。
乙類焼酎に本醸造の原酒
生ビールもずいぶん安い。こりゃいいな、と思っていると、もっといいのがあった。
その名も「東京スカイツリージョッキ」634ml、500円!
飯田橋も長崎もスカイツリー全然関係ないだろ!と思う一方、なんだかすごくときめいてしまう。
高さの象徴・スカイツリーを、ジョッキにいれてしまう。おれは巨人だ
長崎おでん
長崎おでん、というのをはじめて食べる。焼きアゴでダシをとっているそうで、ちょっと甘いような味がした。
イワシバーグ
いちいちメニューに長崎の色を出してくれているのがうれしいな、と思っていたのだが、長崎っぽいメニューはこの二つくらい。もうちょっと長崎にちなんだ食べ物を食べてみたい。
砂肝炒めの
砂肝がちょっとでかめに切ってあってミラクル!と思って撮った写真
しかし長崎に関係ないメニューも、定番なのだが、すごくちゃんとおさえるところをおさえてあるのであった。ゲソとか砂肝とかなのだが、ニコニコしてしまう。リンガーハットの妖精に脇腹をくすぐられているような気分である。
締めはみそちゃんぽん
ミドルちゃんぽんを思い知れ
ここまでサイドメニューがすごいすごいと書いてきたが、そもそも、ちゃんぽんも色々工夫されているのだ。
スタンダードな長崎ちゃんぽんは、量を5種類から選べるようになっている。細かい。
ちゃんぽん(麺2倍)
ちゃんぽん(麺1.5倍)
ちゃんぽん(普通の)
ミドルちゃんぽん
スモールちゃんぽん
全種類食べてみて、特にいいのは「ミドルちゃんぽん」だ。
野菜の量はふつうのと同じで、麺は50グラム少ない。一口か二口ぶんぐらいの微調整である。しかし食べると「野菜炒めを食べている感」がすごく強くなる。おかずっぽい。
単なる量の調整だけで雰囲気変えてくる、というのが匠っぽくていいのだ。
野菜たっぷりちゃんぽん
ちなみに、本当にたくさん野菜を食べたければ「野菜たっぷりちゃんぽん」というメニューがある。
野菜たっぷりちゃんぽん
こっちは野菜がもう飽きるくらいたくさん入っている。リンガー側もそれを見越してか、「ちゃんぽんドレッシング」なるものをつけてくれる。味を途中で変えられるのだ。
ゆずこしょうドレッシング
「麺類にドレッシングをかけてしまった!」という変な後ろめたさがある。やっちゃったーと思っているんだが、野菜をたくさん摂れるので健康的だ。
店内ポスターもよくみると巨大でドキドキする
海鮮系ちゃんぽんとその周辺
リンガーハットではよく季節ごとの海産物を入れた限定ちゃんぽんを提供している。春にはアサリちゃんぽん、夏にはアナゴを使った冷やし麺、秋にはヤリイカちゃんぽん。そして冬はカキのちゃんぽんだ。
カキちゃんぽん。スープにカキのうまみがよく出ていて、たいへんおいしい
こうしたリンガーの海鮮系ちゃんぽんには種類に関わらずだいたい「エビ」が入っている。そこでかならずオプションとしてついてくるのはこちら。
「エビの殻入れ用小皿」である
行き届いているんだが、食べたエビの殻を出すところを、リンガーに見られているようないやな感じがしなくもない。
さらに今回カキちゃんぽんを頼んでびっくりしたのがこちら。
お盆の上に「滑り止め」のゴムシートがついてくる
これ、他のちゃんぽんにはついてこない。カキちゃんぽんの丼だけが、特別によく滑る事情…というのを考え込んでしまうが全く想像がつかない。
こんなのないよな
おれ独自の食べ方を考えました
何回もリンガーに足を運んでいっぱい食べてきた。ここで、僕が考えたおすすめのリンガーの食べ方を紹介したい。
まず絶対にお勧めなのは「テイクアウト」だ。
外に直結している持ち帰り専用カウンター
近未来っぽい入れ物に入って出てくる
皿うどんとか餃子ならまだしも、汁ものをいちいち持ち帰る奴なんかいるのか…僕も最初はそう思っていました。
割りばしの袋には「ちゃんぽんは15分以内にお召し上がりください」と書いてある。麺が伸びるからだ。
15分以内に持ち帰れないのでここで食う
外で食べるちゃんぽんは100倍うまい
そう、真実は店の外にあった。
うますぎる
店の中で食べるちゃんぽんとは、全くうまさの次元が違うのである。
あの麺の味が、スープの塩気が、そもそも調理された食べ物のもつ温かさが、店内で食べる時と全く違う意味を持つ。消化器系全体が温まってゆくのがよくわかる。
本能というか、生命が生きるということに直結する何かを感じ取った。
なんか暗いとまずそうに見えるでしょう?とんでもない!
ちょっとその辺の路上で解脱しそうな感じになるが、気温が温かくなる前に必ず試していただきたい食べ方だ(たぶん暑くなったらこの食べ方そんなにおいしくない)。
フライドチキンちゃんぽん
最近、リンガーハットはスーパーのフードコートへの出店も多くなってきている。
こういうところはふつうの店舗とくらべて、メニュー数も絞られているのだけれども、周りをよく見渡してほしい。ここにある全ての食べ物をちゃんぽんに合わせることができるのだ。
さらなる可能性を求めて、ケンタッキーのオリジナルチキンを1ピース(となりのブースで買ってきて)、ちゃんぽんにトッピングしてみた。
オーマイゴッド、フライドチキンちゃんぽん
ちゃんぽんに入れたら丼全体が一気にアメリカ!って雰囲気になった。
1ピースで全部持って行くケンタッキーの存在感。会議中にでかい声で発言して、意見を全部通す人、みたいなパワフルさがある。
ちゃんぽんの声の小ささにそっと耳を傾ける食事になりました
リンガーハットの奥深さ
デザート、お酒、ちゃんぽん、最後に僕独自の食べ方、と紹介させてもらった。リンガーハットは一見、ちゃんぽんだけをずっと出しているような気がするのだが、意外とメニューの入替も激しくて面白い。昔はトンカツ定食をだしていたこともあったし、最近では女性向けのお店を出していた(もうなくなったみたいだけど)。
そして色々見てきた中で一番のおすすめは、テイクアウトである。