無限の欲望を限りなく満たす装置
最終的に出来るのはこういうものです。
とにかくなんだか障子が破けるぞ、というのは分かると思う。
重力のない環境ではうまくいく設計
障子の張替え作業をいままでしたことはないけれど、 破けたor快楽に身を任せて破いてしまった障子の張り替えは、かなり面倒な作業だと思う。
そこで破いてもすぐに復活できるこんな障子を考えた。
二つの障子紙ロールの間に、障子の枠を入れた装置である。
※指です
もしこんな風に若き衝動にまかせて、指で障子を突き破ってしまったとしても大丈夫。
こんな風に障子を巻き取れば、枠の破けた障子紙がスライドして、
※指です
何度でも衝動のままに!という感じのもの。
脳内シミュレーションでも完璧で、3Dのシミュレーションでも完璧な仕組み。 いつも重力のないところではうまくいくのだ。
うまくいったらむしろ書くことなかった
材料は各々の形にあった木材とネジと障子紙。 自分の工作スキルは悲しいほどよく分かってるので出来る限りシンプルにしたい。
ゴリラは枠の支えになるので必須です。
小学校の頃の自由研究はこんなのでした。
巻いた障子紙を両方に設置。
枠はこんな風に板の四隅をネジで止める。
フレキシブルアーム。
障子紙を板の隙間に入れてネジで固定。これで障子を押してもフニャッてならない。
いつもなら障子紙の部分を電動にしようとしてグタグタ になるのがおなじみの展開だが、一刻も早く障子に指を突き刺したいので 今回はやめておこう。
なので順調に完成しました。
まだうまく動作するかどうかは分からないが、割と簡単に見た目の目指すところにはなった。
ヘタなんだから余計なことをしない。それが工作の極意です。
障子の雰囲気もグー。
おしゃれルームランプの作り方、で終わってもいいかもしれない。
卵の殻を破れないヒヨコのように
形は最初に思い描いていたものが出来た。 性能はどうか。
後ろに指が待機しています。
ポスッ
ポスポスッ
ご存じですか?障子紙はとっても丈夫なんですよ。
指で突こうとした時から「障子紙ってこんな厚かった?」と、なんとなくイヤな 予感がしてましたが、まさにその通りでした。
土台は大事
幸いにも失敗した理由は思い当たる。そして不幸にも解決策が分からない。
というのが毎度おなじみの状況ではあるが、今回は原因があまりにもあまり過ぎた。
原因=違法建築
枠を自立して立たせるために下に木のブロックを接着したら 横の障子紙ホルダーと高さが合わなくなったので、下に同じブロックをムリヤリ付けてたのだ。で、このジェンガ状態である。
この部分は回す以外に動かさないからこれで大丈夫だろうと思ってたが、 やっぱりいくらなんでもこれはなかった。
紙も土台もがちがちに固定するのが大事。
濡らして破れやすくする最終手段も準備。
あふれ出た衝動。
気持ちいい。十数年ぶりに破く障子は、変わらない気持ちよさだった。
しかしもっと重要なのは障子が入れ替わるシステム。これがうまく機能するかだ。
最後に怪物みたいな声が聞こえるのは、失敗したときの声がスロー再生になってしまっただけです。
いけた 連続でもいけた
最後はうまく破けなかったけど 障子を新しくするシステム自体はうまく機能してる。
これでどんなに破っても、復活→破くの無限ループが出来た。 破りたいボクも直したいおかあさんも大喜び。よかったー。
ワクワク障子破り
ここからは念願成就の大障子破りタイムである。破るぞー。
まず障子を自由に破いて良い、ということになって、日本人がやりたいことはこれだと思う。
ソーセージ。
なぜと言われると困るが、指に似てるからこれでも出来るかどうか検証したいのと、 文学的な深い意味合いが含まれるからだ。
しかしそのままではとても突き破れそうには思えなかったため、 濡らして強度を弱くしておく。
出た。
指に比べたらだいぶフニャフニャしてるので慎重に、しかし大胆に突き破る。
もし本当の障子でこんなことしたらすごい剣幕で怒られるところだが、 これはすぐ復活する障子なのでなにも問題ない。しかもソーセージは食べ放題である。 なにかは知らないがなんとなく一石二鳥だ。
こんなのしか思いつかなくてすみません
ソーセージの次に障子で破ってみたいものを考えたら、やっぱりバナナだろう。
バナナ。
理由はやはり文学…というより100%フィーリングである。つまりメンタリズムです。
しかしソーセージより固いがより太いので、これも指に比べて破れにくそうではある。
「差し入れデース」
おいしくて栄養満点の朝のフルーツであるバナナが、障子を突き破っただけでやけに猛々しいフルーツに見える。
それに関してなにか言うよりも、 障子を破ることの楽しさに話を戻した方がもういいような気がしたのでもうやめます。
それでも障子は常に新しい。
絶対に破ってはいけないアレ
障子は破ってはいけない。それは分かってるけどどうしても破りたい衝動にかられて、ウッカリやってしまう。
そんな子供でも、これだけは絶対破ってはいけないだろうと、 恐れおののいていた障子がある。
シールでごまかしてるやつ。
破けた箇所を張り直さず、こういう桜とか適当な和風シールでお茶を濁してる障子。
一度破って怒られた場所のため、またここを破ってしまったら怒りを数倍にして買うことは目に見えている。 子供心にここだけはなんとしても避けておこうとナーバスになっていた記憶はいまでも強い。
ここだけは絶対に破ってはいけない障子の聖域だ。
しかし今はお構いなしに破る。うわー!
でもスライドさせると、
こんばんは、新品です。
これがもし本当の障子でやってたら罪悪感で寝込んでたかもしれないが、 この装置であればすぐに元通り。
こうやって人は自分の力で過去のトラウマを乗り越えていくんですね。わかります。
若者の衝動としての障子破り
若者の衝動はだいたい悪いことばかりだが、 そこに来てこの障子破りは多少バイオレンスな要素を含んでるとはいえ、 衝動のはけ口としてかなり平和的である。 ヤンキーというものが絶滅して久しくなった昨今、 セックスドラッグロックンロールに代われるかもしれない。
近いうちに障子破りという青春ドラマが出て、 盗んだ障子で破り出す展開を期待したい。