特集 2012年11月3日

猫料理を食べに行った

猫カレー
猫カレー
日本でただ一人のちくわぶ料理研究家の方と知り合いになったのがきっかけで、前回『ちくわぶ料理の可能性を見極める』という記事を書いた。
しかし、このちくわぶ料理研究家の丸山さんが週末だけ営業するカフェをやっていて、しかもちくわぶ料理ではなく猫料理を出すお店だというのだ。
ところで猫料理って、なに?
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

前の記事:ちくわぶ料理の可能性を見極めたい

> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

ちくわぶ料理と猫料理

もともと丸山さんと知り合いになったきっかけというのが、デイリーポータルのイベントでお馴染み東京カルチャーカルチャーで開催された『猫モノナイト』という猫好きイベントで、そこに僕が猫文具デザイナーとして、丸山さんが猫料理人としてそれぞれステージに上がることになったのだ。
日本でただ一人のちくわぶ料理研究家として以前紹介した丸山晶代さん。
日本でただ一人のちくわぶ料理研究家として以前紹介した丸山晶代さん。
猫文具デザイナーというのも我ながらよく分からない職種だが(その時たまたま『猫が喜ぶ文房具』という企画していたので)、猫料理人というのがまた輪をかけて謎だ。まさか猫を料理したものではあるまいし、猫が食べる用の料理というのも何か違う。

で、壇上で丸山さんの話を聞いてようやく理解できた。猫の形をした料理だったのだ。
イベントで紹介された猫の顔型ハンバーグ、にゃんバーグ
イベントで紹介された猫の顔型ハンバーグ、にゃんバーグ
丸山さんのお店では、こういう料理ばかりが出てくるらしい。なるほど確かにこれは猫料理だ。他にどんなモノが出るのか、これは見てみたい。

ねこまる茶房にお邪魔してみた

猫料理カフェ・ギャラリー『ねこまる茶房』は、JR鶯谷から徒歩10分ほど。ふつうの住宅街の中に、ふつうの住宅のフリをしてあった。
なんかこのそっと潜んでる具合からしてすでに猫っぽい。
実際、住所を頼りに来てはみたもののお店が見つけられず10分ぐらい周りをウロウロしていた。
部屋の隅に積んどいたAmazonの空箱で寝てた、ぐらい猫っぽい見つけにくさ。
部屋の隅に積んどいたAmazonの空箱で寝てた、ぐらい猫っぽい見つけにくさ。
目印その1.ひかえめな看板
目印その1.ひかえめな看板
目印その2.看板よりはるかに目立つ謎のオブジェ(テレビin招き猫
目印その2.看板よりはるかに目立つ謎のオブジェ(テレビin招き猫
中に入ると、そこらじゅうが猫モチーフだらけ。
ここから記事の終わりまでの写真に猫が何匹写っているでしょうクイズが出来るかと思ったが、結局やらないことにした。
「数えるのが面倒なので最初から諦めました」と正直に謝れるぐらいいっぱいいるからだ。
まず、お迎えしていただいた丸山さんの着物と帯がいきなり隠れキャラ的に猫。
まず、お迎えしていただいた丸山さんの着物と帯がいきなり隠れキャラ的に猫。
そして足元には猫スリッパの群れ。
そして足元には猫スリッパの群れ。
油断するとリアル猫も出てくる。丸山さんの飼い猫ももさん。
油断するとリアル猫も出てくる。丸山さんの飼い猫ももさん。
もちろん、食堂に移動しても猫ばかりである。
気がつけば至るところに猫がいる状況。
気がつけば至るところに猫がいる状況。
席に座っても、基本的にやることは「猫探し」
席に座っても、基本的にやることは「猫探し」
実は丸山さんは『元祖猫商 丸山商店』という猫雑貨のネットショップも経営されているので、元より猫グッズの品揃えに関しては他の追随を許さないのだ。
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猫の多い猫料理店

猫料理メニュー。喫茶メニューも豊富。そして全部、猫。
猫料理メニュー。喫茶メニューも豊富。そして全部、猫。
猫探しもいい加減にキリがないので、そろそろ肝心の猫料理をいただきたい。
ねこまる茶房のフードメニューは月替わりとのことで、お邪魔した時は「肉球えびカレー」「ニャポリタン」そしてスペシャルの「ヨウカンさんカレー」となっていた。
肉球えびカレー。えびのすり身揚げがフカフカで、あふれる肉球感。
肉球えびカレー。えびのすり身揚げがフカフカで、あふれる肉球感。
パプリカをくりぬいた猫がトッピング。芸が細かい!
パプリカをくりぬいた猫がトッピング。芸が細かい!
ニャポリタン。長毛種なのか。
ニャポリタン。長毛種なのか。
こちらに関しては、メニューを見た時から「ご飯はまだしも麺類で猫を作るのは果たして可能なのか」と疑問だったが、その問いに対してまさかの直球勝負。
結果としては、かわいいが三分で「えっ、マジで?」が七分というところだろうか。そして、そのマジで?という一言の疑問符の中に面白とか恐怖とか複雑にいろいろなものを含んでいる。
いとも簡単にフォークでほぐれていく猫。
いとも簡単にフォークでほぐれていく猫。
ヨウカンさんカレー
ヨウカンさんカレー
そして最後がスペシャルメニューのヨウカンさん(丸山さんのお友達の飼い猫)カレー。口の周りが小さなおにぎり二つで立体的に表現されている。
なんで友達の飼い猫がわざわざカレーになっているかというと、そこは非常に分かり易い話で、ヨウカンさんがとても「絵になる」キャラクターだからだ。
店内に飾ってあるヨウカンさんの写真。まさか本当に存在した、カレーとほぼ同一の生物。
店内に飾ってあるヨウカンさんの写真。まさか本当に存在した、カレーとほぼ同一の生物。
見事なまでにおっさん顔のヨウカンさん。地球上の生物を大きく二つ「猫」と「おっさん」に分類したとすれば、おっさん側の箱に入ること間違いなしだ。なぜなら、キャットフードより焼酎の梅割が似合うから。
最近ペット業界ではブサイクかつカワイイ=ブサカワという概念がもてはやされていると聞くが、ヨウカンさんは、かつカワイイとかそういう逃げの要素抜きで、ただただシブい。
あと、この実物写真を見ながら食べるヨウカンさんカレーは大変に味わい深く美味しい。こんな楽しい実物がいてくれてありがとう、という感謝の気持ちとともにいただくからだろう。
少なくともニャポリタンの実物がいて欲しいとは思わないし、いたらたぶん怖い。

似顔絵対応あり(猫限定)

そして食後の楽しみにとっておいたのが『ニャプチーノ』。
実はこのメニューに関してのみ事前に「写真があれば似顔絵対応しますよ。猫限定ですけど」と聞いていたので、わざわざ猫を飼ってる友人に写真持参で同行してもらったのだ。
猫馬鹿な飼い主が我が家の猫自慢をしてるように見えるが、大事な打ち合わせ中だ。
猫馬鹿な飼い主が我が家の猫自慢をしてるように見えるが、大事な打ち合わせ中だ。
写真を見ながらイメージを打ち合わせ、待つこと十分ほど。
出てきたのがこれだ。
!
みごと、友人の猫「サチコさん」舌チョロ写真がカップの中に。
泡で描いているので色の再現性は残念な感じだが、ひたいのトラ模様など特徴はきちんと入っている。なにより可愛いので全部アリだ。基本的に猫好きというのは猫さえ可愛ければなんでもOKにする人種なのだ。

猫キャバではなく、猫純喫茶

デザートのバイ。猫っぽくもありハロウィンっぽくもある。
デザートのバイ。猫っぽくもありハロウィンっぽくもある。

丸山さんは「いわゆる普通の猫カフェって、プロの猫がいっぱいいて接客してくれる『猫キャバ』だと思うんですよね。ウチにも猫はいますが基本的に接客するかどうかは猫の気分次第。それよりは猫好きなお客さんが猫モチーフいっぱいの空間でのんびり居られる『猫純喫茶』を目指してます」と語ってくれた。

純喫茶の“珈琲の香り漂う”に対して猫純喫茶は“猫っぽい感じ漂う”なのかな…などと考えてみたが、やはりどうしても猫純喫茶という聞き慣れない言葉が脳にひっかかって、それ以上なにも想像できなかった。

ねこまる茶房
http://nekomaru-sabou.com/

金・土・日のみ営業 12:00~18:00
東京都荒川区東日暮里4-26-10
電話&FAX 03-6458-3666

フードメニューは月替わりなので、今は何を食べられるのかは事前にねこまる茶房さんのサイトで確認していった方が良いです。
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