「長崎くんち」についても、長崎に住むようになるまでは、名前だけでその中身についてはよく知らなかった。
「長崎くんち」といえば龍踊り(じゃおどり)のイメージ。
長崎くんちと言えば龍踊りが有名だが、これは数ある演し物の中のひとつ。長崎くんち=龍踊りではない。コアとなるのは御神輿。諏訪神社の3つのご神体を「御旅所」と呼ばれる出張所まで御輿で運び、最終日に再び戻すのが祭りの中心である。
で、その御神輿が最後こんな急な階段をダッシュで駆け上がる。
この急坂を御輿を担いで駆け上がるのだ。
かなりの急角度。
と言うのは話では聞いていたが、お下り(諏訪神社⇒御旅所)なら何度か見たことあるがお上りは見たことがなかった。
というわけで、今年はこれを見に行った。
これから何が起こるのか?ピンと来てなかった私は、人がたくさん集まっているのでとりあえずここで待ってみた。
どうして皆ここで待ってるんだろう?
交通規制も敷かれている。
私はくんち見物を始めて今回で10年目だが、10回目にしてなおこうして知らないものがあるということに改めて見どころの多さと奥深さを感じる。
やがてしばらくすると歓声が聞こえた。
見ると遠くに異様な数の人の群れが見える。
うわ!なんだあれ?!
それはまさに一瞬のできごとで、御輿に張ったロープを持った男たちが大勢で坂を駆け登ってきた。
どどーっ!!
3つの御輿がすごいスピードで走ってきた。
一瞬の興奮。皆これを待ってたのか!
県庁坂を駆け上ったところで御輿を下ろして休憩タイム。すると囲っていた見物人たちがワラワラと御輿に近づき、下をくぐったり記念写真を撮ったりお金を乗せたり始めた。
ぐわーっ!と盛り上がった後は、一転して和やかムードに
御輿の下はかなり狭いスペースだが、くぐると御利益があるということで子供や女性らが果敢にチャレンジする。というか、危ないからダメとか邪魔だからみたいなことを誰も言わないのが大らかですごくいい。
そこから先はしばらくの間、比較的ゆっくりしたペースで進む。
行列には馬や猿田彦などもいる。
御輿の他にも総勢1000人の大行列。
素敵。
御輿も通常ペースでゆっくり進む。
アーケードの中を御輿が通る。
馬も。
桟敷で待つ
2時間半ほどかけてゆっくりと移動した後、いよいよクライマックス、諏訪神社の石段を駆け上がる場面となる。
桟敷で待ち構える人々。
100円で桟敷の中に入れたので、私もそこで待ち構えた。
竹を引きずった人や神主、町の役員などが通った後に…
一段の歓声と共に御輿がやって来た。
猛ダッシュだ。
来た!!
うお~~~~!!
急な石段を駆け上がるため、ロープを持った男たちが先に行って引っ張る。
熱狂!!
ピラミッドの建造ってこんな感じ?とか思った。
この間、数十秒。わずか1分足らずの短い時間に凝縮された密度の濃い熱狂があった。
通過後、皆わらわらと後を追って石段を登る。
諏訪神社にご神体を納めて終了。
ザ・祭り
写真だけで伝わったかどうか疑問だが、最後の1分足らずの興奮は本当にすごかった。これぞ祭り!って感じだ。
これを今まで私が(地元なのに)知らなくて、ましてや地元でない人々はもっと知らず、さらに全国にはまだまだ知らない祭りがたくさんあるかと思うと、祭りって面白い現象だよなぁ…と思う。