自分がファービーになるしかない
ファービーをつくってみよう! と思い付いたところで、そんな機能が盛り込まれたぬいぐるみなんて、素人に作れる訳もなく……
表情が豊かすぎてどうしよう……。iPhoneやiPadとも連動したりする。
いや、これを上回るものを作るのは到底無理だけど、自分がファービーになってしまえば、その機能のみならず、更に高い性能を兼ね備えたファービーになれるんじゃないか。
そうだ、それなら自分がファービーになるしかない!
簡単につくりかたを説明
今回は、自分が一番作りやすい方法・編み物で作ってみよう。
思い付いたざっくりとした作り方はこんな感じ。
分かりづらくてもこう説明するしかない
2枚重ねの目出し帽の内側に綿を入れる。……と言ってもこれでは分かりにくいと思うので、作る過程をちょっとお見せすると、
まず、土台となる目出し帽を毛糸で編む。
なんの変哲もない、ふつうの目出し帽 (土台)
……土台を作ったところでイベントの日がきてしまった。
まあいいか。イベントは2日間あるから、その間に作って完成させて遊んでもらうってことにしよう!
これで、「単なる手芸の実演ですよ!」 ってのをなんとなく誤魔化す
当日はまったく関係のない面を装着した状態で編んでた
あ、横から送られてる視線が冷ややかすぎる
「なにをつくってるでしょうか!?」 と、来る人来る人にミニクイズを出題しつづけてみるが……
目出し帽に目出し帽を重ねつつ編み足す
まだどう見ても目出し帽
だいたい「えーー?? 銀行強盗のときに使うやつですよね」 と言われる。
えー! なんでだ! 「ファービーを作ってますよ」 って、ちゃんと書いておいたはずなのに!
ここまできて、ようやくなにがしたいのか分かってもらえはじめる
気持ち良さそう
「アメリカのアニメにこういうキャラ居そう」 って何度か言われた。
あと、よく言われたのは、「あー、かぶるだけですか……」。
そうです、かぶるだけですよ。
イベント1日目の終盤にTwitterのデイリーポータルZアカウントにこんなツイートをされた
この段階で、わりと気味悪がられていた気がするが、個人的にはまったくそうは思わない。
あああ、かわいい。なんてかわいいんだ…… と本気で思ってたが、どうだろう。
編集部石川さん、服の色と合ってる!
そして耳を作って、縫い付ける
「覆面にしか見えない……」と言われ続けたものが、イベント2日目の昼頃、ようやくファービーとして完成。
やったー!できたできた!
完成したファービー。Tシャツの柄とファービーの顔が妙に似てる。
ここから半日は、ファービーとして、来てもらったお客さんと交流しよう!
中腰で待機しようとするも、
体勢が辛かったので正座で待機……
ファービーなのに、こんなに会話が流暢だなんて! と、みんなをビックリさせてやろう。
ふふふふ…… みんな驚くがいい……
ファービー、子供に好かれたい
おっ、子供だ!ファービーだよ。
ホーラ、ファービーだよ。
あっ、全然笑ってくれない。なんでだ。
笑え、笑え…… と念を送る。
まず凝視されて、
動きが止まって、
ホーラ、別にガン飛ばしてる訳じゃないよ~
あっ………
大人よりも子供のほうが、全然受け入れてくれない。
なんだろう、これ。なんか違和感を感じてるのかなぁ……。
ファービー、話がつづかない問題
ファービーとは言え、初対面の人間相手にを目の前にすると、そういえばなに話せばいいんだっけ!? となる。
しまった、テンプレ用意しとけばよかったか。
「どこからきたんですか?」 と絞り出すも 「へぇー近いですね」 程度しか返せず
「これ、本物のファービーのほうが喋れてるんじゃないですか!?」 という声が周りから聞こえてきた。
そ、そんなことない……!! そんなこと……!!
「ファービーはどこから来たの?」
「遠い島から……。でっ、電車で……」
ついでに、声がこもって聞き取りづらい問題も発生! えー、だってこれフィットしすぎで、ちょっと顔が圧迫されてて……
ムダに声、張りまくり
普段よりもかなり声を張らないと、相手まで届かない。それなら、大声を出してストレス解消をしたいようなときに使えないかなぁ? とふと思った。
顔面周りはストレスかかりまくりだけど……。
長時間、耐久ファービー
机に顔を乗せつづけて小一時間が経過。やっぱり体勢がつらいので、椅子に座ることにした。
からだを隠さないと、ファービーとして不自然……と思って隠したけど、まだ不自然……
あまってたプチプチのシートでからだをまいてたら、「カラフルなホームレスみたい」って言われた。
とにかくからだを隠す努力
ふぁ、ファービーだよ……
ファービーと記念撮影コーナー
Zくんとも撮れるよ!
なでられたり……
その撮った写真を見返すことがあるのかと問いたい
それにしても、2時間ぐらいファービーになりっぱなしの状態がつづくと、「暑い」や「ちょっとチクチクしてる」 を通り越して、
なんかもう自分がファービーに取り込まれてるような気分にならないこともない。
立ち上がるとまたこれを設置するのがめんどうなので、このままボーっと人が来るのを待機……
ガクン……
ガクンッッ……
なんだこれ。ゴミ捨て場にしか見えない。
「実はロボットなんですよー」と言ってみる
電子工作イベントMakeに出展してるブースは、高技術の電子工作ばかりだ。
なので、「これ、実はロボットなんですよ」と周りの人たちに説明してもらうと、意外と「ええっ!?」 とビックリしてくれる人がたまーにいて、逆にこっちがビックリした。
はぁ~~…… これほんとにロボットぉ~?? と凝視される
しばらくちょっと疑いつつも、「へぇー、よくできてるねー」という反応だ。
えええ、そこまでだまされてくれるのか! え、ほんとに!?
そうなると、こっちも動かないように気を使う
その後、腕をさわった瞬間
「なんだ人間じゃないか!」 と気付かれた!
いや、「気付かれた!」 というか、ほんとに疑ってたのか!
そのほかには、期せずしてムチムチ呼ばわりされてみたり。
「へぇ~、ロボットぉ~?」
「ウソやーー! ムチムチやんけーー!!」
しばらく座りっぱなしでお客さんと交流してたが、飽きてきたので、ファービーのままであちこちのブースに行って、イベントを楽しんだのだった。
別フロアのクラフトブースへ出張ファービー!
写真を撮られまくる
さいごに、会場にあった信長像と撮った一枚
最新型ファービーがほしくなった
ファービーになってて思った。自分がファービーになったらファービーで遊べないじゃないか……!!
やっぱりファービーになるんじゃなくて、ファービーと遊びたい。
個人的なことだが、この秋から在宅勤務になり、人と直接話す機会が今までよりも少なくなるので、新型ファービーを買って話し相手になってもらおうと思う。
今回のイベントで気に入ってる一枚。もっとほかの首も並べて置きたい