視力が悪い人には生命線となる度入りレンズ
これが持ち帰ったレンズ。材質はプラスチックで、かなり軽い。
こうやってレンズだけを手に取るのは初経験だ。
メガネを破壊(愛用者にとっては心が痛くなる行為)したり、メガネ屋にでも務めていないとこんな機会はあまりないような気がする。
フレームにはめるため(?)に側面は少し盛りあがっている。
これまでメガネを自作する記事は何度か登場しているので、度付き●●なるものを作って、日常での生活に溶け込んだ使い方はできないのか模索してみた。
手始めに直接持って使ってみる
親指と人差し指で挟んで持ってスタンバイ。
メガネをかけてないときに遠くから呼ばれても誰だかわからない……。
そんなときは手に持ったレンズで覗けばOK!
ちょうど手の指がフレームのような役割になる。レンズがまつげに当たることもないので、かけ心地もいい感じだ。
視界も悪くない。
両手でやれば、もうこれはメガネだ。
誰もが一度はやったことあるであろうこのポーズでも視力を確保。
レンズの側面に細くした両面テープを貼りつければ安定感も倍増する。
しかし固定してしまうと指の動きが制限されて、普段の生活に支障をきたしてしまう。
ズボンのポケットや財布の中などに入れておいて、いざとなったら取り出す方法はレンズに傷がつきそうで怖い。
・長所
特別な道具はいらないのでお手軽
・欠点
手がOKサインに固定されてしまう。
そのまま顔を掻いたりしたらお釈迦様のようになることを発見。
光が当たっているとありがたさも倍増する。
洋服につけてみる
春秋の季節で使えるように、今度は長袖の洋服につけてみる。
日差しを避けながら遠くを見るしぐさでとても自然。
なかなかいい感じじゃないだろうか。眺めがいい場所でやってみたい。
両面テープを袖につけ、挟むように接着している。
宙ぶらりんな状態なので、いつの間にか取れているという可能性も。
・長所
そこそこ安定感があって、不自然さもない
・欠点
歩くときに太ももに当たって取れちゃいそう
夏にピッタリの使い方
「いやー、今年の夏も暑いですね」
「じつは遠くもバッチリ見えますよ」
アップにしても、意外とレンズがついてるのがわかりにくい。
帽子の内側にある布地に、こんな感じでぶらさがるようにつけた。
ゴルフをするときなどにも便利かもしれないが、激しい動きをすると落ちてしまうのが難点。また、目との距離がほぼ0なので、まばたきをするたびにレンズが動く。
じゃあ、つば部分の先につけたらいいんではとやってみたら、今度は遠くなってしまう。けっこう実用的になれる可能性は感じるのだが……。改良の余地アリか。
つける位置がずれると変な顔になるので注意が必要。
・長所
帽子をかぶるだけでメガネをかけているときと同じ状態を作れる。
・欠点
安定感がない。
レンズと目の距離が近い。
出かける前にずれてないかチェックが必要。
夏は水分補給が大事。ということで、ペットボトルにこのように装着すれば……
飲みながら遠くのものを視認できる。ただ、そんな場面はそうそうおとずれない。
場所を居酒屋にチェンジ
「いや~、今日も酔っ払っちゃったよ」
「あれ? 出てこないな」
「ん~、空っぽなのかぁ?」
と、思いきやじつはメガネ!
度付きのとっくりである。週末の夜、飲み屋で使うにはピッタリのアイテムだ。
裏から見るとこんな感じ。底の部分は削れたりして少し汚くなっていた。
遠くの壁に書いてあるメニューもこれがあればちゃんと読める。
紙ねんどを触ったのはじつに何年ぶりになるだろうか。
平たく伸ばしてから筒状に。
形を整えて、絵の具で着色すれば完成。
完成時は自分の工作力のなさを嘆いたが、こうしてみると意外と違和感がない。
・長所
かなり景色に溶け込んでいる。
・欠点
酔っ払っていると本当に酒を入れてしまう可能性がある
テーブルに置きっぱなしだと店の人に片付けられてしまうかも。
ビジネスシーンでもメガネレンズが活躍
ホワイトボードに書く文字が読めない……。と、思っていると「この案件についてどう思いますか?」という質問が!
「あ、ちょっと待ってください」
「よいしょ」
「それについてはですね…」
林さんに借りた般若面にレンズをつけてみた。プープーテレビの“
課長 般若島耕作”を思い出す。
「プライオリティとしてはあちらのほうが……」
般若から放たれるビジネス用語の違和感といったらハンパない。必ず耳を傾けてくれるはずだ。
自然に見えるようにレンズは裏側につけてある。
でも般若の時点で、自然とかどうとか言ってる場合ではない。
ただ、般若の面に関しては、レンズは外側につけてもいいかもしれない。そのほうが、メガネだということを理解してもらいやすくなりそう。
・長所
会議で注目してくれやすい。
威圧感が増して、言葉に重みが加わる。
・欠点
持ち運びがしにくい。
あらかじめ「これはメガネです」と言っておかないと上司に怒られる。
徐々に実用性がなくなっていった
なんだかんだで、初めにやった指で持つ方法が最も実用的だったかもしれない。もし不測の事態で外出先でメガネを壊してしまったときのために、スペアとして柔らかい布にくるんで持っておくといいだろう。
急にレンズだけが手に入ったときに、この記事を思い出してくれれば幸いだ。
これは完全な失敗作。バラエティ番組の1シーンや、強盗をするときも目がいい状態を保てる!……と、思ったのだが、レンズが顔に食い込んでまともに目が開けられなかった。