ヒーローが教えてくれるスタジオ
バック転教室が開催されているのは東京都板橋区にある
スタジオBOS。現役のアクション俳優やスタントマンの方々が先生となって、テレビで見るようなヒーローのアクションの他、様々な運動を指導してくれるスタジオです。
このスタジオで開催されている「
大人のバック転教室」を今回体験してきました。生まれて今までバック転なんてやったことない40歳前厄のライターが挑みます。
弾力のある素材が敷き詰められた広いスタジオ内。天井にはプロの方のワイヤーアクション練習用なのかウインチも見える。
スタジオの壁に張られていたサインや写真。見る人が見たら興奮間違いなしの多数のヒーローがさりげなく貼られています。
ちなみに、通常の教室は1回90分。出来るまで何回も通うところを、今回は60分の短縮版で1回のみの受講です。出来るのか?
バック転と嫁と姑
ところで、今回の取材は連動企画となっています。
「嫁姑の拳」が1巻から5巻。「嫁姑の拳Z」が1巻から2巻まで発売中。
秋田書店のレディースコミック雑誌「エレガンスイブ」に掲載されている「嫁姑の拳」との連動です。「嫁姑の拳」作者の函岬誉先生、エレガンスイブ編集部の方もバック転教室に参加し、取材の様子を元にしたストーリーが連載中の漫画に登場します。
少女マンガを思わせる繊細な画質。私や今回の撮影に参加する編集部の古賀さんがこんな感じで描かれてしまう。大丈夫か?
「嫁姑の拳」はマーシャルアーツの使い手の嫁と合気道の達人の姑との戦いを描いたギャグ漫画です。
あっ、大丈夫だ。デイリー寄りだ。
繊細な絵から突如として現れる迫力ある見開きページ。「少林サッカー」とか「マッハ!」とかのアジアのアクション映画のような「ありえねー!」な感じが満載。
こちらが函岬誉先生。お子様が書いた母の絵。
8月16日には最新コミック「嫁姑の拳Z」2巻が発売されています。詳しくはそちらを読んでみてください。取材を元にしたストーリーが掲載された「エレガンスイブ」が発売されるのは8月25日の予定です。
まずは準備体操から
それではバック転教室を体験していきます。まずは先生の紹介。
侍戦隊シンケンジャー、仮面ライダーディケイドなどに出演されているそうです。ヒーロー(の中の人)から直接指導。
白尾先生です。様々なテレビ番組やショーなどに出演されている現役プロスタントマン。プロから直接指導を受けます。
私(中央、白いTシャツ)と編集部の古賀さん(右端)、秋田書店の方(右から 2番目、左端)、函岬先生(左から2番目)で挑戦します。
まずは軽く準備運動から。段階を踏んで最終目標のバック転へ挑んでいきます。
前転、後転、側転
軽い準備運動、柔軟体操の後、バック転に必要な基本的な動作を実践していきます。バック転教室というより体操教室の雰囲気。
股割コラボその1。横方向の開きが違いすぎる。
股割コラボその2。前後方向の開きが違いすぎる。
バック転の動作は、後ろ向きに飛び上がり両手をついて一回転。まずは床の上で前方、後方に向かって回転をしていきます。いわゆるでんぐり返し。回る感覚をつかみます。
後ろに前に回る、回る。目が回る。
頭から突っ込む古賀さん。でも、ちゃんと回れていましたよ。
久しぶりに連続してでんぐり返しをやると目が回る。最近は泥酔した時ぐらいしか目を回してないかもしれない。
さて、そんな事は置いておいて。通常の前転、後転の後は、回転後にジャンプを入れるなど動きのレベルが上がっていきます。
腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動・・と、緩くラジオ体操をしている訳ではない。バック転をする際に飛び上がるイメージ。
床が弾むので結構飛べます。
ビヨーン!
つづいて前転して飛び上がり開脚。側転などもやります。
前転から開脚ジャンプ!一世風靡セピアとかがやっていたな。30、40代限定ネタ。
側転の先生のお手本。回転のキレが違う。
次々に色々な動作をやっていますが、実際のバック転教室ではこんなに次々とはやりません。オリジナルで作られたカリキュラムに従い、段階を経て進んでいきます。
こんなカリキュラム表があります。チェック項目をクリアーしたら先へ進むようになっているので、初めての方でも安心。最初は腕立て伏せの姿勢を作るところから。
今回の体験では大人の事情によりかなり簡略化したカリキュラムの為、無理を承知で次はもう実際のバック転をやっていきます。
いきなり床の上では危険
実際のバック転では、まず機材を準備しないといけません。
最初から自分でなんか飛べないし、手で支えられないから安全策をしないといけない。
補助のトランポリンと安全に着地出来るように厚いマットを用意します。いくら弾力のある床とはいえ、頭から落ちたらただでは済まない。安全策を施して実際のバック転練習です。
マット準備中の休憩時間にスタジオ内の備品のトンファーで遊ぶ。アクション練習用に武具が色々あった。
サンドバックも置いてある。たまに叩くととても楽しい。
元気玉を作ろうとしている訳ではありません。この手の形が着地に重要。
バック転では後ろ向きに反り返って飛んで床に手をついて回ります。
逆立ちが出来ないとバック転は難しい。
着地の際にはちょうど逆立ちをしたような姿勢になります。この時、手の平がハの字になって肘が外を向いている状態が一番いいそうです。こうすると腕のクッションが上手く使える。先ほどの写真のポーズはその姿勢になります。
この姿勢を確認したらいよいよマットの上で飛びます。
後方に飛ぶ感覚を身に着ける
まずはトランポリンを踏んでマットに向かって後ろ向きの跳躍。
先生の高い跳躍。まっすぐ斜め後ろに飛び出すのがポイント。
腰も顎もひけている。
実際に後ろに跳躍してみると、マットがあると思っていてもかなり恐怖を感じる。自然と頭を守ろうとして腰がひけてしまいます。
後ろに飛ぶ古賀さん。やはり頭を守ろうとしてこういう姿勢で落ちていきますよね。
腰がひけると後ろに飛ぶ力を殺してしまうので高く飛べません。
何度かやっていたら飛べてきた。
更にバック転では飛び上がって体を半回転させないといけないので、腰がひけていては回転する力も死んでしまいます。ここは何度も飛ぶことで慣れて恐怖心を捨てましょう。
回ってみよう
さあ、次は実際に回ってみます。先ほどの飛び出すイメージのまま、少し後ろに反り返るように飛びます。まずは補助をつけて。
せーの!
トウッ!
うぉっ!
回った!
補助に助けられつつもなんとか回転することが出来ました。概ねバック転成功です。人生初バック転!
オッサンも飛べる!
何度かやっていると、徐々に飛ぶ感覚も分かり安定して飛べるようになってきます。他の体験者も次々回っていきます。
函岬先生も回る!
秋田書店の方も回る!
古賀さんもまわ…若干無理やりだが回っている!
ここまできたら、更に補助なしでのバック転にも挑戦です。
回れた!
若干体勢を崩しながらも補助なしバック転成功です。60分の短縮版とはいえ、バック転が出来るようになりました!
どんな漫画になるのだろう。
ということで、大人のバック転教室に来ればオッサンでもバック転が出来るようになることが分かりました。しかし、トランポリンを使ってしっかりしたマットの上での話。出来るようになったというよりも、ただ回れたというぐらいです。バック転はそんなに甘くない。
それでも、人生初バック転は楽しかったです。普段やらない動作を思い切って出来るのは、こういう特殊なスタジオに来なければ無理。一生に1度はバック転をやってみたいという方はスタジオを訪ねてみてください。時間はかかるかもしれませんが、いつかバック転が出来るようになると思います。
そして、この記事を書いている時点では、今回の取材内容がどのようなストーリーになり、どんなキャラクターで漫画化されているのかわかりません。知りたい方は8月25日発売の「エレガンスイブ」掲載、「嫁姑の拳Z」を読もう!
資料映像として全身撮影されました。いったいどんなキャラクターで漫画に登場するのだろう?