北海道大学のポプラ並木
全国的にどれくらい知名度があるのかは分かりませんが、 北大のポプラ並木と言えば夏の北海道を代表する景色の一つ(と思う)。
夏の北海道を代表するとか言っといて、春先の写真です(2007年撮影)。
数年前の台風で何本か倒れてしまい、歯抜けのような感じになってるのは残念。 むかしはもっとこう、ズワーと並んでいたものである。
また老朽化による倒木の危険から、伐採の話が何年も前からちょくちょく出てきてはいるも、いまのところその動きはないようだ。ただし並木道は通れなくなってる。
私とポプラ並木
そして実家がここから3分ぐらいのところにあるため、 小さい頃はよく遊びに行っていた。
当時あった池でザリガニ釣りをしたり、 ポプラ並木を通った先にある農場にいたロバを見たり。
この道の先に池があった。※写ってる人は知らない人です
あとポプラ並木沿いの道を歩くことが多かったため、 観光客からポプラ並木の場所を頻繁に訪ねられてた。
いまに輪をかけて口下手な当時の僕は、そのたびに「あー、あうーあー」としか言えず、 苦い気持ちを何度も味わい、しばらく外に出られない日が続くこともあった。
右下に写ってる人は知らない人ですし、何かを決意した人でもありません。
しばらくして心が癒えると見に行くのはやはりポプラ並木。 並んで風にそよぐ姿はいつもすさんだ心を癒してくれる。
そしてポプラ並木に集う愉快な仲間たちだっているのだ。
ひたすらに草を食むだけの牛。
にとべっちこと、新渡戸稲造氏。
東京にもポプラ並木あるって
そんな我が心のポプラ並木。 でも上京してからは帰省した時しか見られなくなってしまった。 おかげで心が荒みっぱなし。せめて映像だけでもと北海道の風景DVDを借りたところで、美瑛の丘ばかり写ってる(良いところです)。
だが先日東京にもポプラ並木があることを知った。 しかも一つだけではなくていくつかあるという。 えっなにその裏設定。
とはいえ東京にいながらにして北海道の実家気分が味わえるのはうれしい。 東京のポプラ並木を回って、どこが最も北海道らしいか見てみよう。
病院に並ぶポプラ
まず訪れた東京のポプラ並木は、 新宿から京王線で約30分の飛田給駅。
発音がのび太くんに似ている。ドラえもん「おーいとびたきゅーう」
駅からさらに15分程歩くと、 そこにある榊原記念病院の敷地にポプラ並木があるという。
なんて書くと村の爺さまから聞いたみたいな感じですが、 近隣に住む方のブログとか区役所のホームページとかからの情報ですので。
右手にさっそく高い木が見える。
病院の正面から向かって右側の駐車場スペースに背の高い木が現れた。 あれこそまさにポプラの木。なんとなく東京で見かけると不思議な感じがする。
夏かー。
途中に違う木があったり駐車場を挟んでて連続して並んでないのは残念。 とはいえポプラの木そのものは高さも十分ある立派なもの。
ポプラといえば縦長です。
想像してた以上によく育ったポプラ並木。 ただ昔はもっと並木が続いていたという話もあるようなので、 これでもだいぶ減ってしまった方なのかもしれない。
周辺の開け具合
ポプラ並木で北海道気分をより味わうためには、周辺環境も重視したい。 わがままですいません。
北海道のポプラ並木は、場所が大学の試験農場ということもあって 辺り一面畑が広がってる。こちらのポプラ並木はどうだろう。
道路。
残念ながら隣はすぐ狭い路地になっていて、開放感は少なめか。 でも都会の中にあるレアなポプラ並木とも言えそう。
引けないので全景は写しにくい。
点数の発表です
このポプラ並木は一体どれくらい北海道を感じられたか、僭越ながら独断と偏見で5段階評価すると、これぐらいでした。
やはり周りの開発が進んでるというのは東京らしさが強い。 やっぱりポプラ並木以外他になにもないのが自分にとっては理想的でして。
でも畑のど真ん中に病院を作られてもかなり困るので これはこれでいいと思います。
駅前にあった、「お前がのぞき魔だろ」のツッコミ待ち看板。
東大の高偏差値ポプラ並木
次に来たのは新宿から西武新宿線で先の飛田給と同じく約30分のところにある田無駅。 ポプラ並木はどうも新宿から30分ぐらいのところあるらしい。
ポプラ有駅と改名してほしい。
ポプラ並木がある場所は東京大学の農場。 田無駅からだいたい15分ほど歩くと見える正門から見学することが出来る。(火~金のみ)
オープンキャンパスとか初めてだから緊張するっス。
東京大学の文字しか頭に入らない。
農場内はどこかの田舎のような異空間。
正門から右沿いの道を歩いていくと、 背の高い木の一団が現れた。
いい仕事してますね。
いやーいい仕事してますね。
少し細めで葉っぱのボリュームがもう少し欲しい感じはするけど、良い。 なにより周りの緑がポプラ並木の持つ夏を感じる力をアップしてる。
いまにでも木陰からあの日のあの子が顔を覗かせるような、 夏の思い出どころか春夏秋冬なんの思い出のない僕でも そんな妄想を思わずしてしまうほどだ。
並木道は通れません
ただ実はもっと大きなポプラ並木が向こう側に見えている。
これぞ並木道。
ただし立ち入り禁止。
落ちてもいいから入れさせてもらえないでしょうか。
やっぱり倒木の危険があるからか、と思ったら枝が落ちてくるからだそうな。 いや倒木の危険もあるだろうが、確かにポプラの高さから枝が落ちてきたらただでは済まなそうだ。
違う世界に繋がっていそう。
遠くから見てみる
農場内では迫力のポプラ並木を見られた。 しかし近すぎて全景を写すことが出来なかったので、 今度は農場を出て外側から見てみることにした。
農場沿いを歩く。
いいぞ北海道だぞ。
むしろ北海道のポプラ並木より立派だぞ。
周囲も一面の畑でポプラ並木もかなり大きく風格がある。 もう北海道のポプラ並木よりポプラ並木らしいとも言えるレベルだ。
それでも満点ではないのは、なんかくやしいから、という極めて子供っぽい理由によります。
1.2kmのロングポプラ並木
最後のポプラ並木は葛飾区の水元公園にあるポプラ並木。
オフィシャルサイトによると高さ20mのポプラが1.2kmにも続いているらしい。すごい。
サイトにはさらに「気分はすでに北海道」とも。
いわば葛飾区公認の自分癒やしスポットである。
公園の売店ではお酒も売ってます。
アクセスは金町駅からバスで10分ほど。 また土日祝日は公園循環バスが運行しているので利用すると便利です。
ポプラ並木がバス停の一つとして存在。
水元公園のポプラ並木に対する自信がひしひしと伝わってくる。 ということで水元公園のポプラ並木これです。
並んでるなー。
井川遥(元祖癒やし系)の生き写しだと思う。
高さの揃った青々としたポプラがずっと続いてとっても素敵。 周りも緑が豊富すぎるぐらい豊富で開放的だ。
バーベキューの団体が目に入っても心が荒まない爽やかさ。
バーベキュー広場にはたくさんの若者が半裸で肉を食ったり半裸でキャッチボールしており、そういうのを見るといつもなら自動反応で気持ちが沈んでしまうのだが、 こんなでっかいポプラがあれば、そんなちっさい心も隠れてしまう。
あのおっさんも裸か!と思ったら肌色シャツだった罠。
今度は行き倒れ!と思ったらただの荷物だった罠。
園内にはポプラ並木以外にも散発的にポプラがあって、それらもかなりいい雰囲気。
やっぱりポプラ並木はいい。
並木じゃなくて一本だけでもいい。
縦に長いため下の方は切り取らないといけないぐらい高い。 でもこのときちょうど半裸のおじさんが木の下のベンチに座っていたので 見切れてちょうど良かった。さすがポプラだと思う。
銅像もめちゃくちゃ大喜び。
ポプラ並木も公園もとても良かった。ただ1点北海道らしさに足りなかったのは、 公園として整いすぎてたことか。
もっと土むき出しだったり牛がそこら辺に転がってたりすると完璧だったのだが。
どこも申し分ないポプラ並木
東京のポプラ並木を見て回り、ついでに北海道のポプラ並木と比べて 見たら、東京のポプラ並木はどこも地元のポプラ並木と同じくらいかそれ以上に立派だった。
また心が荒んだときには、今回行った3つのポプラ並木を 修行の意味も込めて歩いて訪れよう。 いつかその道がお遍路のように語り継がれるようになってほしい。
ポプラを近くで見たら、おぞましい数のセミの抜け殻が付いていた。