2500円でコックさんになれる
コックコートは、作業着や白衣を売っている専門店に行けばある。一番安いやつで1980円。ついでにコック帽は500円だった。
上野駅東口の方にあるお店で買った
この棚全部コックコート
コックさんのコスプレ、2500円足らずでできてしまう。その辺のスーパーでエプロンを買うより安い。
店を出てさっそく着てみた
自分としては、変わった服で外にいるのでドキドキなのだが、
周りの人は特に怪しむ様子もない。コックさんになれている、ということだ。
さて、コックさんになって何をしよう?
まずは調理だ
一人暮らしの小さなアパートのキッチンでも、コックコートを着ていれば、なにかいいものを作っているように見えるかもしれない。
「今からおいしものを作るから待っててね…」
「おまたせ!今日のディナーはふかしたイモだよ…」
イモがおいしそうに見えているだろうか?今こうして原稿を執筆している段階ではちょっと評価しきれない。しかし撮影段階ではけっこういいもののような気がしていたのも事実である。
カップめん
きちんとしたかっこうをしていると、こういうジャンクフードを食べていても何か意味ありげに見えてくると思う。
「そうか…!今度の料理対決にもカップめんの原理を応用すれば…!」
なにかしら創作料理の気づきを得ているように…見えないだろうか。
僕が小さいころはやった『ミスター味っ子』という漫画でこういうシーンがあった(主人公はカップめんから「お茶漬けうどん」という料理を着想する)。あれが実写になるとまあ、こんな感じ、ということである。
遊んでたら夕飯が本当にイモとカップめんだけになった
やっぱり部屋の中、というのがちょっとコックコートに合わない。外に出かけようと思う。
自分の店が持てる
飲食店の前で堂々としていると、まるで自分がその店のオーナーシェフになったかよのような気分になる。
「私の店です」
「ここも私の店です」
ちなみに飲食店じゃなくても、なにか建物の前で堂々としていると、自分の店のように見える。
「このビル全部私の店です」
このご時世にこんな景気のいい写真、なかなか撮れるものではない。腕組みしている写真を3枚並べただけで、僕の保有資産が100億ぐらいになった。うれしい。
ちなみに、建物の前で堂々としないパターンだと、また違った趣になる。自分の店に見えないのだ。
「こんな値段で料理出されちゃ、おれたちには手も足も出ねえよ!」
値段を見つめると、巨大資本に翻弄される昔気質の個人店主、という感じだ。ミスター味っ子だと、なにかとんちの効いた創作料理で応戦する話の流れである。
「今日からこの店で働くのかあ、がんばるぞ」
建物を見上げると、上京してきた若い料理人である。最初の3年くらいは皿洗いぐらいしかやらせてもらえないのだけれど、腐らずに頑張って欲しい。
ちなみに下積みのストレスに負けてタバコを吸うのは料理人にとって厳禁である。『美味しんぼ』という漫画でこれをやった若い料理人が、超怖いオーナーにボコボコに怒られてクビにされていた。
タバコはクビにされる前兆
食材を採っているように見える
一流の料理人は食材の確保にも気を使う。とくに魚介は新鮮さが命。自ら釣りに出かけることもしばしばだ。
そーれ
…
場所は新宿の公園の池、竿は棒にヒモをくくりつけただけのものだ。いや、それ以前にコックコートを着て釣りには行かないような気がしてきた。
「おっ!でかい!」とかやっている場合じゃない、間違ってる
これはジビエ料理の仕込み
食い逃げを捕まえろ
料理人の小道具といったら、竿よりもやっぱりフライパンだろう。
このようにお玉と一緒に両手に持つ
そして、このまま走り出せば「食い逃げを追いかけてる人」になる。
「お客さん、お代まだアルよ!」
コックさんの仕事の中でもかなりイレギュラーなものだと思うが、僕の中でわりとこういう印象は強い。
キャプションの語尾を「アルよ!」にしてしまったが、明らかに香港カンフー映画の影響である。
しかし、今日撮った中で一番コックさんらしい写真かもしれない
カンフー映画だと、食い逃げするのは主人公がやることが多い。逃げる過程でずば抜けた身体能力を披露するわけだ。なので、コックさんには捕まえられない。
そして何かのはずみに
転ぶ
「なんてすばしっこいやつアルか…」
やってみてわかったのだが、鉄製のフライパンはなかなか重たい。だから、もしも本当に食い逃げを追いかけるようなことがあれば、持って行かない方がいい。
全世界の本物の料理人の方に、私からのささかやなアドバイスです。
コックコートはものすごく暑い!
外で着用してわかった。コックコートは分厚くて、通気性が悪くて、ものすごく暑い。今回コックコートを着てふざけただけなのだが、そんなコックさんの苦労はリアルによくわかりました。