樹脂で固め続けた4時間
作業を開始したのは13時頃。ここから17時まで、4時間ほどひたすら何かを樹脂で固め、また何かを樹脂で固め、を繰り返す予定だ。
室内の壁にUstreamの模様が映し出される
ガラス張りの公開編集部内にスペースをもらい、作業開始
真ん中の黒いボトルに、硬化前の樹脂が入っている。
こちらは紫外線に反応して固まるもの。太陽光でももちろん硬化可能なのだが、この公開編集部に窓はない。(仮にあったとしてもこの日は残念ながら雨だった)
そこでこのような機械を使う。
UVランプ。そもそもはネイル用に、こうして手を入れて使うもの。
早速第一弾を固めよう。
編集部安藤さんから、よかったらこれを、と、あるものを提供していただいた。
小さな金属製の皿に乗せて、樹脂を流して、紫外線を照射
5分ほどで固まったのがこちら
うっすら見える「B」の文字。頭痛薬バファリンである。完全に樹脂でコーティングされているので、つやつやだ。
ちなみにこの後、編集部に見学に来ていた方に「どれがいいと思いますか?」と色々並べて尋ねてみたが、このバファリンが一番人気だった。「可愛い!」との声もいただいた。バファリン側としても、まさかそんな褒められ方をする日が来ようとは思わなかったろう。樹脂パワーと言っていいのではないだろうか。
さて、どんどん行こう。
ヒカリエ内に売られていたというカラフルペッパー。さすがのオシャレ度。
今度はシリコン製の型に詰め込む
ゼリーのように樹脂を流して完成
こちらも比較的好評だった。こういうアクセサリー普通に売ってそう、との声も。
確かに、丸い形がころころと詰まっていて可愛らしい。自宅のキッチンにカラフルペッパーがあってもきっとそのオシャレパワーに負けて持て余すが、樹脂に閉じ込めてしまえばもうこちらのものだ。
公開編集部スタート直後からずっと室内にあった、というお菓子
これも同じようにシリコン型に詰め込む
樹脂に入れたものは、やや水に濡れたような質感に見えることが多い。そのため乾燥しているはずのぱりぱりごまわかめも何となく「生」っぽくなった。樹脂で蘇る、わかめの瑞々しさ。
Ustreamのコメントで「匂いはどうですか」という質問をいただいたが、嗅いでみてもゴマ臭はゼロ。ケミカルな樹脂の香りしかしなかった。
尚、ごまわかめはこんなところにも。
編集部石川さん私物のカードリーダー、そのキャップにごまわかめ
流行りのデコにあたるのかもしれない。スワロフスキーでキラキラにするあれだ。ただ、こちらはスワロではなくごまわかめ。なぜか「べちょ」という擬音が頭に浮かぶ。(実際はちゃんと固まっています)
こちらも編集部林さんセレクト、煮干し&さくらえび
一匹ずつ対にして閉じ込める。「アダムとイブっぽい」と言われた。
しかし、なぜかエビと煮干しの口から、ぶくーっと気泡が発生してしまっている。硬化前はこんなじゃなかったはずなのに。エビ体内の空気が出てきてしまったのだろうか。
横からみると樹脂の盛り上がりが分かる。ふっくらと仕上げています。
樹脂Ustreamは持ち込みOK
そうこうしているうちに、配信を見てくださっていた方から「今から何か持ち込んだら固めてもらえますか?」とのコメント。
もちろんOKですと返答してしばらくの後、そのコメントの主が本当に訪問してくれた。気軽に立ち寄ってもらえるのが公開編集部の良いところだ。
持ち込んでくださったのは「ぴろき」と書かれたマスコット
シリコン型で丸ごと封入したかったが、ぴろきはややサイズオーバー。そのため最初のバファリンと同じ手法でフレームに固める。表面全体をコーティングしたので、これまたつやっつやになりました。
あっという間に4時間経過
その後も時間の許す限り、色々固め続ける。
外国産のカラフルなクリップや
乾燥用のシリカゲルや
ライターべつやくさんから提供いただいた高級豆菓子など
結果的に10数点が出来上がった。使用した樹脂はおよそ50g。固めたい欲はだいぶ満たされた気がする。
4時間の成果
Ustreamはこれで終了。
しかしこのまま置いておいても仕方ないので、後はこれらのパーツを持って帰って、アクセサリーに仕立ててみよう。
金具をつければアクセサリー
持って帰ってきたパーツたち、どんどん金具を取り付けていこう。
カラフルクリップはブローチに
色が鮮やかなので目立つ
ごまわかめはキーホルダーとストラップに
アップにするとやっぱり「生」っぽい
同じ型で七味も。ボールチェーンのキーホルダー。
Zくんの切り抜きを封入したストラップなど
なんとなく、旅先のお土産物コーナーに売っていそうな品々が出来上がった。旅の思い出にクリップと七味とごまわかめ(とZくん)。どこに行ってきたんだ。
シリカゲルの指輪。見た目では分かりにくいが、表面をカチカチにコーティングしてある。
現代アート、と言い切ればなんとかならないだろうか
固まっているのは表面だけなので、振るとシャカシャカ音がする。ミニマラカスとしてもどうぞ。
好評だったカラフルペッパー、指輪とペンダントに加工。
梅干し味の豆菓子も、表面を樹脂で覆ってつやつやピカピカな指輪に。
…これはちょっと可愛い気がする!
特に豆菓子指輪が気に入った。
梅干しに似せて作った菓子を、更に指輪に作り変える。一瞬、本物の梅干しが指にくっついているように見えて面白い。
最後に、煮干し、ごまわかめ、カラフルペッパーという贅沢な3種盛り。
現地で好評だったものたちを詰め込んだペンダント。尻尾の先までガッチリコーティングしてあります。
おまけ:当日試せなかったもの
実は配信当日、持って行こうと思いつつ見事に忘れていた素材がある。
焼き海苔です
左:樹脂加工前 右:樹脂加工後
右は完全に硬化していて、もう海苔というよりプラ板の質感。これに穴を開けて紐を通せば…。
海苔しおり
海苔でありつつ、栞。
電車の中で使えば二度見されること確実。
梅干し指輪をつけながらこの栞を使ってみて欲しい。それはもう、完全に朝食セットだ。
紫外線で硬化するタイプの樹脂は、重さを測ったり混ぜたりという手間が全く要らない。型に流して、機械に入れて、数分待てばはい出来上がり。こんなに簡単なことはない。
にも関わらずなかなか面白いものができるので非常に楽しい素材である。最近では本記事で使用した樹脂やUVライトの類も、町の手芸屋さんなどで簡単に手に入るようになった。樹脂工作、おすすめです。