丸みをおびるとかわいい
ぼくがここでいう「かわいいビル」についての記事を書くのは今回が初めてではない。すでに2回書いている。
・「デビル」を鑑賞する
・「デビル」に夢中
「デビル」というのは「デッドストックなビル」のこと。古くて注目はされないが、見る人が見れば(ぼくのことね)とても価値があるビル、ということだ。まあ価値があるって言っても鑑賞するだけなんだけど。
そして、今回もまた同じようにデッドストックなかわいいビルをどーんとご紹介しようというわけだ。ぼくはいちど惚れ込むとしつこい性格なのだ。
・「デビル」を鑑賞する
・「デビル」に夢中
「デビル」というのは「デッドストックなビル」のこと。古くて注目はされないが、見る人が見れば(ぼくのことね)とても価値があるビル、ということだ。まあ価値があるって言っても鑑賞するだけなんだけど。
そして、今回もまた同じようにデッドストックなかわいいビルをどーんとご紹介しようというわけだ。ぼくはいちど惚れ込むとしつこい性格なのだ。
今回紹介する中で最もかわいい物件。かわいすぎてもだえた。
前回の「デビル」に夢中の記事最後で「まだまだ紹介したいビルがたくさんある」と書いた。外出先で見つけるたびに撮りためているので、ほんとうにたくさんあるのだ。ぼくはしつこい性格なのだ。
しつこく集めた結果の「かわいいビル」コレクション。大金持ちになったら全部買い取る予定。
仕切りのある小物入れ箱を上から見ているかのよう。なんなのその両サイドの丸みを帯びた仕切りは。かわいいったらありゃしない。
残念なことに地図を見てもかわいいビルのありかは記されていないので、いきあたりばったりの偶然の出会いにまかせるしかない。もどかしいが、それだけに見つけたときの感動はひとしおだ。
というか、そもそも自分でもなにをもって「かわいいビル」なのかもよくわかっていなかった。
というか、そもそも自分でもなにをもって「かわいいビル」なのかもよくわかっていなかった。
かわいい!と思う要素のひとつが「アール」(丸みのこと)であることがわかってきた。
しかし、見つけては写真に収める、ということを繰り返してはや4年(最初の記事が2008年だった)。だんだん自分の中の「かわいい基準」が見えてきた。
まずは「アール」だ。
まずは「アール」だ。
アールのついた窓がたくさん!そしてひとつずつへこんでいるものかわいい。
こちらもアール窓。クッキーの型抜きかなにかのようだ。これで抜いたクッキー食べたい。
こちらもクッキー型抜き系だ。
こちらはちょう縦長の角丸窓。なんといっても左の階段が収められている部分の掘り込まれたアールがかわいい!
もうこれとか反則でしょ!ってぐらいかわいい!ずるい!キュート!
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窓のまわりのひさし(?)がかわいい
前ページ最後の反則的にキュートなビルの特徴は、丸みを帯びた窓のまわりの造形だ。
この、「ひさし」が発展してビルの目である窓のまわりをゴーグルのようにぐるっととりかこんでいる造作も、かわいいビルの重要なポイントのひとつだ。
この、「ひさし」が発展してビルの目である窓のまわりをゴーグルのようにぐるっととりかこんでいる造作も、かわいいビルの重要なポイントのひとつだ。
窓のまわりをぐるっと。おさえた淡い色調もすてきだ。壁面に対するバランスも絶妙。向かって右隣の建物も気になると言えば気になるが、やはり断然かわいいビルの方がかわいい。
コの字を倒したような、こういうひさしもかわいい。一方、向かって右のようにサッシが強調されていてもかわいいと思わない。なんでだろう。
こちらもコの字。まちまちな窓の大きさと配置がまたいい!
小ぶりなビルだが、大胆なひさし。なんだか全体的に向かって左に寄っている点もぐっとくる。
これはひさしらしいひさし。屋上の謎のペントハウスみたいな部分の造形といい、無骨なようでかわいい。
これはもはやひさしではないが、やはり窓まわりのデザインにこだわりが見られる作品。フジツボのようだ。フジツボかわいいよね。
ビル本体(向かって左)は微妙だが、この階段室の窓のかわいらしさはどうだ。あとかねがねハンコ屋のテンションが高いのが気になっていたが、クリーニング屋もテンション高いな。
窓だけじゃなくてビル全体をフチ取る
うん。この「ひさし」に代表されるように、どうもかわいいビルは「フチ取り」にこだわりがあるようだ。ビルの全体にフチ取りが施されている作品も多い。
2階と3階がまとめてフチ取られ、1階との間にちょっとした間がある。かわいい-。
これも同じ系統だ。より太いフチ取りが凛々しい。色も渋い。しぶかわいい。
ダイナミック!フチ取りの発展形ととらえたい。前ページの「小物入れ」も同系統だ。
考えてみると、ビルに限らずいろいろなもののデザインで現在、「フチ取り」ってあまり見ない気がする。たとえばパソコンやスマートフォンなどを見ても、どちらかというとフチのないつるっとしたものが多い印象だ。ざんねんだ。ふたたび「フチ流行」の時代が来ることもあるのだろうか。それまでこれらかわいいビルが生きながらえているといいが。
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ごついけどかわいい
さて「かわいいかわいい」言い続けて3ページ目まで引っ張ってきたが、はたしてちここまで読み進めてくれている方がいらっしゃるのかどうかとても不安だ。
…って、ここまで書いてみて思いだしたが、以前の「デビル」の記事でも同じ不安を吐露していた。
そうだ、そうしたら「だいじょうぶですよ!わたしもこういうビル好きですよ!がんばってください!」っていう慰めのメールをいただいたんだった。そうだったそうだった。
いや、ほんとけっこういると思うんだよね、こういうビル好きな人。
さて、思い出してちょっと安心したところで、一見ごついけどやっぱりかわいい、っていう系統のものを紹介したい。これ、かなり好き。
…って、ここまで書いてみて思いだしたが、以前の「デビル」の記事でも同じ不安を吐露していた。
そうだ、そうしたら「だいじょうぶですよ!わたしもこういうビル好きですよ!がんばってください!」っていう慰めのメールをいただいたんだった。そうだったそうだった。
いや、ほんとけっこういると思うんだよね、こういうビル好きな人。
さて、思い出してちょっと安心したところで、一見ごついけどやっぱりかわいい、っていう系統のものを紹介したい。これ、かなり好き。
こういうやつ。このカタマリ感がたまらない。
これとか!
ごつさを際立たせているのが、タイルだ。そう、このタイル使いも最近のビルではあまり見ない気がする。
しぶいタイル。こういう窓じゃない壁面が斜めに切り込まれているケースもかわいいビルには多い。
かわいいビル2連。左はタイル使い+縦ライン系。そして右は上野モノと同じ「壁面が斜めに切り込まれている」系。
タイル!
タイル!
タイル!
いやー、かわいい。もっとみんなタイル使えばいいのに。
かわいいビルの中に入ってみる!
さて、3回目にしてこれらかわいいビルの中に入ってみた。あの宮益坂ビルだ!
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以前梅田さんが「古ビル探訪」という記事で紹介していた、ビル界の重鎮、宮益坂ビル。
渋谷の駅からすぐそばに宮益坂ビルディングというビルがある。
中もかわいいっぽい!
以前梅田さんが「古ビル探訪」という記事で紹介していたビルで、1953年竣工と言うから、来年還暦のビルだ。
これがまたまごうことなきかわいいビル。そして内部もかわいいっぽいのだ。かねてから通りかかるたびに気になっていた。
そうしたら、おりしも知人がここに入居して、過日中を見る機会に恵まれたのである。うれしい!
これがまたまごうことなきかわいいビル。そして内部もかわいいっぽいのだ。かねてから通りかかるたびに気になっていた。
そうしたら、おりしも知人がここに入居して、過日中を見る機会に恵まれたのである。うれしい!
1階エントランス。階段の造形がたまらない!
かわいいビルの特徴のひとつである「アール」(丸み)は内部にも!このやんわりとした手すりのカーブ!
「ザ・廊下」って感じの廊下。
宮益坂を見下ろす。向こうに見えるのが渋谷駅前。
屋上から見上げた。雨の夜。建設中のヒカリエ!うひょー!
うひょー!とは言ってみたものの、実はぼくはヒカリエにはあまり興味が無くて、それよりこのとき感動したのは、ヒカリエとの間を走っている銀座線とその工事の様子だった。
宮益坂とは逆を見下ろすと、そこにはこんな風景が!(180度のパノラマです)
四苦八苦で工事している中から突然姿を現す銀座線。うひょー!(←このうひょー!はほんとにうひょー!)
銀座線が出てくるところと、見上げた工事中のヒカリエを動画で。
こりずにまだまだ集めます
かっこいい銀座線のせいで肝心のビル内部の鑑賞がおろそかになってしまった感があるが、取り壊される前に中に入れて本当によかった。
そうなのだ、こうやって人知れずなくなっていくのだ、かわいいビルは。前回メールをくれた方々以外にここまで読んでくれた人がいるのか自信がないが、懲りずに見て回らなければならないな!と決意を新たにした次第だ。今後はできれば内部も。
そうなのだ、こうやって人知れずなくなっていくのだ、かわいいビルは。前回メールをくれた方々以外にここまで読んでくれた人がいるのか自信がないが、懲りずに見て回らなければならないな!と決意を新たにした次第だ。今後はできれば内部も。