濡れの可能性
初めて濡れ煎餅を知ったときは濡れッ!?煎餅なのに!?となった。なったが、食べてみると美味い。意外に思ったが、考えてみれば元は米。濡れておいしくなくなるわけがない。
これは濡れおかきだね。おかき濡らして、マヨネーズかけて、美味い。
The・先入観。先入観で濡れに驚いたが他にも濡らしてもっと美味しいものがあるかもしれない。そこで思ったのがポテトチップスだ。
湿ったポテトチップスが好きな人は一大勢力として存在するし、マクドナルドのフライドポテトの中で一部現れるフッニャフニャのポテト、アレを好きだという友人もそこそこいる。濡れポテチ、いけるんじゃないかと思う。
袋グッシャグシャなのは店頭で既にそうだった。
濡れポテチ、どうするかと考えたところで思いついたのが無印良品の素のままポテトチップス。味付けをしていない状態のポテトチップスを好みの味付けをして食べるという商品。
これを味付けと同時に濡らしてやればいいんじゃないか。
濡れるとどうなるんだろうか
これが素のままポテトチップス ウェーブカット。
早速買ってきたポテチを濡らす、前にちょっと食べてみる。わかりやすい味は付いていないが噛むとじゃがいもの甘さがしっかりとして美味い。
四大調味液。
このポテトチップスに味を付けつつ濡らす。その役目を果たすのがこの4つ、醤油とめんつゆ、ポン酢にソースだ。それぞれポテトチップスとして市販されている味なので相性としては文句なしだろう。
ドボーン
いざ!醤油にポテトチップスをドボッと浸す。油で弾かれつつも、意外と馴染んでいるように見える。
染みこみ待ち。
浸ったポテチをあげてしばらく馴染ませる。見た目としてはそう変わったようには思えない。こいつは湿気った様になるのか、フニャフニャのポテトの様になるのか、それとも全く違った変化を見せるのか。
全種類浸した。見た目は普通にポテトチップス。
同様の手順で堅揚げ風、スティック風のものも浸した。どれくらい放っておけば良いかわからなかったのでとりあえず30分くらい置いてみた。
ただめんつゆにつけた奴が凄く美味い
これ、凄く美味い。
さて、浸して待ってる間やること無いなと、余ったポテチを各種調味料につけてすぐに食べてみたら、めんつゆが凄く美味い。
ザクザクの食感でありながらもしっとりしていてと香りが立って美味い。他のものは調味料の刺激が強くてあんまりだったがめんつゆは凄い。上品でサッパリとしたポテトチップスの新境地だと思う。
で、濡れポテチは
湿ってはいる。
さて濡れポテチ。しばらくすると表面にしたたっていた水分もなくなり落ち着いている。触ってみると少し湿り気はあるけれど芯が残った感じ。
うーん…。
食べてみるとグシャァ…という食感。表面は柔らかいが芯までは届いていない。湿気ポテト、フニャポテのどちらにも似ていない独特の食感で、これは、ハッキリ言ってダメだ。
この持ってる辺りの黒くなってる所、ここはマクドナルドのフニャフニャポテトに近い食感。
濡れポテチ、ダメなのか…。と思ったがスティック状のやつで芯まで染み込んだものがありこれはマクドナルドのフニャフニャポテトの食感に凄く近いものだった。これは美味い。
ある、可能性はまだあるぞ。
思うに、出来合いのものを浸したのがダメなんじゃないだろうか。濡れ煎餅もすでに出来上がった煎餅を濡らしてもダメだろう。そこなのではないか。
揚げましょう
なんとなく、イメージとして熱々じゃないと味が染み込まない気がする。濡れ煎餅も焼きたてをジューッって言わせながらタレに付けていた。ポテチもきっとそうだ。コイケヤの工場見学した時もそんなこと言っていたような気がする(言ってなかったような気もする)。
じゃがいもをスライスして水に晒します。
子供の頃、親戚のおばさんが作ってくれたポテトチップスがえらくまずくて、ポテトチップス作りは難しいという印象があったが、作り方を検索してみたら凄く簡単そうに書いてあった。
よーく水気を切ります(これは水気切る前)。
そして実際に作ってみたら確かに簡単だった。思い返すとおばさんは水に晒さず、切ってからの時間が勝負!って言ってとにかくスピード重視だった。どこから仕入れた情報かわからないがそれを信じてベショッとしたものを作ってくれた。
揚げます。結構すぐ揚がるよ。
日本が豊かになってるのかそうでないのかは知らないけれど、インターネットのお陰でポテトチップスの揚げ方を失敗する人は絶対に減っているので幸せの総量は増えているんじゃないかと思う。
完成。簡単…。
この出来立てのポテトチップス、非常に簡単であったが凄く美味い。揚げたての唐揚げと惣菜コーナーに並んでる唐揚げ位の差がある。温かいと油が固まってなくて、ポテトチップス自体が活き活きしている。
揚げ物においての「揚げたて」の力は物凄く、素人料理でも異次元だ。親戚のおばさんはこれを食べさせてくれようとしたのだと思うと胸が痛む。あの時代にインターネットがあれば…。
で、浸します
同じように浸します
この揚げたてのポテチを濡らす。揚げ終わった写真を載せたが、これは揚げ鍋からダイレクトに調味料へ。
ジュッ!といい音させながら染みこんで…と、いうのを期待したのに普通にピチャっと濡れるだけ。なんなの、なんでなの。でも芯まで熱いこの状態だと上手く染みるのではないかと思う。
揚げたて濡れポテチ。
実際、色と照りはさっきよりも美味しそう。見た目、濡れポテチって感じするもの。
で、揚げたてで浸した奴ね。
もちろん今回も濡らしたてのやつを食べてみた。揚げたてで濡らしたて。
今回はダントツでソースが美味い。芋なのにジューシーでスパイシー。他のものは油の旨みに押されている感じがしたが、ソースは高いレベルで対抗していた。
揚げ物はソース派からしたら妥当な結果。揚げたてのポテチと市販のものはやっぱり別物だという思いを強くした。
揚げ濡れポテチは
揚げたてで濡らしたポテチも落ち着いたようなので食べてみる。
期待膨らむ
どんなもんかと食べてみると、辛い。すっごい辛い。ソースのスパイスが前面に立って、口の中がヒリヒリするくらい辛い。なんだこれは。さっきとつけたソースの量はあまり変わらないのに驚くほどの味の違い。
他の調味料でも妙に味が濃く感じられて食べるのが辛いくらいだった。食感はシャクシャクとした感じでガルボとかしみチョココーンのように染みた感じはあるが濡れという感じは薄い。染みこみが良すぎたのか、悪かったのか。
油で弾いていたしなぁ。
予想外にあまり良くない揚げたて濡れポテチ。おせんべいと違って「揚げ」というところにポイントがあるのだろうか。浸した時も油で調味料を弾いていた。ならば。
レンジでポテト作れるやつならば
油で揚げるから調味料を浸す際に調味料を弾いてしまうと思うのだ。それで思いついたのが電子レンジで作れるポテトチップス。容器に立てて電子レンジで回せばポテトチップスになるらしい。そういうのを東急ハンズで見たことがある。
よし、買いに行くぞ!と思ったがすでにお店はしまった時間。明日にするにしても締め切りというものがあるのだよ。さぁどうしよう。
こ、これは。
まさか。
これで。
出来た!
出来た。出来てる、よね。レンジでポテチ作る容器?なにそれ?って思ってた人もこれ見たら、あぁ~、そういうのあるわ。って思うくらいの感じにはなっているだろう。
いざレンジポテチ
レンジアップ!
いやはや、無理かと思ったが出来るものだ。実際の商品は1000円以上するらしいので非常に得した気分。なんでも自分でやろうとする精神ってのは良いものだね!
レンジポテト、どんなものか楽しみだ。と思っていたらレンジが鳴った。どれどれ。
ヘニョってるー!!!
ふふふ、出来栄えはどうかな。と思いつつレンジの扉を開けたらジャガイモが全部ヘッニョヘニョになっていた。ギャー!なにこれ!!
しなびただけじゃん。
ジャガイモを立てる、という所までは完全に再現できていたと思うのにこの有様。やはり手作りでは無理があったか。というかどんな容器でも、これだけヘニョヘニョになるんなら立たせることは出来ないんじゃないか。
なにこれなにこれ、どうしよどうしよ。
ううう、と唸りながらインターネットで検索してみたら、レンジポテチはあの容器がなくてもレンジにかければ普通に出来るらしい。なんですとー!!
ホントに出来た!!
えっ、そうなの!?と思いながら皿に移し替えてしばらくレンジにかけると、ホントに出来てる!!あの容器は均一に熱が通りやすくするためと、省スペースで並べるためのものだったらしい。作った容器は皿と同じ量しか置けていなかったし、全く不要なものだったっぽい。
皿最高や!レンジ容器なんかいらんかったんや!!
ホントにポテチになるんですね
想像以上にポテチ。
そうやって出来たポテチ、ただレンジで熱通しただけだからどちらかと言えば焼き芋なのでは、と思ったが出来上がりを見るとちゃんとポテトチップスしてる。
バリバリとした歯ごたえで揚げたものよりも甘みを強く感じる。あっちが鶏もも肉ならこっちがササミっていう感じ。
全然調味料を弾かない。読み通り!
そのレンジポテチを熱々で調味料に即入れる。すると予想通り調味料を弾かずにすっと馴染む。これだと浸す時間が短く出来るので味が濃くもならなさそう。
もちろん、つけてすぐも食べてみた。美味い。
レンジポテチも出来立てすぐを調味料で食べてみたが醤油とめんつゆがよく合った。調味料とよく馴染んで甘みが残る感じで噛むほど美味い。揚げてないのにポテチになるわけが…と思っていたが予想以上に美味い。揚げない唐揚げとかも食べたらこうなるんでしょうな。
これでまたしばらく待ちましょうね。
行き着いたか
さて出来上がったレンジ濡れポテチ。どんな感じになっているだろうか。
さぁ、いかがか。
これ以上に手は考えてないぞ。と思いながら食べると、全面的にマクドナルドのヘニョヘニョポテト風な感じになってる!う、美味い…?いや、美味いって全肯定する感じじゃなくて、なんか、好き。って感じの味。好き。
ほら、こんな感じ。
この「えっ、これ、これでいいの!?あぁ、でも好きかも」って感じが濡れ煎餅とも似た感じ。フニャッホク…という不思議な食感はちょっと食べ続けると癖になる。感じが無くもない…。
全体的にこれはこうだ!と言い切れる状態ではなく食べながらも戸惑う感じ。でも個人的には好き。という味。どう言い表したらいいか全然分からないが、目指していた濡れポテチは通りの物が出来たので嬉しく思う。
これは言っていいでしょう。これが、濡れポテチだ!!
名前からスタートした感がなくもない、濡れポテチ。結果としてヘニャヘニャのマクドナルドのポテトっぽいやつ。という所に着地した。正統派の変化球で、好きな人はすごく好き。みたいな良い感じの所に落ち着いたんではないだろうかと思う。
僕自身マクドナルドのヘニャヘニャ好き派であるが、食べてみて思ったのはバリバリ8割、濡れポテチ2割くらい、多くても3割位の割合にしたほうがいいかもしれないという事。
好きだけど、ちょっとだけだから好き、みたいな事あるじゃないですか。柿ピー好きだけど柿の種だけのやつとかピーナッツだけのやつはあんまり食べる気しない、みたいな。世の中は色んなバランスで成り立ってるんだと教えられましたね。ポテチ濡らして。