特集 2012年3月28日

中学生が考案したレシピたち

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昔から料理のレシピというのは本やテレビでたくさん紹介されている。 特にインターネットが出てきてからというもの、 個人の編み出したレシピが誰でも見て作ることが出来るようになった。

ただ世の中には、本にもネットにも載ってない、かといって秘密にされてるわけでもないレシピも存在する。そういったメディアでは紹介されないレシピにも、注目に値するものがあるのではないだろうか。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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図書館でしか見られないレシピ

たまに行く図書館でこのようなものが掲示されていた。
なぜ図書館にレシピ集が。
なぜ図書館にレシピ集が。
よく読んでみると、去年行われた新宿区メニューコンクールの入賞作品だそう。 ファミリー部門と中学生部門があり、牛乳・乳製品をテーマとしたレシピのコンクール らしい。

どちらの部門も中学1年生ぐらいの子ががんばって作ってて、 巷のレシピとは一線を画す全文鉛筆書きのレシピが微笑ましい。
最優秀賞はさすがの出来。
最優秀賞はさすがの出来。
小さい頃から器用な子はいつの時代もいるもので、最優秀賞は
料理もレシピの内容も大人顔負けのうまさだった。

ちなみに最優秀賞のレシピはこちらでダウンロード出来るので興味のある方はどうぞ。

レシピとしての邪気のなさ

そんな感じで自分が中学生だったときのことを思い出して落ち込むほど全体的によく出来ている。それでいて好感が持てるのは、その中学生らしい実直な紹介の仕方である。
名前:牛乳すいとん アピールポイント:色んな栄養分がとれる
名前:牛乳すいとん アピールポイント:色んな栄養分がとれる
牛乳を使ったすいとんだから、牛乳すいとん。 一切読者の気を引こうとしないストレートなネーミングがかっこいい。

そしてアピールポイントの簡素なんだけどかなりフワッとした説明も素敵だ。 確かにいろんな栄養分が取れそう。色んな具が入ってるから。
名前:のりまき アピールポイント:弁当に入れやすい
名前:のりまき アピールポイント:弁当に入れやすい
のりまきだからのりまきだし、弁当に入れやすいから弁当に入れやすいんだ。

ウケを狙うとか、100つくレポ目指すとかそういうのがまるでない実直さが好感度大。 数字主義の大人社会ではなかなかお目にかかれない素晴らしいレシピだ。

それでいて写真は弁当ではなく皿に盛っているという、おそらく意図してない変化球を投げているのもすごい。

記憶に残すために作る

これらのような特定の場所でしか公開されてないローカルレシピ、おそらくある程度の期間で公開は終了されるのだろう。

図書館というと今晩の夕食を考えるために行くところではあまりないために、実際に作ってみる人はおそらく少数な気もする。仕方ないこととはいえ、それはもったいない。

消えてしまう前に、レシピから気になったものをいくつか自分で作って、記録とともに記憶も残しておきたい。
まず一品目に選んだのはこちらのヨーグルトういろう。
まず一品目に選んだのはこちらのヨーグルトういろう。
なぜなら簡単に作れるから。
なぜなら簡単に作れるから。
なんとかがおいしい、とか味のアピールでないところは若干不安だが、簡単に作れるのは料理初心者にとっても優しい。世の中のレシピが全部こうあってほしい。
作り方の記述はやや独特。
作り方の記述はやや独特。
→( )となっている箇所は、( )部分に進む、または戻るということか。 まるで楽譜におけるダル・セーニョだ。

とはいえ簡単といってるだけあって読み方さえ分かれば手順は簡単。 とりあえず材料・分量と手順を書き起こしておこう。
●材料(4人分)
・薄力粉 60g
・きび砂糖or砂糖 30g
・ヨーグルト 135g
・黒糖 30g
・抹茶 小さじ2
・バナナ 1本

●作り方(抹茶味)
・薄力粉、きび砂糖、抹茶をふるい、ヨーグルトと混ぜ耐熱容器に入れてレンジで加熱(600Wで4分)。形を整えたら冷蔵庫に入れ冷え固まったら切り分ける。

●作り方(バナナ味)
・薄力粉、黒糖、刻んだバナナをヨーグルトと混ぜ耐熱容器に入れてレンジで加熱(600Wで4分)。形を整えたら冷蔵庫に入れ冷え固まったら切り分ける。
バナナはもっと細かく刻めば良かった。
バナナはもっと細かく刻めば良かった。
ヨーグルトと混ぜて、
ヨーグルトと混ぜて、
レンジで加熱。
レンジで加熱。
どれくらいで固まるか分からないので、とりあえず一晩冷やした。
どれくらいで固まるか分からないので、とりあえず一晩冷やした。
盛りつけが下手ですみません。
盛りつけが下手ですみません。
味の方は入賞作品だけあって普通においしい。 いつものヨーグルトに飽きてちょっと違う食べ方をしてみたい時には最適。

しかし味よりなによりもアピールポイントの 「簡単に作れる。」がまさにその通りだった。簡単に作れた。

もし僕が誰かにこの料理を教えるとしたら、やっぱり「簡単に作れる」と言うだろう。
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アピールすべきことなどない料理

次に選んだのはこのミルクご飯&みそ汁。
実直かつ冒険的な名前。
実直かつ冒険的な名前。
名前のインパクトもあるが、なにより見た目がおいしそうというのが選んだ理由だ。 あとアピールポイント。
語る言葉などない。
語る言葉などない。
レシピに限らず料理ならばなにかしら食欲をそそる文句が書かれているもの。 しかしそんな媚びた真似は一切なし。

安っぽい言葉なんかいらない、作れば分かる、それだけだ。惚れる。

●ミルクご飯の材料(4人分)
・米 2合
・牛乳+水 2合分のメモリまで
・水煮大豆 100g
・ひじき 10g
・醤油 大さじ2
・しらす 30g
・ごま 適量
・万能ねぎ 適量
・塩 小さじ1/2

●作り方
・米をとぎ、ひじきを水で戻しておく。
・お釜に米、大豆、ひじき、醤油、塩、牛乳を入れて炊く
・炊きあがったらしらすを混ぜる
・茶碗に盛り、ごま、万能ネギをちらして完成

●ミルクみそ汁の材料(4人分)
・だし汁 400ml
・牛乳 200ml
・ニンジン 1/2本
・しいたけ 2枚
・さつまいも 1/2本
・小松菜 1/5束
・みそ 大さじ1と1/2

●作り方
・にんじんはいちょう切り、さつまいもは1cm幅の輪切り、しいたけと小松菜は食べやすい大きさに切り分けておく
・野菜が柔らかくなるまでだし汁で煮る
・味噌をといて牛乳、小松菜を入れひと煮立たせたら完成
材料もろもろを入れた状態のお釜。これで炊いたらほぼ完成。
材料もろもろを入れた状態のお釜。これで炊いたらほぼ完成。
ミルクみそ汁。きついソフトフォーカスかかってるのはキッチンの汚れをごまかすためです。
ミルクみそ汁。きついソフトフォーカスかかってるのはキッチンの汚れをごまかすためです。
きれいに出来た。
きれいに出来た。
料理に隠し味として牛乳を混ぜるのはよく聞く。 今回初めてやってみて意外と牛乳臭くならないことが分かった。 ミルクご飯は炊き込みご飯として問題なくおいしいし、 ミルクみそ汁は見た目がまさに牛乳だが味はみそ汁だ。

味音痴なので正直牛乳を入れた効果については見た目以外分かることはあまりないけど、 「牛乳を入れるとまろやかになる」となにかで読んだ気がするので、たぶんまろやかになってるのだろう。

そう思うともうすっごいまろやかな気がする。

再現して確認したくなる料理

最後に作るレシピはこちらの鳥肉とヨーグルトのオーブン焼き。
なによりも完成写真が気になる。
なによりも完成写真が気になる。
大丈夫か。
大丈夫か。
料理の名前もアピールポイントもしっかり書いてる。その分料理の写真に不安を抱かないではいられない。いいのだろうか。本当にこれで完成でいいのだろうか。

単に写りがたまたまイレギュラーだっただけということもありうる。 これはぜひ作ってみて再現するしかない。

●材料(4人分)
・鳥肉 550g
・キャベツ 100g
・油 大さじ1
・バター 100g
・小麦粉 大さじ1
・卵 2個
・プレーンヨーグルト 300g
・塩 5g

●作り方
・肉とキャベツを一口大に切り、油でいためる
・フライパンで小麦粉とバターを炒めて、お湯、ヨーグルトを加えて混ぜ合わせ、 まとまったら火からおろす
・溶いた卵を少しずつ加えながら混ぜて塩を加える。
・全ての材料を混ぜ、120℃のオーブンで45分焼いて完成
鳥肉としか書かれてなかったので、備蓄してある鶏胸肉を使用。
鳥肉としか書かれてなかったので、備蓄してある鶏胸肉を使用。
いろいろ混ぜたヨーグルトにさらにいろいろ混ぜる。
いろいろ混ぜたヨーグルトにさらにいろいろ混ぜる。
炒めたものと混ぜたヨーグルトをオーブン用の器に盛る。
炒めたものと混ぜたヨーグルトをオーブン用の器に盛る。
後は120℃のオーブンでじっくり焼けば・・・あの見た目になるのか。
後は120℃のオーブンでじっくり焼けば・・・あの見た目になるのか。
大丈夫だった。
大丈夫だった。
心配は杞憂に終わった。見た目はきれいとまではいかなくてもちゃんとしている。 味もヨーグルトの酸味と肉の旨みがちょうど良くておいしい。ああ良かった。

入賞しなかったレシピも見てみたい

今回取り上げてみたのは入賞作品のごく一部。コンクールには700通近い応募があったという。つまり世に出てない超ローカルなレシピがまだまだ存在するということだ。

そういったものはおそらく今後もネットや本には出てこないのだろう。 もし機会があるなら入賞しなかったレシピもぜひ見てみたいと思う。
夏に作ろう。
夏に作ろう。
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