ガードパイプ探偵あらわる
ある日、自宅の近所でいいかんじの建物をみつけてツイッターにアップしていたら、「お、これは江東区ですね!」と探偵のようなリプライをくれたひとがいた。
問題の建物がコレ。な、なんでばれたの?
写真撮るとき「ちょっと邪魔だな~」と思ってたこのガードパイプが動かぬ証拠に。
このナミっとした模様。これは江東区が管理する道路に特有のもので、ガードレール・ガードパイプマニアの皆さんの間では常識らしい。そう言われれば、「ああ、たしかに江東区といえば、水路推しですからね」という納得感。うおおそうだったのか、今度から写真を撮るときはガードパイプから居住区バレしないように気をつけよう…とおもいつつ、それ以降、ガードパイプが気になってしかたがない。
そういえば、会社の前にあるのもちがう形だし
渋谷区でたまたま見つけたのもちがってた。おもしろい。
ネット上の情報をたよりに(いちばん参考にさせていただいたのはこちらのサイトです)、Googleストリートビューで場所を特定し、23区の有名ガードパイプをまわってみることにした。
では時系列順に一気にご覧いただこう。
江戸川の「川」を表現
江戸川区の区章をデフォルメせずにばっちり再現。
つづく墨田区には区共通のものはなく、錦糸町駅前のこれは、なんとなく「錦糸」ってかんじ。
錦糸町駅前には目玉タイプもあった。国道によくつかわれている汎用型。
浅草橋駅には、台東区と中央区の区境がある。中央区側には区章の菱形をあしらった中央区のガードパイプ。上がとびでてるのがちょっとオシャレ。
千代田区側にあったガードパイプだが、これは千代田区というよりも、御茶ノ水の「聖橋」をあらわしているのだね!(いま気がついた)
奥にかすんでみえるのが聖橋。たしかにガードパイプにしたくなる形。
聖橋を横目に見ながら橋を渡ると文京区。おそらく「文」を表現している。単純明快な文字タイプのなかではちょっとこましゃくれててわかりにくい部類。
区の花、ハナショウブをモチーフとする葛飾区。
足立区の区の花はチューリップ。これはわかりやすい。かわいい。
ちなみにこのあたりは区境が入り組んでいるポイントで、ガードパイプもそれぞれの区のエリアをきっちり主張していた。隣り合うハナショウブとチューリップ。
葛飾区にはこんなタイプも。これから区の花ハナショウブを感じ取れとはけっこう高度な区民レベルを要求する葛飾区。
台東区でよくみられるコレは、なにをあらわしているか不明なうえ、千葉でも目撃情報がある。葛飾区とはうってかわっての主張ゼロ感。
北区の「北」。説明の必要がない単純明快さに惚れる。私の中での区道ガードパイプナンバーワンである。だいたい、北の方にあるから北区ってところがもう既に潔すぎるね。いいね、北区。
都道のイチョウタイプの真ん中に、かたつむりをあしらったもの。かわいいけど、意味はわからない。
中野駅北口に古いガードパイプがあるときいて行ってみたら工事中。30分くらいガードパイプなどありそうもない住宅街をさまよい、諦めて駅まで戻ってきたところでひとつだけ見つけた。
撮った写真を見返すと、これとか
もうこれでいいんじゃないかという、さまよい中の投げやり感が伝わってくる。
ようやく見つけたけどこんな状態だったので早晩撤去されることが予想されます。なかなか凝った模様で素敵なのにな。
お隣高円寺では駅をでて5秒で目当てのガードパイプを発見。杉並区の「並」。これも単純明快。潔い。
高円寺→練馬行きのバスに乗って、初めて足を踏み入れた練馬区。なんとなく練馬っぽい。
ラスト、世田谷区。なんとなく世田谷っぽい。
踏破したのは東京23区中、計13区。収集したガードパイプは都道、国道含めて17柵。またガードパイプをみれば東京の区の半分はわかるという余計な特技が増えた。
静岡でたまたま見つけたコレは
富士山!
ガードパイプには、必ずなにかしらのモチーフがあるべきとされてるわけでもないので、そのわかりやすさや見つけやすさはマチマチ。そして国道タイプ、都道タイプ、区道タイプが並んで設置されてるようなところもあって、この道なら必ずあるというわけでもないし複雑である。がしかし、ひとつ見つけてしまったからには、この区は、この市は、この県にはないかと、どんどん範囲を広げて探したくなってしまう。しばらくは道路沿いに目を光らせる毎日がつづきそうだ。