特集 2012年2月28日

カッコいい罰ゲーム

雪?いやパイだ。
雪?いやパイだ。
罰ゲームは面白い。タライが降ってきたり、ビンタだったり、わさびずしだったり。昔からバラエティ番組などで見られるおなじみの罰ゲームの数々。小さい頃「そんなもの見て!」と親に眉をひそめられながら、ワクワクとドキドキと背徳感とを綯い交ぜに感じながら、テレビから流れる罰ゲームから目が離せなかった。
1978年京都生まれ。東京在住。プログラマです。LINEという会社で働いています。
紆余曲折ありまして、ブログで記事を書いていたりします。

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カッコいい罰ゲーム

一般的に罰ゲームといえば、 痛かったり、辛かったり、恥ずかしかったりするものである。そういった 「カッコ悪い体験」をするのが罰ゲームの本質である。しかし罰ゲームというものが、もっとカッコよかったり、オシャレだったりしてもよいのではないだろうか?

罰ゲームを観る時、表情や動きといった面白さを表す側面に意識を囚われがちであるが、罰ゲームが持つスタイリッシュさや躍動感にフォーカスを当てれば、そこに「カッコいい罰ゲーム」というものが存在するのではないだろうか。

検証してみよう

まずは一般的な罰ゲームグッズを取り寄せてみた。
スネ毛はがしのガムテープ
スネ毛はがしのガムテープ
頭に落とす鍋
頭に落とす鍋
定番のパイ投げ
定番のパイ投げ
パイ投げセットは見るからに楽しそうである。「くらえー」「やめてー」である。今回、編集部の方にもカッコいい罰ゲーム検証にお付き合い頂いた。各々、好きな罰ゲームグッズを持参頂くようお願いした。
林さんと待ち合わせ
林さんと待ち合わせ
タライ買ってきました
タライ買ってきました
見た瞬間ゾッとした。本気のタライだ。ずっしりとした重量感。圧倒的な硬さ。まったく遊びがないタライだ。これが頭に落ちるのか、と思うと不安感から思わず首まわりをさする。それほど強烈な存在感を出すタライだ。
罰ゲーム開催地の川原へ
罰ゲーム開催地の川原へ
タライに不安を感じつつ撮影現場の川原へ向かう。この日は罰ゲームを開催するにうってつけの肌寒さだ。雪もちらついてきた。寒いと痛みも倍増する。冬のなわとび理論だ。
寒々しい現場
寒々しい現場
それではさっそく罰ゲームを開始する。まずは小さな鍋から頭の上に落としてみることにする。全員が罰ゲーム初心者なので、おっかなびっくりイージーそうな罰ゲームからスタートである。
構えて
構えて
落とす
落とす
あ、痛い
あ、痛い
地味だが確実に痛い。思いの外衝撃も感じる 。しかしそれが伝わらない、なんとも地味な罰ゲームである。罰ゲーム以上でも以下でもないただの罰ゲームである。この鍋落としをカッコいい感じにしてみよう。

一眼レフカメラを使い、オシャレ写真などによく見られる「背景ぼかし」のテクニックで撮影する。絞りは開放、いわゆる背景ボケボケ写真だ。
空から鍋が落ちてきた。
空から鍋が落ちてきた。
ちょっとポエムを読みたくなるような爽やかさが感じられる。最初の地味な罰ゲームと比べると、下手したら女子にモテるんじゃないか?とさえ感じさせてくれる罰ゲーム具合だ。いい感じだ。

この調子でどんどん罰ゲームをこなしていく。
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タライ

次にタライ落としにチャレンジする。サイズと重量感に慄きながらも、まずは普通に頭上に落としてみることにする。
両サイドからもって
両サイドからもって
タライ投下
タライ投下
直撃
直撃
凄い。ものすごいパワーだ。頭上からほとんど離していないにも関わらず(これ以上離すと危険そう)、ものすごい衝撃を感じる。
林さんにも
林さんにも
直撃
直撃
当たった時の音が凄い。少林寺の屈強な僧侶が全力で叩いているドラのような音だ。それが川原に鳴り響くのだ。これは何度もできる罰ゲームではないと直感的に悟る。ドリフターズはスゴイ。そりゃ志村も後ろに気づかないわ、というくらいの衝撃だ。

このタライ落としもオシャレさを全面に押し出して撮影してみる。
どうしようもない僕にタライが降りてきた
どうしようもない僕にタライが降りてきた
どうしようもない僕にタライが降りてきた2
どうしようもない僕にタライが降りてきた2
どうしようもない僕にタライが降りてきたその後ろにいる人
どうしようもない僕にタライが降りてきたその後ろにいる人
ベレー帽?いやタライだよ
ベレー帽?いやタライだよ
タライが若者世代のマストアイテムに見えてくる。川原がいつのまにか原宿にいるような錯覚さえ覚える。レディーガガもこんな帽子をかぶっていた気がする。とにかくマストバイだ。

ゴムパッチン

これも定番の罰ゲーム「ゴムパッチン」だ。往年の漫才コンビ「ゆーとぴあ」が得意とした定番のネタである。思わず学生服を着たくなる。
引っ張ってー
引っ張ってー
パチン
パチン
思ったほど、というか全く痛くない。思わず苦笑いである。テレビのゴムパッチンはきっとプロ用のゴムパッチンなのだ。素人には買えないものだろう。ともかく、こちらもカッコよくしてみよう。
ピントはゴムパッチン
ピントはゴムパッチン
横からゴムパッチン
横からゴムパッチン
2枚目の写真は一見普通の罰ゲームに見えるが、よくご覧頂きたい。
そう、背景に新幹線が通過している
そう、背景に新幹線が通過している
罰ゲーム本体ではなく、背景に映っている要素でカッコよさを演出するというアウトソーシングである。東京タワーやスカイツリー、レインボーブリッジなどのランドマークがあれば比較的実現しやすい手法である。
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ガムテープはがし

胸毛やすね毛をガムテープで一気にはがすという罰ゲーム。女性の場合にはエステと名を変える、所変われば品変わる罰ゲームである。
スネにぴったりと貼る
スネにぴったりと貼る
躊躇なく一気に剥がす
躊躇なく一気に剥がす
ものすごく地味だが、結構痛い。こんなにも報われない罰ゲームは他にないのではないだろうか。驚くほどの対費用効果の低さだ。ともかく、これも是非カッコよくにしていきたい。
長めのガムテープで奥行きを感じさせる
長めのガムテープで奥行きを感じさせる
さらに手前のハトもフレームに収める
さらに手前のハトもフレームに収める
記念写真の向こうで
記念写真の向こうで
ほのぼのした風景を手前に置くことで付加価値を出してみるパターンである。変化球だ。自然と笑みが溢れる罰ゲームである。

蛇どっきり

次は少し趣向を変えて、どっきり的なものをカッコよくしてみる。ゴム製の蛇などで人をビックリさせる定番のどっきりだ。
蛇だ!ドッキリ!
蛇だ!ドッキリ!
よくあるイタズラである。これをスタイリッシュにしてみよう。
うわぁぁ、蛇だぁぁぁぁ!
うわぁぁ、蛇だぁぁぁぁ!
圧倒的な躍動感である。漫画でもここまでびっくりしている人間はそうはいないんじゃないかと思う。蛇のシルエットが象徴的でなにかを暗示しているようにさえ思える。さらに白黒加工もしてみた。
ホワイト・スネイク、カモン!]
ホワイト・スネイク、カモン!]
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パイ投げ

いよいよ最後に罰ゲーム界の花形「パイ投げ」である。憧れの罰ゲームだ。こればかりは一発勝負でチャレンジである。カッコいいパイ投げや、
いかに
いかに
!
!
!
ズバーン
ズバーン
ズバーン
ズバーン
ズバーン
ズバーン
ズバーン
ズバーン
4方向からパイ投げを捉えてみた。このダイナミズム。パイ投げという刹那をここまでドラマチックに捉えた写真があっただろうか。飛び散るパイがまるで雪のように見えてくる。頭の中に流れるBGMはレミオロメンの粉雪だ。3枚目の写真で林さんがカメラを二刀流にしているのもカッコいい。
カメラ武蔵
カメラ武蔵
それにしてもパイ投げはすごかった。
衝撃に立ち尽くす
衝撃に立ち尽くす
衝撃と共に、文字通り眼の前が真っ白になった。ホワイトアウトだ。顔をぬぐいながら、これで自分もパイ投げられ経験者かと思うと、何故か感慨深かった。パイを投げられ終えた後、景色がいつもより綺麗に見えた気がした。これがパイ投げられ後の世界か。単にメガネが綺麗になっただけかもしれないが。

今回のこのパイ投げを「パイ投げられ視点」でとらえた動画も撮影した。
バーチャルパイ投げられ体験である。
この臨場感
この臨場感
ハイを投げ終わった後のべつやくさんの表情も印象的だ。
嬉しそう
嬉しそう
そう、パイは投げるものを笑顔にする。そんな言葉が脳裏をよぎった。世の中のすべての銃がパイに変われば、きっと世界は笑顔に包まれるんじゃないだろうか。ジョン(レノン)がそんな歌をうたっていた気がする(ウソ)。

パイ投げられ動画BGMつきバージョンはこちら
パイ投げて 世界平和ね ジョンレノン 泡の向こうに 雪の多摩川
パイ投げて 世界平和ね ジョンレノン 泡の向こうに 雪の多摩川

罰ゲームスキル

今回罰ゲームの撮影をして一番感じたのは、撮影する難しさだ。タライがヒットする瞬間、ガムテームが剥がされる一瞬、イテテー!とリアクションの表情など、写真に上手く収めるのがとても難しい。上手く写真に撮れないと何度も頭上に鍋を落とすハメになる。テレビでやっている罰ゲームは罰を受ける方もプロなら、撮る方もプロなのだ。何も考えずに笑いながら見ている罰ゲームは確かな技術によって伝えられているだ。と頭をさすりながら思った。
タライメガネズ
タライメガネズ
メガネが3人揃ったのでアイドルグループっぽい写真も撮った。本文とは全く関係ない。
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