きみは冬型の気圧配置について知っているか
テレビの天気予報で「西高東低」とか「冬型の気圧配置」とかいう単語をきいたことがあるとおもう。これをわたしの約15年ぶりぐらいの理科の知識を用いて図に描くとこういうことだ。
東に低気圧、西に高気圧。これが、北西に鎮座するシベリア寒気団からの冷たい季節風を呼び起こす。
この気圧配置になると、日本海側では大雪が降り、太平洋側ではからりと晴れる。それは、日本列島の真ん中に山脈があるからだ。
海の湿気をともなった季節風が山にぶつかって大量に雪を降らせる。ひとしきり降らせて、すっかり乾いてから太平洋側に抜ける。
こういうわけで新潟あたりの山間部では何メートルと雪が積もることになる。噂では、新潟出身政治家の田中角栄氏が、「山をなくせば雪降らない」と言ったとか、言わないとかである。
昨年末、帰省のための乗換で訪れた越後湯沢駅。東京だったら確実に全線運休だが、ふつうに全ての電車がほとんど遅れず運行していた。
私の出身地は、地図の日本海にでっぱってる部分(は、ほとんど能登なので、その根元の)金沢市。
平野部である金沢市街地の雪は、北海道や越後湯沢のようなわかりやすい雪じゃない。積もる雪は一晩降って3日でとけ終わるくらいのペースで冬に何回かやってくるが、主要な幹線道路には融雪装置(地下水を流して雪をとかす)がついているし、それでとけてしまうくらいには気温も高い。スキーで登校したりしないし、雪でも普通に傘をさす。
そういう、見過ごされがちな「ふつうの日本海側」の天気の悪さを、今日は自慢したいのだ。
平野部である金沢市街地の雪は、北海道や越後湯沢のようなわかりやすい雪じゃない。積もる雪は一晩降って3日でとけ終わるくらいのペースで冬に何回かやってくるが、主要な幹線道路には融雪装置(地下水を流して雪をとかす)がついているし、それでとけてしまうくらいには気温も高い。スキーで登校したりしないし、雪でも普通に傘をさす。
そういう、見過ごされがちな「ふつうの日本海側」の天気の悪さを、今日は自慢したいのだ。
1月20日(金) 東京 雪、金沢 晴れ
1月20日、東京で雪が降った。
東京で雪が降るたびに「いや、こんなものは雪とは呼ばない」と自慢したくなるのが雪国属性たるものである。
東京で雪が降るたびに「いや、こんなものは雪とは呼ばない」と自慢したくなるのが雪国属性たるものである。
東京にしちゃあまぁまぁ積もったほうではありますがね。
しかし東京は雪道のマナーが非常に悪いですよ。こんなてんでばらばらな雪のとけ残りなんて金沢ではまず見ないね!
融雪装置のない歩道では、誰かの足跡の上を歩くので、まず真ん中に通り道ができて、真ん中からきれいにとけていくのが常識である(ふふん)。
金沢に住む母に「東京でも雪降ったよ」とチャットで送ってみたら、なんだかすごく喜んでいた。
(左側が母、右側が私の発言です)
なんと金沢では、扇風機まわすほど暑く、洗濯物外に干すくらいの陽気だという。こりゃ東京の雪景色といい対比になるなぁと思って、写真を撮って送るようたのんだのだが
え、これ、晴天!?
こ、これは。東京だったら「あ、今日雨降りそうだから外に洗濯物干すのやめておこう」というレベルじゃなかろうか。そして実家の窓から外を撮るとめちゃくちゃ田舎に住んでるみたいに見えるのも発見であった(ふつうに住宅街です)。
あまりの天気悪いっぷりがおもしろいので、母にしばらくレポートにつきあってもらうことにした。
あまりの天気悪いっぷりがおもしろいので、母にしばらくレポートにつきあってもらうことにした。
2月4日(土) 東京 晴れ、金沢 雪
2月4日。立春のこの日の東京は、朝から非常におだやかな晴天で気温も高く、「さすが立春」とか、「もう春ですね♩」といったツイートが私のタイムラインには流れてきていた。
おだやか~
こういうツイートをみるとやはり、「春だと!? 春なわけないだろう!!」と自慢したくなるのが、日本海側属性たるものである。
とそこへ、「雪降ったら写真送って」と依頼していた母からタイミングよく着信。
たかだか暦の上の春に浮かれているそんな君はこれでもくらえ!
とそこへ、「雪降ったら写真送って」と依頼していた母からタイミングよく着信。
たかだか暦の上の春に浮かれているそんな君はこれでもくらえ!
めっちゃ、冬。
ほらね! 太平洋側の常識におどらされたりしないわよ!
2月7日(火) 東京 雨、金沢 雨
2月7日、東京は雨。
太平洋側が雨ということは、また母が喜んで洗濯物を干している頃かと思ったがそうでもなかった。
金沢も雨。
東京が晴れるとき、金沢は確実に天気が悪いが、その逆も然りとはいかないらしい。完璧な不公平である。ただし冬の金沢では、雨が降る=雪じゃない=あったかい=天気がいい(ついでに雪もとけるし)という解釈だったりもする。
母のテンションは低い。今夜からまた雪の予報だそうである。
2月9日(木) 金沢 雪、東京 晴れ
予報通り、雪降りしきる金沢。
こりゃ大変だ。
こんな雪の日、新潟や北海道ほど本腰はいってない雪国であるところの金沢の交通網は、わりと麻痺する。車社会だし、バスとか平気で1時間くらい遅れる。雪のための設備はたくさんあるが、どんな車も徐行運転になるし、どんな靴をはいてても滑るときは滑る。ただ、「雪が降りゃそんなもんだ」というのを知ってるから、大騒ぎしたりしない。それだけだ。
しかし今年はさすがにちょっと降りすぎだ。
こんな雪の日、新潟や北海道ほど本腰はいってない雪国であるところの金沢の交通網は、わりと麻痺する。車社会だし、バスとか平気で1時間くらい遅れる。雪のための設備はたくさんあるが、どんな車も徐行運転になるし、どんな靴をはいてても滑るときは滑る。ただ、「雪が降りゃそんなもんだ」というのを知ってるから、大騒ぎしたりしない。それだけだ。
しかし今年はさすがにちょっと降りすぎだ。
かたや東京は、桜並木もちょっとはほころび始めたんじゃないかというようなお天気に。
震える母
2月17日(金) 金沢 雪、東京 晴れ
春が近づくにつれ、ますます対比の色を濃くする、太平洋側VS日本海側である。
金沢
東京
嘆く母
レポート開始当初は予想だにしなかったくらい、今年の日本海側の雪は尋常ではない大雪になってしまった。金沢どころの騒ぎでない地域もたくさんあり、正直、雪国自慢している場合ではないのだが、それでも母から送られてきた雪の写真をみていて、しんと音がなくなる雪が積もった日の朝のことや、どこの家も早くに起きだして黙々と始まる雪かきのことを思い出すと、なつかしいのじゃない、誇らしい、という気持ちに私はなる。
来るべき春を迎えるまで、雪国の皆様に心からのエールを送りたい。
来るべき春を迎えるまで、雪国の皆様に心からのエールを送りたい。