特集 2012年2月20日

爆音演歌カラオケで歌え!綱島温泉

!
「渋谷から電車で20分のところに、ラドン温泉があってさあ、そこに遊びに行かない?」
と言われたら
・空気のんびり
・ゆっくりお酒など飲んでボヤボヤ会話
・支給される浴衣
などを想像していたので、
「いいっすよー」
と気軽に行ったら、
そこは、全く想像も出来ない空間が広がっていたのです…。
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

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綱島駅から、歩いてすぐ。
綱島駅から、歩いてすぐ。
なんてことない温泉なんですが…。
なんてことない温泉なんですが…。
非常にラフな作りのチケットを買って入ります(900円)
非常にラフな作りのチケットを買って入ります(900円)

爆音で流れ続ける演歌

下駄箱をぬけて、奥のいちばん広い宴会場に入ってみると…。
わあお。
そこは、ご高齢者の天国。
(年齢は、おそらく70歳前後。つまりアラセブン)。
広い広いステージに、ぽつんと置いてある通信カラオケ。
爆音で流れ続ける演歌。
畳の座敷は、100人は座れそうなほど。
次々と歌っていく人々。テレビ画面を見ると、予約が10件は入っている…。
そして、たまに、気まぐれに社交ダンスが始まる。

一体なんなんだ、この空間は!?
大宴会場、爆音カラオケ、70代客メイン。浴衣の人とかは一人もいませんでした。バッチリ平服。
大宴会場、爆音カラオケ、70代客メイン。浴衣の人とかは一人もいませんでした。バッチリ平服。
そう、ここは、彼らにとっての「クラブ」。
私たちが着いたのが午後一時だったのだけれど、大変な盛り上がりで、
つまり、若者の「クラブ」と12時間、ズレて盛り上がっていることが分かった。
私たちは、夜中のクラブに、何も知らずに入ってしまった場違いな異邦人…。
一応サンルームになっています(桜の季節はキレイらしい)。
一応サンルームになっています(桜の季節はキレイらしい)。
ネコも来ます。
ネコも来ます。
サービスカット。「おまえらココに何しにきたニャー?」
サービスカット。「おまえらココに何しにきたニャー?」
この状況を、あらかじめ知って連れて来た、友人Mさんは、にこにこ。
「さあ、歌おうか!」
と無茶なことを言うのである。
「ここで歌って、誰か知らない人に社交ダンス踊ってもらうのが目標なんだよねー」
とのこと。
まじかよ。
焦る、友人Nさん、Tさんと、わたし。
まずはシラフだと駄目だ、ということで、チューハイをごきゅごきゅ飲み始める。
飲食物の持ち込みはオーケーである。
ちなみに持ち込まなくても、氷結のトール缶が、自販機で200円で売っている。安い。

「演歌!? 演歌知らないよ! 氷川きよしくらいか!?」
と悩んでる私の横で、
「俺、『サマーヌード』(真心ブラザーズ/90年代邦楽)歌うーーー!」
と、まったく迎合せず、カラオケ入れに行くNさん。
ある意味すげえ! と感動してしまう。
タッチパネルなんてものはなく、みんな、本で調べて数字で入力。
タッチパネルなんてものはなく、みんな、本で調べて数字で入力。
はーしゃぎーすぎてるー なーつのーこどーもさー
はーしゃぎーすぎてるー なーつのーこどーもさー
場がざわっとした。「お、新参者が入ってきたな?」というざわめき。
しかし、Nさんが歌い終わったら、知らないおっちゃんがやって来て、
「若い人はいいねえ!」と声をかけてきた。
Nさんは男だけど、髪を長く伸ばしているので、それが気に入られたらしく「女の子みたいだね…」と、ボディタッチされていた。
そして、ラベルのはがしてある、透明なペットボトルから、なぞの焼酎を差し入れてくれた。
「Nさん、モテたね」
「演歌以外を歌ってモテるなんてすごいよ!」
「いや、でも、おっちゃん、俺の胸、もんでいったよ?」
「若ければもう、男でも女でも、何でもいいのだろうか…」
売店にも、いろいろメニューがあった。
売店にも、いろいろメニューがあった。
つまみも充実。
つまみも充実。
全体的に茶色いルックスだけど、美味しそう。
全体的に茶色いルックスだけど、美味しそう。
キムチラッキョウと、こんにゃく煮たやつをチョイス。
キムチラッキョウと、こんにゃく煮たやつをチョイス。
食事がまだだったので、カレーも食べてみる。うーん家のカレーみたいな味…。
食事がまだだったので、カレーも食べてみる。うーん家のカレーみたいな味…。
グリーンカレー。あやしい色をしてるけど、一応グリーンカレーの味がした。でも多分レトルト…。
グリーンカレー。あやしい色をしてるけど、一応グリーンカレーの味がした。でも多分レトルト…。
おにぎりに、イカが添えてあった。珍しい。
おにぎりに、イカが添えてあった。珍しい。
ラーメンは、家庭で作る袋ラーメンの味がしたけど、美味しかったですよ!
ラーメンは、家庭で作る袋ラーメンの味がしたけど、美味しかったですよ!
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次は私も歌わなくちゃ…。

さあ、サマーヌードの次に、何か入れなくちゃ。

ちなみにその日の、他の人たちのプレイリストはこんな感じ。
アガる曲では、踊りまくるみなさん(そうでもない曲だと、誰も踊りません)。
アガる曲では、踊りまくるみなさん(そうでもない曲だと、誰も踊りません)。
さざんかの宿
兄弟船
中仙道
水芭蕉
夕焼けとんび
かえり船
お父う
酒よ
夢追い酒
無法松の一生
虹色のバイヨン
むらさき海峡
小指の思い出
雨酒場
箱根のおんな
風に立つ
無常人生
愛待草より
たそがれのルンバ
俺ら炭鉱夫
涙の酒
きよしのズンドコ節
愛燦燦
二輪草
放華
津軽海峡冬景色
命くれない


他人船
岩手のおしょうさん
小樽のひとよ
哀愁列車
旅まくら
城ケ崎ブルース
東京音頭
星屑の町
北国の春


……知らない曲ばっかしだ。
しかし、氷川きよしの曲は人気で、きよしの曲だと、みんな踊った。最新ヒットチューンなんだね、きよし。
さて、歌わなくちゃ。酔っぱらわないとやってられないよ、ごきゅごきゅ。
さて、歌わなくちゃ。酔っぱらわないとやってられないよ、ごきゅごきゅ。
私もさすがに「演歌歌わないと駄目なのかな」と悩んだのだけど、ひよるのは止めて、ケイト・ブッシュの「嵐が丘」(「恋のから騒ぎ」のオープニングテーマ)を入れてみた。
どきどき、どきどき。
爆音の中で歌う。感じたことのない緊張感。異文化を持った人々の前。「ミュージシャンも、初海外公演する時ってこんな気持ちなのかしら」と想像してみたりした。
歌っていた時は、なんだか夢中で、あまり覚えていないんだけれども…。
一組、見知らぬペアーが、社交ダンスを踊ってくれた!!!!!!!
まじか。
っていうか、この曲、踊れる曲だったのか!(まあケイト・ブッシュはPVで変わった踊りを踊ってますけども)。
通常のダンスチューンではないのに…嬉しかった。

席に戻ると、みんなが
「踊らせたな~!!」
と、悔しそうであった。
(そしてその後、誰が歌っても踊らなかった)。

ちなみに私が次に歌った「LOVEずっきゅん」(ゼロ年代ロック)でも社交ダンスしてくれた。嘘みたい。
一階の大宴会場の上、2階には、貸し切れる宴会場もある。借りたいなー。
一階の大宴会場の上、2階には、貸し切れる宴会場もある。借りたいなー。
午後4-5時くらいになると、みんな、どんどん帰っていった。
始発を待って、オールを終わらすみたいに。
多分、家に家族が待っていて、これから夕ご飯を食べるんだろう。

私たちは誰もいなくなったフロアで、好き勝手に歌ってみた。『WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント』とか。
すごく楽しかった。最後には「もう閉めますからー」と係員の人に怒られた。
ヘーイヘーイヘイ、時には起こせよムーブメンッ!
ヘーイヘーイヘイ、時には起こせよムーブメンッ!
ちなみに…温泉(というか銭湯のようなつくり)には、一応入ったけども、別に温泉入らなくても楽しいので、入らなくてもいいかも。

お茶のような色の、いいお湯でしたが。
お茶のような色の、いいお湯でしたが。
東京から近い、おそろしきカラオケ温泉、綱島。
あなたも、(人生の先輩たちに敬意を表しながら)潜入してみるといいと思う。
ええと…度胸がつきますよ…?
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